投稿日:2024.10.31 最終更新日:2024.10.31
Webサイトの脆弱性診断はなぜ必要?診断内容や方法についてプロが解説
Webサイトの脆弱性を放置すると、思わぬリスクに直面する可能性があります。
実際、日々増え続けるサイバー攻撃の標的になるのは、大企業だけではありません。中小企業や個人事業者のサイトも、攻撃の対象となっています。サイバー攻撃の手法は日々進化しており、多くの企業がそのセキュリティ対策に追いつけていないのが現状です。
とはいえ、「セキュリティ対策は難しそう」「コストがかかりすぎる」と感じることもよくあります。確かに、専門知識がなければ適切な対策を講じるのは簡単ではありません。
そこで注目されるのが「Webサイトの脆弱性診断」です。この診断を定期的に行うことで、潜在的なリスクを事前に把握し、効果的な対策を取ることができます。
本記事では、Webサイトの脆弱性診断の重要性や具体的な方法、そして診断を通じてセキュリティをどのように強化できるかを詳しく解説します。
目次
Webサイトには脆弱性診断が不可欠
Webサイトは企業にとって重要な資産です。しかし、多くの組織がセキュリティ対策を十分に行っておらず、大きなリスクにさらされています。脆弱性診断を怠ることで、次のような深刻な問題が発生する恐れがあります。
- 不正アクセスによる情報漏洩:サイバー攻撃者が脆弱性を悪用して機密データを盗むリスクがあります。
- サービス停止によるビジネス機会の損失:DDoS攻撃などでWebサイトが停止し、取引や顧客対応に支障をきたすことがあります。
- 企業の信頼性低下:セキュリティ事故は、顧客からの信頼を大きく損なう可能性があります。
- 法的責任の発生:個人情報保護法などの法規制に違反することで罰則を受けることがあります。
Webサイトが抱えるリスクについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。
【中小企業必見】脆弱性診断とは?機密情報を守る“自社セキュリティ”の確認方法を解説!
Webサイトの脆弱性を放置すると、思わぬリスクに直面する可能性があります。 実際、日々増え続けるサイバー攻撃の標的になるのは、大企業だけではありません。中小企業や個人事業者のサイトも、攻撃の対象となっています。サイバー攻撃の手法は日々進化しており、多くの企業がそのセキュリティ対策に追いつけていないのが現状です。 とはいえ、「セキュリティ対策は難しそう」「コストがかかりすぎる」と感じることもよくあります。確かに、専門知識がなければ適切な対策を講じるのは簡単ではありません。 そこで注目されるのが「Webサイトの脆弱性診断」です。この診断を定期的に行うことで、潜在的なリスクを事前に把握し、効果的な対策を取ることができます。 本記事では、Webサイトの脆弱性診断の重要性や具体的な方法、そして診断を通じてセキュリティをどのように強化できるかを詳しく解説します。 Webサイトには脆弱性診断が不可欠 Webサイトは企業にとって重要な資産です。しかし、多くの組織がセキュリティ対策を十分に行っておらず、大きなリスクにさらされています。脆弱性診断を怠ることで、次のような深刻な問題が発生する恐れがあります。 不正アクセスによる情報漏洩:サイバー攻撃者が脆弱性を悪用して機密データを盗むリスクがあります。 サービス停止によるビジネス機会の損失:DDoS攻撃などでWebサイトが停止し、取引や顧客対応に支障をきたすことがあります。 企業の信頼性低下:セキュリティ事故は、顧客からの信頼を大きく損なう可能性があります。 法的責任の発生:個人情報保護法などの法規制に違反することで罰則を受けることがあります。 Webサイトが抱えるリスクについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。 Webサイト脆弱性診断の主要項目 Webサイトの脆弱性診断では、サイトの安全性を確保するために様々な観点から検査を行います。主な診断項目は、「Webアプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」に大別されます。 Webアプリケーションは、Webブラウザを通じて利用できるソフトウェアで、ユーザーが直接操作する部分を含みます。これに対し、プラットフォームは、OSやミドルウェアなど、アプリケーションが動作するための基盤を指します。 この違いから、診断対象や方法も異なり、それぞれの特性に応じた診断が必要です。 それぞれについて見ていきましょう。 ①:Webアプリケーション診断 Webアプリケーション診断では、サイトの機能や入出力処理に関する脆弱性を重点的に調査します。 SQLインジェクション対策 SQLインジェクションは、不正なデータを入力することでデータベースを操作しようとする攻撃です。診断では、入力フォームやURLで不正なデータが入力されないようにチェックします。 クロスサイトスクリプティング(XSS)対策 XSS攻撃は、Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込む攻撃です。診断では、ユーザーが入力した内容がそのまま表示されないように安全な方法で処理されているかを確認します。 認証・認可の脆弱性 ログイン機能や権限の管理に関する問題を調査します。例えば、パスワードが十分に強力か、セッション管理が安全に行われているか、アクセス制御が適切かなどを確認します。 クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)対策 CSRFは、ユーザーが意図しない操作を強制する攻撃です。診断では、重要な操作が第三者によって勝手に行われないようにするための対策が取られているかを確認します。 ②:プラットフォーム診断 プラットフォーム診断では、Webサイトを支えるインフラの安全性を検証します。 サーバーの安全性の確認 サーバーの基本ソフトウェアに問題がないか、最新のセキュリティ更新が適用されているかを確認します。 ソフトウェアの設定 Webサイトを動かすためのソフトウェアの設定を確認します。不要な機能が無効化されているか、適切にアクセスが制限されているかをチェックします。 SSL/TLS設定 安全な通信を行うための設定が正しく行われているかを確認します。例えば、最新のプロトコルを使用しているか、強力な暗号化が使われているかを確認します。 ネットワーク設定 ファイアウォールの設定や不要な接続がないかを確認し、不正アクセスを防ぐための対策が取られているかを検証します。 脆弱性診断を通じて、これらの項目を総合的に評価することで、Webサイトのセキュリティレベルを向上させることができます。 続いては、具体的な診断方法について詳しく解説していきます。 Webサイトの脆弱性診断の方法 Webサイトの脆弱性診断には、主に「ツール診断」と「手動診断」の2つの方法があります。Webサイトは常に更新され、複雑な機能を持つことが多いため、自社の状況やニーズに合った診断方法を選びましょう。 ツール診断は、専用のソフトウェアを使って自動的に診断を行う方法です。短時間で広範囲の診断が可能で、定期的な実施に向いています。 一方、手動診断はセキュリティ専門家が直接Webサイトを操作して脆弱性を探索する方法です。Webサイト特有の複雑な脆弱性や、特定の機能や業務フローに関連する問題の発見に適しています。 Webサイトの規模や複雑さ、セキュリティ要件に応じて、ツール診断と手動診断のどちらか、または両方を組み合わせて選択することが重要です。 それぞれに診断方法については、別記事でさらに詳しく解説予定です。 続いては、脆弱性診断にかかる費用や時間について詳しく解説していきます。 Webサイト脆弱性診断の費用と所要時間 Webサイトの脆弱性診断にかかる費用と時間は、診断方法や対象範囲によって大きく異なります。 ツール診断は比較的低コストで、短時間での実施が可能です。クラウドベースのサービスでは月額数万円から利用でき、小規模なサイトなら数時間で診断が完了します。 手動診断は専門家の知識と時間が必要なため、コストが高くなります。小規模なサイトでも数十万円からの費用がかかり、診断期間は1週間ほどかかることが多いです。 診断にかかる費用と時間は、Webサイトの規模や複雑さ、セキュリティ要件に応じて変わります。また、定期的な診断を行う場合、年間契約などでコストを抑えることも可能です。企業は自社のニーズと予算を考慮して、業者と細かくすり合わせていくことが重要です。 脆弱性診断にかかる費用や時間については、別記事でさらに詳しく解説予定です。 【実は】脆弱性診断の定期的な実施が重要 ここまで、Webサイトの脆弱性診断の重要性と具体的な診断方法などについてみてきましたが、「これでもう安心!」とはいきません。 実は、脆弱性診断は、「定期的な診断」こそ重要なのです。 新たな脆弱性の出現 システムの変更や更新 外部環境の変化 順番に説明します。 まず、サイバー攻撃は常に進化しており、脆弱性は新たに発見され続けています。システムが最新の状態であっても、時間が経つにつれて新しい脆弱性が発見され、悪意のある攻撃者がそれを悪用する可能性があります。定期的な診断を行うことで、新たに発見された脆弱性にも対策が可能になります。 また、Webサイトは新しい機能を追加したり、システムを更新したりしますが、この際にも、新たな脆弱性が発生するリスクがあります。特に、アップデートやカスタマイズを行った場合、想定外の脆弱性が生じることが少なくありません。これを未然に防ぐためには、変更後にも診断を行うことが必要です。 さらに、プラグイン、サードパーティのAPI、ホスティングサービスなど、外部のツールやサービスの更新や変更によっても、Webサイトの安全性に影響が出ることがあります。 再度診断を実施する際は、必ずしも「手動診断」を行う必要はなく、状況に応じてコストを抑えられる「ツール診断」を活用するのもいいでしょう。 「せっかくコストをかけて診断したのに、無駄になってしまった」なんてことにならないよう、定期的な診断を実施して、脆弱性を早期に発見しましょう。 まとめ:定期的な診断でセキュリティリスクの軽減を! この記事では、Webサイトの脆弱性診断の必要性やその内容、診断方法について解説してきました。また、一度だけではなく、定期的な診断により、新たな脅威や変化するリスクに対応し、サイトの安全性を継続的に高めることができます。 ツール診断と手動診断を組み合わせることで、自社にあった診断を検討するといいでしょう。 IFTの脆弱性診断サービスは、15年以上の経験と業界No.1診断ツール「Vex」を活用し、Webサイトのセキュリティを総合的にサポートします。初めての診断でも安心して利用できる、きめ細やかなサービスを提供しています。 Webサイトの安全性を高め、顧客の信頼を得るために、ぜひIFTまで、お気軽にお問い合わせください。 くわしくは、弊社の脆弱性診断でもご覧いただけます。 >>IFTの脆弱性診断
Webサイト脆弱性診断の主要項目
Webサイトの脆弱性診断では、サイトの安全性を確保するために様々な観点から検査を行います。主な診断項目は、「Webアプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」に大別されます。
Webアプリケーションは、Webブラウザを通じて利用できるソフトウェアで、ユーザーが直接操作する部分を含みます。これに対し、プラットフォームは、OSやミドルウェアなど、アプリケーションが動作するための基盤を指します。
この違いから、診断対象や方法も異なり、それぞれの特性に応じた診断が必要です。
それぞれについて見ていきましょう。
①:Webアプリケーション診断
Webアプリケーション診断では、サイトの機能や入出力処理に関する脆弱性を重点的に調査します。
SQLインジェクション対策
SQLインジェクションは、不正なデータを入力することでデータベースを操作しようとする攻撃です。診断では、入力フォームやURLで不正なデータが入力されないようにチェックします。
クロスサイトスクリプティング(XSS)対策
XSS攻撃は、Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込む攻撃です。診断では、ユーザーが入力した内容がそのまま表示されないように安全な方法で処理されているかを確認します。
認証・認可の脆弱性
ログイン機能や権限の管理に関する問題を調査します。例えば、パスワードが十分に強力か、セッション管理が安全に行われているか、アクセス制御が適切かなどを確認します。
クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)対策
CSRFは、ユーザーが意図しない操作を強制する攻撃です。診断では、重要な操作が第三者によって勝手に行われないようにするための対策が取られているかを確認します。
②:プラットフォーム診断
プラットフォーム診断では、Webサイトを支えるインフラの安全性を検証します。
サーバーの安全性の確認
サーバーの基本ソフトウェアに問題がないか、最新のセキュリティ更新が適用されているかを確認します。
ソフトウェアの設定
Webサイトを動かすためのソフトウェアの設定を確認します。不要な機能が無効化されているか、適切にアクセスが制限されているかをチェックします。
SSL/TLS設定
安全な通信を行うための設定が正しく行われているかを確認します。例えば、最新のプロトコルを使用しているか、強力な暗号化が使われているかを確認します。
ネットワーク設定
ファイアウォールの設定や不要な接続がないかを確認し、不正アクセスを防ぐための対策が取られているかを検証します。
脆弱性診断を通じて、これらの項目を総合的に評価することで、Webサイトのセキュリティレベルを向上させることができます。
続いては、具体的な診断方法について詳しく解説していきます。
Webサイトの脆弱性診断の方法
Webサイトの脆弱性診断には、主に「ツール診断」と「手動診断」の2つの方法があります。Webサイトは常に更新され、複雑な機能を持つことが多いため、自社の状況やニーズに合った診断方法を選びましょう。
ツール診断は、専用のソフトウェアを使って自動的に診断を行う方法です。短時間で広範囲の診断が可能で、定期的な実施に向いています。
一方、手動診断はセキュリティ専門家が直接Webサイトを操作して脆弱性を探索する方法です。Webサイト特有の複雑な脆弱性や、特定の機能や業務フローに関連する問題の発見に適しています。
Webサイトの規模や複雑さ、セキュリティ要件に応じて、ツール診断と手動診断のどちらか、または両方を組み合わせて選択することが重要です。
それぞれに診断方法については、別記事でさらに詳しく解説予定です。
続いては、脆弱性診断にかかる費用や時間について詳しく解説していきます。
Webサイト脆弱性診断の費用と所要時間
Webサイトの脆弱性診断にかかる費用と時間は、診断方法や対象範囲によって大きく異なります。
ツール診断は比較的低コストで、短時間での実施が可能です。クラウドベースのサービスでは月額数万円から利用でき、小規模なサイトなら数時間で診断が完了します。
手動診断は専門家の知識と時間が必要なため、コストが高くなります。小規模なサイトでも数十万円からの費用がかかり、診断期間は1週間ほどかかることが多いです。
診断にかかる費用と時間は、Webサイトの規模や複雑さ、セキュリティ要件に応じて変わります。また、定期的な診断を行う場合、年間契約などでコストを抑えることも可能です。企業は自社のニーズと予算を考慮して、業者と細かくすり合わせていくことが重要です。
脆弱性診断にかかる費用や時間については、別記事でさらに詳しく解説予定です。
【実は】脆弱性診断の定期的な実施が重要
ここまで、Webサイトの脆弱性診断の重要性と具体的な診断方法などについてみてきましたが、「これでもう安心!」とはいきません。
実は、脆弱性診断は、「定期的な診断」こそ重要なのです。
- 新たな脆弱性の出現
- システムの変更や更新
- 外部環境の変化
順番に説明します。
まず、サイバー攻撃は常に進化しており、脆弱性は新たに発見され続けています。システムが最新の状態であっても、時間が経つにつれて新しい脆弱性が発見され、悪意のある攻撃者がそれを悪用する可能性があります。定期的な診断を行うことで、新たに発見された脆弱性にも対策が可能になります。
また、Webサイトは新しい機能を追加したり、システムを更新したりしますが、この際にも、新たな脆弱性が発生するリスクがあります。特に、アップデートやカスタマイズを行った場合、想定外の脆弱性が生じることが少なくありません。これを未然に防ぐためには、変更後にも診断を行うことが必要です。
さらに、プラグイン、サードパーティのAPI、ホスティングサービスなど、外部のツールやサービスの更新や変更によっても、Webサイトの安全性に影響が出ることがあります。
再度診断を実施する際は、必ずしも「手動診断」を行う必要はなく、状況に応じてコストを抑えられる「ツール診断」を活用するのもいいでしょう。
「せっかくコストをかけて診断したのに、無駄になってしまった」なんてことにならないよう、定期的な診断を実施して、脆弱性を早期に発見しましょう。
まとめ:定期的な診断でセキュリティリスクの軽減を!
この記事では、Webサイトの脆弱性診断の必要性やその内容、診断方法について解説してきました。また、一度だけではなく、定期的な診断により、新たな脅威や変化するリスクに対応し、サイトの安全性を継続的に高めることができます。
ツール診断と手動診断を組み合わせることで、自社にあった診断を検討するといいでしょう。
IFTの脆弱性診断サービスは、15年以上の経験と業界No.1診断ツール「Vex」を活用し、Webサイトのセキュリティを総合的にサポートします。初めての診断でも安心して利用できる、きめ細やかなサービスを提供しています。
Webサイトの安全性を高め、顧客の信頼を得るために、ぜひIFTまで、お気軽にお問い合わせください。
くわしくは、弊社の脆弱性診断でもご覧いただけます。
この記事を書いた人
みらいと
セキュリティサービス事業部 コンサルタント/プログラマーからシステム運用を経て情報セキュリティ全般の業務に従事。現在は培った情報セキュリティの経験を活かしお客様の課題に向き合った企画やマーケティングを担当。