
2025.01.30
投稿日:2025.01.30 最終更新日:2025.01.30
「アプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」、どちらを選ぶべきか迷っていませんか?
どちらも組織のセキュリティ対策として重要な診断ですが、その目的や効果には違いがあります。
この記事では、それぞれの診断内容とメリット・デメリットを徹底比較し、組織の状況に合った診断を見つけるお手伝いをします。
目次
アプリケーション診断とは、Webアプリやスマホアプリに、セキュリティ上の弱点(脆弱性)がないかを調べる、いわば「健康診断」です。
具体的には、アプリの設計や、プログラミング上のミスを突いた攻撃への耐性を評価します。
対象は、アプリケーション開発者やWebサイト運営者です。
アプリケーション診断の主な目的は、アプリケーションの脆弱性を発見し、修正することによって、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティインシデントを未然に防ぐことです。
アプリケーションのセキュリティレベルを向上させ、ユーザーや企業データを保護することを目的としています。
アプリケーション診断には、主に3つのメリットがあります。
Webアプリケーションやソフトウェアに特化して診断を行うため、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、アプリケーション固有の弱点を発見できます。
さらに、実際の攻撃手法を模倣することで、攻撃者がどのようにアプリケーションを悪用するかを把握し、具体的な対策を立てることができます。
しかも、開発段階や運用中に診断を行えるため、脆弱性を早期に発見し、修正することで被害を未然に防げます。
一方、アプリケーション診断にはデメリットも存在します。
特に手動診断は専門知識を持つ人材が必要であり、時間と費用がかかる場合があります。
また、自動化ツールでは、特定の脆弱性や複雑な問題を見逃す可能性があるため、完全な診断には、専門家による手動診断が必要です。
さらに、アプリケーション診断はアプリケーション自体に焦点を当てるため、OSやネットワークなどの基盤部分の脆弱性はカバーできません。
アプリケーション診断では、システムの機能や動作を、攻撃者目線で徹底的に検査します。
主に、以下の項目を中心に検査を行い、システムの弱点をあぶり出します。
種別 | 説明 | 主な確認項目 |
---|---|---|
入力処理 | ユーザーからの入力データーができ切に検証されているかを確認し、不正データによる攻撃を防ぎます。 | • クロスサイトスクリプティング(XSS) • SQLインジェクション • コマンドインジェクション |
認証 | ユーザーへの権限が適切に設定されているかを確認し、不正アクセスや権限昇格のリスクを評価します。 | • 不適切な認証 • 権限管理 |
セッション管理 | ユーザーセッションの管理方法に不備がないかを確認し、セッションハイジャックやCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)などの攻撃に対する脆弱性を検証します。 | • セッションIDの固定化 • クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF) |
出力処理の検査 | アプリケーションからの出力データが適切に処理されているかを確認し、情報漏洩につながるリスクを評価します。 | • 不要なデータ出力 |
セキュリティ設定 | Webアプリケーション全体のセキュリティ設定が適切であるかを確認し、セキュリティ対策の不備を洗い出します。 | • HTTPS通信 • 不要な情報の露出の有無 |
ソースコード | ソースコードに潜在的な脆弱性がないか、セキュリティ上の問題がないかを確認し、開発段階でのセキュリティ対策の不備を検出します。 | • ソースコードの記述 |
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プラットフォーム診断とは、サーバーやOS、ネットワーク機器など、ITインフラに潜むセキュリティ上の弱点を特定するための、いわば「精密検査」です。
具体的には、OSやミドルウェアの設定ミス、不要なサービスの放置、セキュリティ更新プログラムの適用漏れなど、システム全体の基盤部分に潜む弱点を洗い出します。
主に、システム管理者やITインフラ担当者が対象です。
プラットフォーム診断の主な目的は、ITインフラ全体の安全性を高め、不正アクセスやマルウェア感染などのリスクを最小限に抑えることです。
システムの基盤全体のセキュリティ強度を高め、安定した運用を実現します。
言い換えれば、企業のビジネスを支えるIT基盤を、サイバー攻撃という脅威から守るための対策と言えます。
プラットフォーム診断のメリットは、主に3つあります。
OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど、システム基盤全体を対象に診断を行うため、システム全体のセキュリティ対策を立てることができます。
さらに、ネットワークやサーバーの設定ミスや、放置されたままの弱点を特定し、修正することで、攻撃者が侵入する糸口を減らすことができます。
加えて、リモート診断とオンサイト診断の2種類があり、状況に応じて適切な方法を選択できます。
一方、プラットフォーム診断にもデメリットは存在します。
システム全体を対象とするため、診断範囲が広く、実施が複雑になることがあります。
また、診断対象が広範囲にわたるため、特に現地で診断を行うオンサイト診断では、コストが高くなる場合があります。
さらに、専門的な知識が必要なため、診断結果を正確に解釈し、適切な対策を実施するには、専門家の支援が必要となるでしょう。
これらの点を考慮し、費用対効果を検討した上で、診断の実施を判断する必要があります。
プラットフォーム診断では、ITインフラ全体のセキュリティ状況を評価するため、多岐にわたる項目を検査します。以下に代表的な確認項目をまとめました。
種別 | 説明 | 主な確認項目 |
---|---|---|
ポートスキャン | サーバーやネットワーク機器で開放されているポートを調査し、不要なポートや不審なサービスがないかを確認します。 | • 開放ポートリスト • サービス名 |
ホスト情報 | ネットワークに接続された機器の情報を収集し、管理状況やセキュリティ対策の状況を把握します。 | • ホスト名 • IPアドレス • OS種類・バージョン • セキュリティパッチ適用状況 |
OS/ミドルウェア | サーバーOSやミドルウェアに既知の脆弱性がないかを検査し、攻撃のリスクを評価します。 | • バッファオーバーフロー • 権限昇格 • 既知の脆弱性(CVE) |
ネットワークサービス | DNS、FTP、メールサーバーなど、提供されているネットワークサービスのセキュリティ設定を評価します。 | • サービス設定の不備 |
セキュリティ設定 | サーバーやネットワーク機器の設定がセキュリティ要件を満たしているかを確認し、設定不備によるリスクを洗い出します。 | • パスワードポリシー • アクセス制御設定 • 暗号設定(暗号方式、サーバー証明書) |
アカウント検査 | 不適切なアカウント設定がないかを確認し、不正ログインのリスクを評価します。 | • デフォルトアカウントの有無 • パスワード強度 • アカウントロックアウト設定 |
通信の安全性 | ネットワーク通信におけるプロトコルや暗号化方式の安全性を評価し、盗聴や改ざんのリスクを低減します。 | • 暗号化プロトコル(HTTPS, SSH) • 暗号強度 • SSL/TLS設定 |
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プラットフォーム脆弱性診断
アプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらもセキュリティ対策として重要ですが、その守備範囲と対策は大きく異なります。
項目 | アプリケーション診断 | プラットフォーム診断 |
---|---|---|
対象 | Webアプリケーション、ソフトウェア | OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど |
診断範囲 | アプリケーション固有の脆弱性 | システム基盤全体の脆弱性 |
メリット | アプリケーション特有の脆弱性を特定可能 | システム全体のセキュリティ状態を把握し、より堅牢な対策を立てられる |
デメリット | システム基盤の脆弱性は対象外 | 実施が複雑でコストが高くなる可能性 |
診断方法 | ツール診断+手動診断 | リモート診断+オンサイト診断 |
最も大きな違いは、守備範囲です。
アプリケーション診断は、Webアプリやスマホアプリなど、ユーザーが直接操作する「アプリケーション」が対象です。
一方、プラットフォーム診断は、サーバー、OS、ネットワーク機器など、アプリケーションを動かす土台となる「ITインフラ」を守備範囲としています。
アプリケーション診断では、主にユーザーの操作ミスによって発生するリスクに対応します。
例えば、入力フォームへの不正な値の入力や、アプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃などです。
一方、プラットフォーム診断では、システム自体の弱点や、設定ミスによるシステム障害、不正アクセスなどのリスクに対応します。
アプリケーション診断は、アプリを開発・運用する、開発者やWebサイト運営者がメインの担当者です。
一方、プラットフォーム診断は、システム全体のセキュリティを管理するシステム管理者や、ITインフラ担当者が担当します。
一般的に、アプリケーション診断の方がプラットフォーム診断よりも、費用が高くなる傾向があります。
これは、アプリケーション診断が、ソースコードレベルでの詳細な検査を含む場合があるためです。
また、診断期間もアプリケーション診断の方が長くなる傾向があります。
これは、アプリケーションの規模や、機能の複雑さに診断時間が比例するためです。
ただし、これらの費用や期間は、診断の範囲や深さによって大きく変わるため、あくまで目安です。
正確な見積もりは、専門家に相談することをお勧めします。
アプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらも重要ですが、組織の状況によって、どちらを優先すべきかが変わってきます。ここでは、それぞれの診断がどのような企業に向いているかを具体的に説明します。
診断種類 | 対象 | 向いている企業 |
---|---|---|
アプリケーション診断 | Webアプリケーション、ソフトウェア | Webサービス運営企業、アプリケーションの更新頻度が高い企業、顧客データを扱う企業、セキュリティインシデントが心配な企業 |
プラットフォーム診断 | OS、サーバー、ミドルウェア、ネットワーク機器 | 大規模なITインフラを持つ企業、クラウドとオンプレミスを併用している企業、ネットワークセキュリティを強化したい企業、法令遵守が必須の企業 |
Webアプリケーションやモバイルアプリケーションを開発・運用している企業、特にユーザー情報を扱うサービス提供者に最適です。
以下のような企業は、迷わずアプリケーション診断を優先しましょう。
IT基盤の安全性を強化したい企業、社内ネットワークやサーバー運用を行うIT管理者に適しています。
以下のような企業は、プラットフォーム診断を優先的に検討するとよいでしょう。
そして、より万全なセキュリティ対策を目指すなら、両方の診断を組み合わせるのが理想的です。
「アプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」、どちらを選ぶべきか迷っていませんか?
どちらも組織のセキュリティ対策として重要な診断ですが、その目的や効果には違いがあります。
この記事では、それぞれの診断内容とメリット・デメリットを徹底比較し、組織の状況に合った診断を見つけるお手伝いをします。
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アプリケーション診断とは? Webアプリの脆弱性を洗い出す「健康診断」
アプリケーション診断とは、Webアプリやスマホアプリに、セキュリティ上の弱点(脆弱性)がないかを調べる、いわば「健康診断」です。
具体的には、アプリの設計や、プログラミング上のミスを突いた攻撃への耐性を評価します。
対象は、アプリケーション開発者やWebサイト運営者です。
アプリケーション診断の目的
アプリケーション診断の主な目的は、アプリケーションの脆弱性を発見し、修正することによって、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティインシデントを未然に防ぐことです。
アプリケーションのセキュリティレベルを向上させ、ユーザーや企業データを保護することを目的としています。
メリット:弱点をあぶり出し、具体的な改善策を掲示できる
アプリケーション診断には、主に3つのメリットがあります。
アプリケーション診断のメリット
アプリ固有の弱点を見つけ出す
攻撃者の視点をシミュレーションできる
早期発見と修正ができる
Webアプリケーションやソフトウェアに特化して診断を行うため、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、アプリケーション固有の弱点を発見できます。
さらに、実際の攻撃手法を模倣することで、攻撃者がどのようにアプリケーションを悪用するかを把握し、具体的な対策を立てることができます。
しかも、開発段階や運用中に診断を行えるため、脆弱性を早期に発見し、修正することで被害を未然に防げます。
デメリット:費用と時間が必要
一方、アプリケーション診断にはデメリットも存在します。
アプリケーション診断のデメリット
費用と時間という投資が必要
ツール診断には限界がある
診断範囲はアプリ限定
特に手動診断は専門知識を持つ人材が必要であり、時間と費用がかかる場合があります。
また、自動化ツールでは、特定の脆弱性や複雑な問題を見逃す可能性があるため、完全な診断には、専門家による手動診断が必要です。
さらに、アプリケーション診断はアプリケーション自体に焦点を当てるため、OSやネットワークなどの基盤部分の脆弱性はカバーできません。
アプリケーション診断の具体的な確認項目とは?
アプリケーション診断では、システムの機能や動作を、攻撃者目線で徹底的に検査します。
主に、以下の項目を中心に検査を行い、システムの弱点をあぶり出します。
種別
説明
主な確認項目
入力処理
ユーザーからの入力データーができ切に検証されているかを確認し、不正データによる攻撃を防ぎます。
• クロスサイトスクリプティング(XSS)
• SQLインジェクション
• コマンドインジェクション
認証
ユーザーへの権限が適切に設定されているかを確認し、不正アクセスや権限昇格のリスクを評価します。
• 不適切な認証
• 権限管理
セッション管理
ユーザーセッションの管理方法に不備がないかを確認し、セッションハイジャックやCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)などの攻撃に対する脆弱性を検証します。
• セッションIDの固定化
• クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)
出力処理の検査
アプリケーションからの出力データが適切に処理されているかを確認し、情報漏洩につながるリスクを評価します。
• 不要なデータ出力
セキュリティ設定
Webアプリケーション全体のセキュリティ設定が適切であるかを確認し、セキュリティ対策の不備を洗い出します。
• HTTPS通信
• 不要な情報の露出の有無
ソースコード
ソースコードに潜在的な脆弱性がないか、セキュリティ上の問題がないかを確認し、開発段階でのセキュリティ対策の不備を検出します。
• ソースコードの記述
プラットフォーム診断とは?ITインフラの精密検査
プラットフォーム診断とは、サーバーやOS、ネットワーク機器など、ITインフラに潜むセキュリティ上の弱点を特定するための、いわば「精密検査」です。
具体的には、OSやミドルウェアの設定ミス、不要なサービスの放置、セキュリティ更新プログラムの適用漏れなど、システム全体の基盤部分に潜む弱点を洗い出します。
主に、システム管理者やITインフラ担当者が対象です。
プラットフォーム診断の目的
プラットフォーム診断の主な目的は、ITインフラ全体の安全性を高め、不正アクセスやマルウェア感染などのリスクを最小限に抑えることです。
システムの基盤全体のセキュリティ強度を高め、安定した運用を実現します。
言い換えれば、企業のビジネスを支えるIT基盤を、サイバー攻撃という脅威から守るための対策と言えます。
プラットフォーム診断のメリット:システム全体のセキュリティ向上
プラットフォーム診断のメリットは、主に3つあります。
プラットフォーム診断のメリット
システム全体のセキュリティ状況を可視化できる
攻撃の入り口を減らす
状況に応じて診断方法を選択できる
OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど、システム基盤全体を対象に診断を行うため、システム全体のセキュリティ対策を立てることができます。
さらに、ネットワークやサーバーの設定ミスや、放置されたままの弱点を特定し、修正することで、攻撃者が侵入する糸口を減らすことができます。
加えて、リモート診断とオンサイト診断の2種類があり、状況に応じて適切な方法を選択できます。
プラットフォーム診断のデメリット:広範囲ゆえに複雑かつ高額
一方、プラットフォーム診断にもデメリットは存在します。
プラットフォーム診断のデメリット
広範囲を診断するがゆえの複雑さ
場合によっては高額な費用
専門性が必要
システム全体を対象とするため、診断範囲が広く、実施が複雑になることがあります。
また、診断対象が広範囲にわたるため、特に現地で診断を行うオンサイト診断では、コストが高くなる場合があります。
さらに、専門的な知識が必要なため、診断結果を正確に解釈し、適切な対策を実施するには、専門家の支援が必要となるでしょう。
これらの点を考慮し、費用対効果を検討した上で、診断の実施を判断する必要があります。
プラットフォーム診断で確認できる項目
プラットフォーム診断では、ITインフラ全体のセキュリティ状況を評価するため、多岐にわたる項目を検査します。以下に代表的な確認項目をまとめました。
種別
説明
主な確認項目
ポートスキャン
サーバーやネットワーク機器で開放されているポートを調査し、不要なポートや不審なサービスがないかを確認します。
• 開放ポートリスト
• サービス名
ホスト情報
ネットワークに接続された機器の情報を収集し、管理状況やセキュリティ対策の状況を把握します。
• ホスト名
• IPアドレス
• OS種類・バージョン
• セキュリティパッチ適用状況
OS/ミドルウェア
サーバーOSやミドルウェアに既知の脆弱性がないかを検査し、攻撃のリスクを評価します。
• バッファオーバーフロー
• 権限昇格
• 既知の脆弱性(CVE)
ネットワークサービス
DNS、FTP、メールサーバーなど、提供されているネットワークサービスのセキュリティ設定を評価します。
• サービス設定の不備
セキュリティ設定
サーバーやネットワーク機器の設定がセキュリティ要件を満たしているかを確認し、設定不備によるリスクを洗い出します。
• パスワードポリシー
• アクセス制御設定
• 暗号設定(暗号方式、サーバー証明書)
アカウント検査
不適切なアカウント設定がないかを確認し、不正ログインのリスクを評価します。
• デフォルトアカウントの有無
• パスワード強度
• アカウントロックアウト設定
通信の安全性
ネットワーク通信におけるプロトコルや暗号化方式の安全性を評価し、盗聴や改ざんのリスクを低減します。
• 暗号化プロトコル(HTTPS, SSH)
• 暗号強度
• SSL/TLS設定
アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い:守備範囲と対策
アプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらもセキュリティ対策として重要ですが、その守備範囲と対策は大きく異なります。
項目
アプリケーション診断
プラットフォーム診断
対象
Webアプリケーション、ソフトウェア
OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど
診断範囲
アプリケーション固有の脆弱性
システム基盤全体の脆弱性
メリット
アプリケーション特有の脆弱性を特定可能
システム全体のセキュリティ状態を把握し、より堅牢な対策を立てられる
デメリット
システム基盤の脆弱性は対象外
実施が複雑でコストが高くなる可能性
診断方法
ツール診断+手動診断
リモート診断+オンサイト診断
守備範囲:アプリケーション vs インフラ
最も大きな違いは、守備範囲です。
アプリケーション診断は、Webアプリやスマホアプリなど、ユーザーが直接操作する「アプリケーション」が対象です。
一方、プラットフォーム診断は、サーバー、OS、ネットワーク機器など、アプリケーションを動かす土台となる「ITインフラ」を守備範囲としています。
リスク対策:ユーザーの操作ミス vs システムの弱点
アプリケーション診断では、主にユーザーの操作ミスによって発生するリスクに対応します。
例えば、入力フォームへの不正な値の入力や、アプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃などです。
一方、プラットフォーム診断では、システム自体の弱点や、設定ミスによるシステム障害、不正アクセスなどのリスクに対応します。
担当者:開発・運用 vs インフラ管理
アプリケーション診断は、アプリを開発・運用する、開発者やWebサイト運営者がメインの担当者です。
一方、プラットフォーム診断は、システム全体のセキュリティを管理するシステム管理者や、ITインフラ担当者が担当します。
費用と期間:アプリの複雑さに比例
一般的に、アプリケーション診断の方がプラットフォーム診断よりも、費用が高くなる傾向があります。
これは、アプリケーション診断が、ソースコードレベルでの詳細な検査を含む場合があるためです。
また、診断期間もアプリケーション診断の方が長くなる傾向があります。
これは、アプリケーションの規模や、機能の複雑さに診断時間が比例するためです。
ただし、これらの費用や期間は、診断の範囲や深さによって大きく変わるため、あくまで目安です。
正確な見積もりは、専門家に相談することをお勧めします。
どちらの診断が向いてる?
アプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらも重要ですが、組織の状況によって、どちらを優先すべきかが変わってきます。ここでは、それぞれの診断がどのような企業に向いているかを具体的に説明します。
診断種類
対象
向いている企業
アプリケーション診断
Webアプリケーション、ソフトウェア
Webサービス運営企業、アプリケーションの更新頻度が高い企業、顧客データを扱う企業、セキュリティインシデントが心配な企業
プラットフォーム診断
OS、サーバー、ミドルウェア、ネットワーク機器
大規模なITインフラを持つ企業、クラウドとオンプレミスを併用している企業、ネットワークセキュリティを強化したい企業、法令遵守が必須の企業
アプリケーション診断がおすすめの企業
Webアプリケーションやモバイルアプリケーションを開発・運用している企業、特にユーザー情報を扱うサービス提供者に最適です。
以下のような企業は、迷わずアプリケーション診断を優先しましょう。
Webサービスを運営している:
ECサイト、SNS、予約システム、会員制サイトなど。
アプリケーションの更新頻度が高い:
新機能の追加やアップデートを頻繁に行う場合。
顧客データを扱っている:
個人情報やクレジットカード情報などを扱う場合。
セキュリティインシデントが心配:
金融、医療、教育など、特にサイバー攻撃の標的となりやすい業界。
プラットフォーム診断がおすすめの企業
IT基盤の安全性を強化したい企業、社内ネットワークやサーバー運用を行うIT管理者に適しています。
以下のような企業は、プラットフォーム診断を優先的に検討するとよいでしょう。
大規模なITインフラを抱えている:
多数のサーバーやネットワーク機器を運用している場合。
クラウドとオンプレミス、両方使っている:
AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスと、自社運用のオンプレミス環境を併用している場合。
ネットワークセキュリティを強化したい:
外部からの攻撃はもちろん、内部ネットワークの脆弱性も心配な場合。
法令遵守が必須:
金融や医療など、法令や規制で厳格なセキュリティ基準が求められる場合。
結論:どちらの診断を優先すべきか
Webアプリケーションの安全性を最優先したい企業は、迷わずアプリケーション診断から始めましょう。
システム全体のセキュリティを底上げしたい、ネットワーク機器やサーバーの設定を見直したい企業は、プラットフォーム診断が適しています。
そして、より万全なセキュリティ対策を目指すなら、両方の診断を組み合わせるのが理想的です。
アプリ&プラットフォーム診断の導入事例
ここでは、IFTセキュリティ株式会社が実際に行った、アプリケーション診断とプラットフォーム診断の事例をご紹介します。
お客様が抱えていた課題を、どのように解決したのか、具体的に見ていきましょう。
アプリケーション診断:大手生命保険会社
大手生命保険会社では、システムリリース前の限られた時間内で効率的に脆弱性診断を実施する必要がありました。
従来の診断方法では時間とコストがかかり、リリーススケジュールに間に合わない可能性がありました。
そこで、短期間で必要な項目に絞って診断を行う「クイックWebアプリケーション脆弱性診断」を導入し、効率的に脆弱性を発見・修正することで、システムの安全性を確保し、期日通りにリリースすることができました。
>>>大手生命保険会社の事例詳細
プラットフォーム診断:自動車メーカー系情報システムサービス
自動車メーカー系情報システムサービスでは、インターネットに公開している各種システムのセキュリティ状況を定期的に把握し、新しい脆弱性に迅速に対応する必要がありました。
従来の脆弱性診断では診断頻度が限られており、新しい脆弱性への対応を早めたいという要望がありました。
そこで、システム環境を定期的に診断し、常に最新の脆弱性情報を把握できる「プラットフォーム脆弱性診断」を導入。
診断結果に基づいて対策を行い、再診断でリスク低減を確認することで、情報漏洩などの重大なセキュリティインシデントを防ぐことができました。
>>>自動車メーカー系情報システムサービス
まとめ:最適なセキュリティ対策で、安心を手に入れよう
アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い、ご理解いただけたでしょうか?
どちらも、組織の「信用」を守るために重要なセキュリティ診断です。
自社の状況をしっかりと把握し、適切な診断を選んで、確かなセキュリティ対策を実施しましょう。
両者を組み合わせることで、より強固なセキュリティ対策となります。
弊社、株式会社アイ・エフ・ティは、15年以上にわたり、Webサイト、スマホアプリ、プラットフォームの脆弱性診断を提供してきました。
豊富な経験と専門知識を持つ診断員が、お客様のニーズに合わせた最適な診断プランを提案し、診断後の報告会や従業員向けの教育サービスなど、手厚いサポート体制を整えております。
セキュリティ対策に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください!
【かんたん解説】アプリ診断とプラットフォーム診断、最適なのはどっち?
ここでは、IFTセキュリティ株式会社が実際に行った、アプリケーション診断とプラットフォーム診断の事例をご紹介します。
お客様が抱えていた課題を、どのように解決したのか、具体的に見ていきましょう。
大手生命保険会社では、システムリリース前の限られた時間内で効率的に脆弱性診断を実施する必要がありました。
従来の診断方法では時間とコストがかかり、リリーススケジュールに間に合わない可能性がありました。
そこで、短期間で必要な項目に絞って診断を行う「クイックWebアプリケーション脆弱性診断」を導入し、効率的に脆弱性を発見・修正することで、システムの安全性を確保し、期日通りにリリースすることができました。
自動車メーカー系情報システムサービスでは、インターネットに公開している各種システムのセキュリティ状況を定期的に把握し、新しい脆弱性に迅速に対応する必要がありました。
従来の脆弱性診断では診断頻度が限られており、新しい脆弱性への対応を早めたいという要望がありました。
そこで、システム環境を定期的に診断し、常に最新の脆弱性情報を把握できる「プラットフォーム脆弱性診断」を導入。
診断結果に基づいて対策を行い、再診断でリスク低減を確認することで、情報漏洩などの重大なセキュリティインシデントを防ぐことができました。
アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い、ご理解いただけたでしょうか?
どちらも、組織の「信用」を守るために重要なセキュリティ診断です。
自社の状況をしっかりと把握し、適切な診断を選んで、確かなセキュリティ対策を実施しましょう。
両者を組み合わせることで、より強固なセキュリティ対策となります。
弊社、株式会社アイ・エフ・ティは、15年以上にわたり、Webサイト、スマホアプリ、プラットフォームの脆弱性診断を提供してきました。
豊富な経験と専門知識を持つ診断員が、お客様のニーズに合わせた最適な診断プランを提案し、診断後の報告会や従業員向けの教育サービスなど、手厚いサポート体制を整えております。
セキュリティ対策に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください!
セキュリティサービス事業部 コンサルタント/プログラマーからシステム運用を経て情報セキュリティ全般の業務に従事。現在は培った情報セキュリティの経験を活かしお客様の課題に向き合った企画やマーケティングを担当。
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