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WordPressの脆弱性診断は無料で出来る?診断ツール10選と選び方・注意点を解説 | プラットフォーム別対策

WordPressの脆弱性診断は無料で出来る?診断ツール10選と選び方・注意点を解説

「脆弱性診断ツール」と一口に言っても、使用したことがなけば 「本当に信頼できるの?」 「無料でも十分?」 「自分のサイトに必要な機能は備わっているの?」 など、疑問や不安も多いはずです。 この記事では、WordPressに特化した脆弱性診断ツールを紹介し、徹底比較します。 WordPressの脆弱性診断ツールを選ぶ際のポイントや無料版と有料版の違い、使用時の注意点も解説しています。   そもそも、自社サイトに脆弱性診断が必要か?の判断基準を下記で紹介していますので、あわせてご覧ください! なぜWordPressは狙われる?脆弱性診断が必要な理由 世界中で多くの方々に利用されているWordPressですが、実はサイバー攻撃の標的になりやすいという側面もあります。 なぜWordPressが狙われやすいのか、主な理由は以下の通りです。 圧倒的なシェア: 多くのサイトで利用されているということは、1つの脆弱性を突くだけで、膨大な数のサイトに影響を与えられる可能性があります。攻撃者にとって、魅力的な攻撃対象です。 オープンソースであること: WordPressはソースコードが公開されているため、攻撃者も脆弱性を発見しやすい状態にあります。 セキュリティ対策が不十分なプラグインの存在: WordPressの機能を拡張するプラグインの中には、セキュリティ対策が十分に施されていないものも存在します。 しかし、これらはWordPress自体の脆弱性を示すものではありません。 多くの場合、問題はWordPressを利用する側の対策不足にあると考えられます。 例えば、古いバージョンを使い続けていたり、安全性が確認されていないプラグインやテーマを利用していたりすることが挙げられます。 脆弱性を放置すると、サイト改ざん、情報漏洩、マルウェア感染といった深刻な被害につながるリスクがあります。 こういった理由から、WordPressを安全に利用するためには、定期的な脆弱性診断が欠かせません。 WordPress脆弱性診断ツールとは?無料でも十分? 「脆弱性診断ツール」とは、その名のとおり、Webサイトやアプリケーションに潜むセキュリティ上の弱点(脆弱性)を検出するソフトウェアやサービスのことです。 WordPressは、アップデートなどの管理に手間がかかることもありますが、脆弱性診断ツールを利用すれば、簡単な操作で脆弱性を発見し、具体的な対策まで把握できます。 専門知識が少ないフリーランスの方や、セキュリティ担当者がいない中小企業など、組織や個人に幅広く活用されています。 WordPress脆弱性診断ツールにも、無料版と有料版があり、それぞれ異なる特徴を持っています。 ただ、結論からお伝えしておくと、 無料ツールだけでは、WordPressサイトのセキュリティ対策は十分ではない ということです。   無料版と有料版の主な違いを以下の表にまとめます。 特徴 無料版 有料版 コスト 無料 月額料金または年間料金が発生 診断範囲 基本的な脆弱性 より高度で広範囲な脆弱性 サポート体制 基本的にサポートなし(またはコミュニティ頼り) 専門家/公式サポートチームによる対応 レポート機能 限定的 詳細なレポート機能、カスタマイズ可能なレポート 更新頻度 不定期(コミュニティによる場合が多い) 定期的なアップデートで最新の脅威に対応 無料ツールの特徴 無料で利用できるWordPress脆弱性診断ツールは、予算が限られている場合や、まずはお試しで脆弱性診断を行いたい個人ブロガーや小規模サイト運営者の方に適しています。 コストを抑えつつ基本的な脆弱性診断ができる点がメリットですが、以下の点に注意が必要です。 検出できる脆弱性の範囲が限られている 最新の脆弱性に対応していない場合がある サポート体制が十分でないことが多い そのため、無料ツールだけでWordPressサイトのセキュリティ対策を万全にすることは難しい、と認識しておきましょう。 より高度なセキュリティ対策や、未知の脆弱性への対策には、有料ツールや専門家による診断を依頼する必要があります。 有料ツールの特徴 有料のWordPress脆弱性診断ツールは、無料版にはない機能を備えていることが多く、特に高精度な診断やサポートが必要な場合に適しています。 例えば、WordPressサイトでECサイトを運営しており、顧客の個人情報やクレジットカード情報を取り扱うような場合、あるいは企業サイトなど高い信頼性が求められる場合には、有料ツールの導入が必須と言えます。 有料ツールは、詳細なレポートや専門家によるサポートだけでなく、脆弱性の自動修正機能やWAF(Web Application Firewall)連携など、より高度なセキュリティ対策を提供している場合もあります。 WordPressサイトの重要度が高い場合や、高度なセキュリティ対策が求められる場合は、有料版の導入、もしくは専門家への依頼を検討することをおすすめします。 WordPress脆弱性診断ツールを選ぶポイント WordPressの脆弱性診断ツールを選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。 診断項目の精度は十分か 予算に見合ったコストパフォーマンスか サポート体制は充実しているか 業務規模や将来的な拡張性に対応できるか 他のセキュリティツールと連携できるか 上記のポイントを意識しながら、「診断要件」「運用要件」「予算やセキュリティ要件」といった視点から、自社に必要な機能を備えたツールを選ぶことが大切です。 詳しくは下記の記事で解説しています。 【無料アリ】WordPressの脆弱性診断ツール10選 All In One WP Security & Firewall All In One WP Security & Firewallは、WordPressのセキュリティ対策を総合的に強化できる多機能プラグインです。 ファイアウォール、ログイン試行回数制限、ブルートフォース攻撃対策、データベースセキュリティ、ファイルシステムセキュリティなど、豊富な機能を備えています。 無料でありながら高機能であるため、多くのWordPressユーザーに利用されています。 ただし、多機能である分、設定項目が多く、WordPress初心者には少し使いにくいかもしれません。 項目 内容 種類 プラグイン 特徴 ファイアウォール、ログイン保護、データベース/ファイルシステムセキュリティなど、多岐にわたるセキュリティ機能 向いているユーザー WordPressサイト全体のセキュリティを包括的に強化したい方、多機能なセキュリティ対策を求める方 コスト 無料 All In One WP Security & Firewall公式サイト WPSEC (Online WordPress Security Scan) WPSEC (Online WordPress Security Scan) は、オンラインで手軽にWordPressサイトの脆弱性を診断できるツールです。 サイトのURLを入力するだけで、既知の脆弱性、設定ミス、古いバージョンのWordPressやプラグインの使用などを検出します。 プラグインのインストールが不要で、Webブラウザ上で結果を確認できるため、非常に手軽に利用できます。 無料版では基本的な診断が可能ですが、有料版にアップグレードすると、さらに詳細な脆弱性スキャン、API連携、プラグインとテーマのセキュリティチェックなど、より高度な機能を利用できます。 ただし、オンラインスキャンであるため、診断範囲は限定的です。より詳細な診断が必要な場合は、他のツールとの併用を検討しましょう。 項目 内容 種類 オンラインツール 特徴 既知の脆弱性、設定ミス、古いバージョンのWordPressやプラグインを検出 向いているユーザー 手軽にWordPressサイトの脆弱性をチェックしたい方、プラグインのインストールを避けたい方、まずは簡易的な診断を試したい方 コスト 無料版 / 有料版($9.99/月~) WPSEC (Online WordPress Security Scan)公式サイト WPScan WPScanは、WordPressに特化した脆弱性スキャナーです。 無料版では基本的な脆弱性スキャンが可能で、有料版では詳細なスキャン、プラグインやテーマの脆弱性チェック、API連携などが利用できます。 項目 内容 種類 スキャナー 特徴 WordPressに特化。無料版は基本的なスキャン、有料版は詳細スキャン、プラグイン・テーマの脆弱性チェック、API連携など 向いているユーザー WordPressサイトの脆弱性を詳細に把握したい方、開発者、セキュリティ専門家 コスト 無料版/有料版($19/月~) WPScan公式サイト Wordfence Security Wordfence Securityは、WordPressの定番セキュリティプラグインです。 無料版でもファイアウォール、マルウェアスキャン、ログインセキュリティなどの機能が利用でき、有料版ではリアルタイムの脅威インテリジェンス、国別ブロック、高度なスキャンオプションなどが提供されます。 項目 内容 種類 プラグイン 特徴 定番のセキュリティプラグイン。無料版はファイアウォール、マルウェアスキャン、ログインセキュリティなど。有料版はリアルタイム脅威インテリジェンス、国別ブロックなど 向いているユーザー WordPressサイトのセキュリティを総合的に強化したい方、初心者から上級者まで コスト 無料版/有料版($99/年~) Wordfence Security公式サイト Sucuri SiteCheck Sucuri SiteCheckは、Webサイト全体のセキュリティスキャンを無料で提供しているサービスで、WordPress以外のCMSにも対応しています。 無料版ではマルウェア、ブラックリスト登録、SSL証明書の有効性などをチェックでき、有料版では詳細なスキャン、マルウェア除去、WAF(Web Application Firewall)などの機能が利用できます。 項目 内容 種類 オンラインツール 特徴 Webサイト全体のセキュリティチェック。無料版はマルウェア、ブラックリスト登録、SSL証明書。有料版は詳細スキャン、マルウェア除去、WAFなど 向いているユーザー WordPress以外のCMSも利用している方、Webサイト全体のセキュリティをチェックしたい方 コスト 無料版/有料版($199.99/月~) Sucuri SiteCheck公式サイト Security Ninja Security Ninjaは、WordPressのセキュリティ対策プラグインです。 無料版では50以上のセキュリティテストで脆弱性の有無をチェックでき、有料版では自動修正機能、マルウェアスキャナー、イベントロガーなどの機能が追加されます。 項目 内容 種類 プラグイン 特徴 50以上のテスト項目。無料版は脆弱性の有無をチェック。有料版は自動修正、マルウェアスキャナー、イベントロガーなど 向いているユーザー WordPressサイトのセキュリティを多角的にチェックしたい方、セキュリティ設定に不安がある方 コスト 無料版/有料版($29/年) Security Ninja公式サイト Patchstack Patchstackは、WordPressの脆弱性データベースを提供しているサービスです。 無料版では利用中のプラグインやテーマの脆弱性情報を確認でき、有料版では脆弱性の自動パッチ適用、詳細なレポート、優先サポートなどが提供されます。 項目 内容 種類 サービス 特徴 脆弱性データベース。無料版はプラグイン・テーマの脆弱性情報確認。有料版は自動パッチ適用、詳細レポート、優先サポートなど 向いているユーザー WordPressサイトの脆弱性情報を常に最新の状態に保ちたい方、開発者、セキュリティ担当者 コスト 無料版/有料版($19/月~) Patchstack公式サイト MalCare MalCareは、WordPressのマルウェア対策に特化したプラグインです。 無料版ではマルウェアスキャンとログイン保護機能が利用でき、有料版では自動マルウェア除去、ファイアウォール、脆弱性スキャンなどの機能が提供されます。 項目 内容 種類 プラグイン 特徴 マルウェア対策に特化。無料版はマルウェアスキャンとログイン保護。有料版は自動マルウェア除去、ファイアウォール、脆弱性スキャンなど 向いているユーザー WordPressサイトのマルウェア対策を強化したい方、マルウェア感染の不安がある方 コスト 無料版/有料版($99/年~) MalCare公式サイト WP Cerber Security WP Cerber Securityは、WordPressのセキュリティ対策プラグインです。 無料版でもログイン試行回数制限、IPアドレスブロック、スパム対策などの機能が利用でき、有料版ではより高度な保護機能、詳細なログ、優先サポートなどが提供されます。 項目 内容 種類 プラグイン 特徴 多層防御機能。無料版はログイン試行回数制限、IPブロック、スパム対策など。有料版は高度な保護機能、詳細ログ、優先サポートなど 向いているユーザー WordPressサイトへの不正アクセスを徹底的に防ぎたい方、セキュリティに詳しい方 コスト 無料版/有料版($99/年~) WP Cerber Security公式サイト Jetpack Jetpackは、WordPress.comが提供している多機能プラグインです。 無料版でもサイトのバックアップ、ダウンタイム監視、ブルートフォース攻撃対策などの機能が利用でき、有料版ではセキュリティスキャン、マルウェア除去、リアルタイムバックアップなどの機能が追加されます。 項目 内容 種類 プラグイン 特徴 WordPress.com公式多機能プラグイン。無料版はバックアップ、ダウンタイム監視、ブルートフォース攻撃対策など。有料版はセキュリティスキャン、マルウェア除去、リアルタイムバックアップなど 向いているユーザー WordPress.comのサービスと連携させたい方、セキュリティだけでなく、サイトのパフォーマンスも向上させたい方 コスト 無料版/有料版($39/年~) Jetpack公式サイト ただし、脆弱性診断ツールには限界がある ここまで、WordPressの脆弱性診断に役立つツールやサービスをご紹介してきましたが、脆弱性診断ツールは万能ではありません。 無料・有料に関わらず、ツールによる診断には限界があります。 検出できるのは「既知の脆弱性」のみ ツールが検出できるのは、主に「既知の脆弱性」に限られます。 つまり、広く知られ対策方法が確立している脆弱性については検出できる可能性が高いものの、未発見の脆弱性やゼロデイ脆弱性には対応できません。 100%正確な診断は困難 ツールは必ずしも100%正確な診断結果を出すとは限りません。 誤検出や見落としの可能性も考慮する必要があります。 誤検出とは、実際には脆弱性でないものを脆弱性として検出してしまうこと、見落としとは、存在する脆弱性を検出できないことを指します。 最新情報への対応にタイムラグがある 脆弱性情報は日々更新されています。 新たな脆弱性が発見されてからツールが対応するまでには、どうしてもタイムラグが生じてしまいます。 その間は、サイトが無防備な状態になる可能性があることを認識しておく必要があります。 ツールだけに頼らない多層防御を ツールによる診断には限界があるため、その結果はあくまで参考情報とし、多層的な対策を心がけましょう。 WordPressの更新や強固なパスワード設定など基本的な対策はもちろんのこと、サイト独自の脆弱性に気づいていない可能性もあります。 特に、小規模なサイトでは、「セキュリティ対策は大丈夫だろう」と油断してしまい、独自にコードを追加したり、手動でフォルダの設定を行ったりした箇所に、思わぬ脆弱性が潜んでいることも少なくありません。 ツールでは発見が難しい、未知のリスクを考慮するのであれば、専門家による脆弱性診断をおススメします。 初期費用はかかりますが、サイト改ざんや情報漏洩といった深刻な被害を未然に防ぐことができれば、長期的な視点で見ると費用対効果は高いです。   WordPressの安全な運営には、プロの診断がおすすめ! この記事では、WordPressの脆弱性診断ツールについて、無料ツールと有料ツールの違いや、選ぶ際のポイント、おすすめのツールなどをご紹介しました。 無料ツールは、コストを抑えつつ基本的な診断を行うことができます。 一方、有料ツールは、より高度な診断精度と充実したサポート体制が魅力です。 しかし、これまでお伝えしてきたように、ツールによる診断には限界があります。 WordPressサイトを本当に安全な状態に保つためには、ツールによる診断だけでなく、より専門的な知識と技術に基づいた対策が必要です。 特に、以下のような場合は、専門家による脆弱性診断を強く推奨します。 ECサイトや会員制サイトなど、顧客情報を扱うサイトの場合 企業サイトなど、高い信頼性が求められるサイトの場合 サイトの改ざんや情報漏洩のリスクを最小限に抑えたい場合 セキュリティ対策に不安がある、または自信がない場合 専門家による診断は、ツールでは発見できない脆弱性を洗い出し、あなたのサイトに最適なセキュリティ対策を提案してくれます。 アイ・エフ・ティでは、15年以上の診断実績を持つプロフェッショナルチームが、お客様のWordPressサイトを徹底的に診断し、最適な対策を提案いたします。 業界No.1の診断ツール「Vex」を使用し、高精度かつ迅速な診断を実現。さらに、初回診断から3カ月以内の再診断を無料で提供し、継続的なセキュリティ強化をサポートします。 まずは無料相談で、お客様のシステムの状況や、セキュリティに関するお悩みをお聞かせください。

初めてでも安心!Burp Suite Proxyの使い方を簡単6ステップで解説 | その他

初めてでも安心!Burp Suite Proxyの使い方を簡単6ステップで解説

Webサイトの脆弱性診断を手軽に行える脆弱性診断ツール。中でも、自分で手動診断を試すなら「Burp Suite」はおすすめです。 世界中のセキュリティエンジニアが愛用するこのツールは、実は無料版でも基本的な機能は十分に使える優れものなのです。 この記事では、15年以上の診断実績を誇るアイ・エフ・ティが、Burp Suiteの中でも特に基本となる「Proxy」機能の使い方を解説します。 セキュリティの専門知識がない初心者の方でも、この記事を読めば、Burp Suite Proxyを使って、今日からWebサイトのセキュリティチェックを始められます! 「Burp Suite」以外の脆弱性診断おすすめツールは下記にて紹介していますので、こちらもよろしければご覧ください! Burp Suiteって何?セキュリティ診断の強い味方! Webサイトの脆弱性を検査するツールは数多くありますが、その中でも特に多機能で、世界中のセキュリティエンジニアに愛用されているのが「Burp Suite」です。 まずは、Burp Suiteの概要と、何ができるのかを見ていきましょう。  Burp Suiteとは? Burp Suiteは、Webサイトのセキュリティ診断に必要な機能がひとまとめになった、オールインワンのツールです。 Webサイトとブラウザ間の通信(HTTPリクエスト・レスポンス)を、傍受(横取り)して、内容を詳しく確認したり、書き換えたりできます。 「横取り」と聞くと、悪いことをしているように聞こえるかもしれませんが、Burp Suiteは、Webサイトの弱点(脆弱性)を見つけるために、この仕組みを利用しています。 例えば、Webサイトに送られる情報(リクエスト)の一部をわざと間違ったものに書き換えて、Webサイトが正しく対応できるか?といったことを確認できます。 これにより、攻撃者が悪用できるような弱点がないか、事前にチェックできるのです。 Burp Suiteは、セキュリティの専門家だけでなく、Web開発者が自身のWebサイトの安全性を確認するためにも広く利用されています。 もちろん、専門知識がない初心者の方でも、基本的な使い方を覚えれば、Webサイトのセキュリティチェックに活用できます! Burp Suiteでできること Burp Suiteには、無料で使えるCommunity Editionと、さらに高度な機能が使える有料のProfessional/Enterprise Editionがあります。 企業で本格的に使う場合は有料版がおすすめですが、「まずは手動診断でWebサイトのセキュリティをチェックしてみたい」というくらいなら無料版でも十分に対応できます。 Burp Suiteには、具体的には以下の機能があります。 Proxy(プロキシ): Webサイトとブラウザ間のやり取りを「横取り」して、中身を見たり、書き換えたりできます。 Spider(スパイダー): Webサイトを自動で巡回して、どんなページがあるかなどを調べます。 Scanner(スキャナ): Webサイトの弱点を自動で見つけてくれます。(※有料版のみ) Intruder(イントルーダー): 色々な攻撃パターンを自動で試して、弱点を探します。 Repeater(リピーター): リクエストを自分で書き換えて、何度も送ってWebサイトの反応を見ます。 Sequencer(シーケンサー): Webサイトのログイン情報などの扱いに問題がないかを調べます。 Decoder(デコーダー): 暗号化されたデータを元に戻したり、逆に暗号化したりします。 Extender(エクステンダー): Burp Suiteに機能を追加できるプラグインを使えます。 専門用語が多くて難しく感じるかもしれませんが、Burp Suiteを使えば、Webサイトの見た目から、普段は見えない裏側の仕組みまで、詳しくチェックして、隠れた弱点を見つけ出せるということです。 今回は、この中でも基本となるWebサイトとのやり取りを横取りする「Proxy機能」の使い方を詳しく見ていきましょう! Burp Suiteの「Proxy機能」の使い方 Burp SuiteのProxy機能を使うと、Webサイトとブラウザの間で行われる通信(HTTPリクエスト・レスポンス)を「見える化」し、内容を自由に確認・編集できます。 これにより、Webサイトの脆弱性を発見するための様々なテストを行うことができます。 ここでは、Proxy機能を使った脆弱性診断の流れを、「基本操作」「リクエスト送信と応答確認」「応用テクニック」の3段階に分けて紹介します。 「Proxy」の基本操作 Burp SuiteのProxy機能では、具体的には、以下の3つのステップでWebサイトのセキュリティをチェックしていきます。 通信をキャッチ: Burp SuiteでWebサイトとの通信を傍受します。 内容をチェック&書き換え: 通信内容(リクエスト)を確認し、必要に応じて書き換えます。 結果を確認: 書き換えたリクエストを送信し、Webサイトからの応答(レスポンス)を確認します。 これらのステップを、パラメータの値を変えながら、あるいは別のページで、といったように繰り返し行うことで、Webサイトの様々な挙動を確認し、脆弱性につながる問題点がないかを探っていきます。 それでは、具体的な操作方法を詳しく見ていきましょう。  Burp Suiteを起動 まず、Burp Suiteを開きます。次に、上部にある「Proxy」タブを選び、さらに「Intercept」タブを選択してください。これで、通信を監視する準備が整います。  「Intercept off」を押す 「Intercept off」と書かれたボタンを押して、通信が自動的に通過する状態にします。 「Intercept on」で通信を止める 次に、「Intercept on」に切り替えます。これで、Burp Suite用のブラウザで行われる通信が一時的に停止するようになります。 通信を発生させる Burp Suite用ブラウザで、ボタンを押して通信を発生させます。(画像の場合は、「確認」ボタン)このボタンを押すと、データがサーバーに送られようとする瞬間に、Burp Suiteがその通信を止めます。  パラメータを変更する 通信が止まったら、「Request」項目内で変更したい部分(画像の場合は「name」の後ろに「test」)を追加します。これにより、サーバーに送るデータを改ざんすることができます。  変更を確認する 最後に、変更が正しく反映されていることを確認します。「Proxy」タブ内の「HTTP history」タブを開き、リクエストとレスポンスの詳細を確認します。画像の場合は、パラメータ「お名前(name)」の末尾に「test」が追加されていることが確認できるはずです。 リクエスト改ざん後は、本番環境の応答確認をする 基本操作でリクエストを改ざんしたら、実際にWebサーバに送信して、その結果を詳しく見てみましょう。  改ざんしたデータを送信     「Forward」ボタンを押して、改ざんしたリクエストをWebサーバに送信します。 Webサイトの反応を観察     Webサーバからの応答(レスポンス)や、Webサイトの表示・動作をよく観察します。 エラーメッセージが表示された場合 エラーの原因を考えます。入力した値が原因なのか、それともWebサイトがデータの改ざんを検知したのか?エラーメッセージの内容に、脆弱性の手がかりが隠されていることもあります。 正常に表示された場合 改ざんしたデータがWebサイトに受け入れられた、ということです。さらに別のパラメータを改ざんしたり、他のページで同じ操作を繰り返したりして、他に問題がないかを確認します。 予期せぬ表示・動作があった場合 例えば、他のユーザーの情報が表示されたり、管理者用のページにアクセスできてしまったり。これは、重大な脆弱性の可能性があります。 どこに問題がありそうか、当たりをつけることが、脆弱性診断の第一歩となります。 さらにステップアップ!より高度なテストにも挑戦 基本的な操作に慣れてきたら、もう一歩進んだテストにも挑戦してみましょう! 複数のパラメータを同時に変更 最初は1つのパラメータだけを変更しましたが、次は複数のパラメータを同時に変更してみます。例えば、「name」と「email」の両方を書き換えて、Webサイトがどのように反応するかを観察します。 リクエストの自動化 Burp SuiteのIntruder機能を使うと、たくさんのリクエストを自動で送信できます。手作業では大変なテストも、Intruderを使えば効率的に行えます。  レスポンスの内容を詳しく分析 Webサーバからの応答(レスポンス)をよく見ましょう。エラーメッセージはもちろん、表示される内容や、HTMLソースコードなど、あらゆる情報が脆弱性の手がかりになります。 Burp Suite Proxyを使いこなせば、Webサイトのセキュリティに関する様々な問題点を発見できます。 ぜひ、色々な操作を試して、脆弱性診断のスキルを磨いてください! まとめ:Burp SuiteのProxy機能で手動診断を体験しよう! この記事では、Burp SuiteのProxy機能を使って、Webサイトの脆弱性診断を自分で行うための基本ステップを解説しました。 Burp Suiteは無料版でも十分な機能を備えており、初心者の方でも手軽にセキュリティチェックを始められます。 セキュリティ診断を強化したい方には、さらに深い分析や自動化されたテストを提供する有料版もおすすめです。 また、専門的な支援が必要な場合は、セキュリティに関する実績豊富な専門業者に相談することも一つの選択肢です。 セキュリティ診断について「もっと詳しく知りたい」「さらに高度な診断も試してみたい」という方は、ぜひアイ・エフ・ティにご相談ください。 15年以上の実績を持つアイ・エフ・ティでは、業界シェアNo.1の診断ツール「Vex」を活用し、Webサイト、システム、そして人、全ての脆弱性対策をサポートしています。 もちろん、「ちょっと相談してみたい」という場合も、お気軽にお問い合わせください!

5分でわかる!脆弱性診断ガイドライン、どれを選ぶ?9種類の特徴を比較解説 | 脆弱性診断とは

5分でわかる!脆弱性診断ガイドライン、どれを選ぶ?9種類の特徴を比較解説

「脆弱性診断ガイドライン」は数多く存在し、どれを選べば良いのか、自社に合うものはどれか、判断に迷うことはありますよね。 この記事では、企業のWeb担当者やセキュリティ初心者の方に向けて、主要な脆弱性診断ガイドライン9種類を徹底比較します。 それぞれのガイドラインについて、「目的」「内容」「対象」を簡潔にまとめ、活用方法を分かりやすく解説。 ガイドライン利用時の注意点も解説しています。 ガイドラインの概要を把握し、自社に最適なものを選ぶための判断材料として活用いただけます。 脆弱性診断ガイドラインとは? 脆弱性診断ガイドラインは、いうなれば、Webシステムやアプリケーションに潜む弱点を見つけ出し、対策を立てるための手引きです。 政府機関や業界団体などの公的機関が作成しているので信頼性が高く、診断の手順、使うツール、弱点の評価基準などが体系的にまとめられています。 ただし、ガイドラインは、最新の攻撃手法やセキュリティ技術に対応するために、定期的に更新されるのが一般的です。 常に最新の情報を確認しながら利用することが大切です。 ガイドライン一覧(政府機関・業界別・技術基準) まずは、今回取り上げる9種類のガイドラインを、3つの分類で一覧表にまとめました。 分類 ガイドライン名 主な対象・活用場面 政府機関 ① 政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(デジタル庁) 公的機関、金融機関、ECサイトなど、高度なセキュリティが求められるシステム ② 工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(経済産業省) 製造業の工場システム、電力・ガスなど社会インフラ 業界別 ③ 自動車産業サイバーセキュリティガイドライン(JAMA/JAPIA) 自動車メーカー、部品メーカー、コネクテッドカーや自動運転車に関連するサービス ④ ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA) ECサイトを構築・運営する事業者、カード決済など機密情報を扱うオンラインビジネス全般 ⑤ 地方公共団体のための脆弱性対応ガイド(IPA) 地方公共団体、住民情報を扱う公共施設や行政システム ⑥ 制御システムのセキュリティリスク分析ガイド(IPA) 重要インフラ(電力、ガス、水道など)、工場・プラントの制御システム 技術・セキュリティ基準 ⑦ 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(IPA/JPCERTなど) ソフトウェアベンダー、Webサービス提供事業者、脆弱性情報を管理・運用する全ての企業 ⑧ 安全なウェブサイトの作り方(IPA) Webアプリケーション開発者、セキュリティ担当者、Webサイト運用チーム ⑨ Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン(JNSA) 脆弱性診断を実施する企業や診断サービスを提供するベンダー、診断技術を学びたい技術者 各ガイドラインの「目的」「内容」「対象」と、活用方法については、この後詳しく見ていきましょう。 政府機関の脆弱性診断ガイドライン ① 政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(デジタル庁) 目的:政府機関のシステムに脆弱性診断を取り入れ、高い水準のセキュリティを確保する 内容:自動診断ツールと手動診断を組み合わせる方法、報告書の作成手順、内部統制の仕組みなどを具体的に示す 対象:公的機関、金融機関、ECサイトなど、高度なセキュリティ基準が求められるシステム 公的機関向けのガイドラインですが、自治体や大企業でも活用しやすい内容です。 厳格な体制づくりや監査への対応を意識しているため、高い信頼性を求める企業が、自社の環境に合わせて取り入れるケースも多く見られます。 参考:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン ② 工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(経済産業省) 目的:製造業の工場や社会インフラのシステムをサイバー攻撃から守り、操業停止のリスクをできる限り小さくする 内容:OT(Operational Technology)環境での脆弱性診断の方法、サイバー・フィジカル両面でのリスク評価のやり方を提示 対象:電力・ガスなどのインフラ企業、工場システムを持つ製造業全般 ITと制御系システムが連携する現場では、セキュリティ対策が不十分だと、生産ラインの停止や社会的な影響が出る可能性があります。 このガイドラインは、危険を予測し、事前に対策を立てるための指針です。 参考:工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン 業界別脆弱性診断ガイドライン ③ 自動車産業サイバーセキュリティガイドライン(JAMA/JAPIA) 目的:コネクテッドカー(※)や自動運転技術へのサイバー攻撃のリスクを下げる 内容:車載システムや外部との通信部分の脆弱性診断、ソフトウェア更新(OTA)の安全確保、サプライチェーン全体の管理について触れる 対象:自動車メーカー、部品メーカー、車載ソフトウェア開発企業 ※コネクテッドカー:スマートフォンと連携したり、自動でソフトウェア更新を行う車 最近の自動車は、インターネット接続機能や高度な電子制御が普及し、サイバー攻撃を受ける可能性も高まっています。 このガイドラインでは、車両の一生を通じたセキュリティ対策が大切だと示しており、サプライチェーンの管理にも役立ちます。 参考:自動車産業サイバーセキュリティガイドライン ④ ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA) 目的:ECサイトでの不正アクセスや情報漏えいを防ぎ、安全なオンライン決済を実現する 内容:Webアプリケーション脆弱性診断、クレジットカード情報の保護、運用時のセキュリティルール作りなどをカバー 対象:オンラインショップ運営者全般(中小企業から大企業まで) クレジットカード情報や個人情報を取り扱うECサイトは、常に攻撃者に狙われやすい状態です。 このガイドラインは、すぐに役立つ脆弱性診断の項目と運用のルールを示しており、EC事業者が最低限やるべき対策を網羅しています。 必読のガイドラインと言えるでしょう。 参考:ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン ⑤ 地方公共団体のための脆弱性対応ガイド(IPA) 目的:地方公共団体が脆弱性を見つけたとき、初期対応からリスク評価までをスムーズに行う 内容:大切な住民情報を守るためのセキュリティ体制、職員や管理職への報告の流れ、ベンダーとの連携のポイントを説明 対象:自治体、公共施設、住民情報を扱う行政システム 地方公共団体は多くの個人情報を抱えており、もし情報が漏れたり、書き換えられたりしたら、住民の生活に大きな影響が出るかもしれません。 このガイドラインでは、脆弱性が見つかったときの責任の分担や連絡の手順をはっきりさせ、組織全体で対応できる力を高めるのに役立ちます。 参考:地方公共団体のための脆弱性対応ガイド ⑥ 制御システムのセキュリティリスク分析ガイド(IPA) 目的:工場やインフラなどの制御システムを狙ったサイバー攻撃を想定し、リスクを体系的に分析する 内容:資産ベースと攻撃シナリオの両面から脆弱性を見つけ出し、対策の優先順位を決めるやり方を解説 対象:電力、ガス、水道などのライフライン事業者、大規模プラント運営企業 制御システムは、普通のITシステムとは違い、止めることが難しいという特徴があります。 このガイドラインでは、安全であることと、問題なく使えることの両方を考えたリスク評価のやり方を提示しています。 インフラ企業には欠かせない資料です。 参考:制御システムのセキュリティリスク分析ガイド 第2版 技術・セキュリティ基準 ⑦ 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(IPA/JPCERTなど) 目的:脆弱性情報を早く共有し、開発者・発見者・利用者がうまく連携し、被害をできるだけ小さくする 内容:脆弱性情報の扱い方、パッチ公開のタイミング、責任分担などの指針を提示 対象:ソフトウェア開発企業、Webサービス提供者、脆弱性情報を報告・管理する組織全般 脆弱性が報告されたとき、情報の公開と修正のタイミングが適切でないと、攻撃者に悪用される危険性が高まります。 このガイドラインは、報告から公開・修正までの一連の流れを定め、早期警戒体制を整えるのに役立ちます。 参考:情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン ⑧ 安全なウェブサイトの作り方(IPA) 目的:Webアプリケーションの脆弱性(SQLインジェクション、XSSなど)を防ぐためのセキュアコーディングを広める 内容:代表的な脆弱性と対策の例、サンプルコード、開発の工程にセキュリティ対策を組み込むやり方を解説 対象:Web開発エンジニア、セキュリティ担当者、既存サイトの改修を行う運用チーム コーディングの段階で注意することで、多くの脆弱性は防げます。 具体的なソースコードの例がたくさん載っているので、初心者開発者の勉強にもぴったりです。 既存サイトの脆弱性を見つけ出すのにも応用できる、役立つガイドラインです。 参考:安全なウェブサイトの作り方 ⑨ Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン(JNSA) 目的:Webアプリケーションの脆弱性診断の項目や手順を標準化し、診断の精度や質を高める 内容:診断の進め方、必要なチェックリスト、検証環境の作り方などを提示 対象:脆弱性診断を自社で行う企業、診断サービスを提供するベンダー、診断技術を学びたい技術者 Webサービスを運営している組織が、定期的に診断を行うときの基準として使いやすいガイドラインです。 外部のベンダーに依頼するときも、共通の枠組みがあることで、「どこまで診断してもらうか」をはっきりさせられます。 参考:Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン 第1.2版 脆弱性診断ガイドラインを活用する際の注意点 これらのガイドラインを効果的に活用するためには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。 ガイドラインを「ただ読むだけ」で終わらせず、実務に活かすために、ぜひ以下の点を意識してください。 ガイドラインが最新の情報か? まず、ガイドラインは常に最新の情報とは限らないことを認識しておきましょう。 ガイドラインは作られた時点での攻撃手法をもとにしています。 そのため、ガイドラインを参考にするときは、最新の情報を必ず確認し、必要に応じて情報を付け加えるようにしましょう。 自社の環境や使えるリソースに合わせて調整する ガイドラインは一般的な内容を扱っています。 ガイドラインがすすめることを全部やろうとすると、費用や手間が大きくなりすぎる場合があります。 業種やシステムの規模に合わせて、何からやるか優先順位をつけて取り組むことが大切です。 ガイドラインだけでは不十分? そして、ガイドラインは脆弱性診断のすべてをカバーしているわけではありません。 ガイドラインに書かれていない弱点があることも考え、さまざまな角度からセキュリティ対策を検討する必要があります。 ガイドラインに加えて、セキュリティの専門家のアドバイスを受けたり、最新の脆弱性に関する情報を集めたりすることがおすすめです。 専門業者に相談して、より確実なセキュリティ対策を! 脆弱性診断ガイドラインは、セキュリティ対策の土台としてとても役立ちますが、すべての脅威を完全に防げるわけではありません。 最新の攻撃方法や、会社ごとに異なるリスクに対応するには、専門家のアドバイスが必要なことも多いでしょう。 IFTの脆弱性診断サービスは、今回ご紹介したガイドラインを参考に、次のような強みで、あなたの会社のセキュリティをサポートします。 IFTの強み 15年以上の実績があり、業界トップレベルの診断ツール「Vex」を使っています Webアプリケーション、システム、担当者の教育まで、幅広くお手伝いします 高い検出率に加えて、再診断や報告会など、診断後のサポートも充実しています まずはWebサイトのセキュリティ状態を把握することから始めましょう。 無料相談も実施していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

脆弱性診断とペネトレーションテストの違いとは?目的・手法・選び方を徹底解説 | 脆弱性診断とは

脆弱性診断とペネトレーションテストの違いとは?目的・手法・選び方を徹底解説

「脆弱性診断とペネトレーションテストって、一体何が違うの?」 システムのセキュリティ対策を考えるとき、こんな声をよく聞きます。 どちらもセキュリティを高めるための重要な手段ですが、その目的や実施する内容は大きく異なります。 この記事では、特に、「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」の特長や違いを分かりやすく解説します。 自社システムのセキュリティ向上に向け、これらの手法をどのように活用できるのか、具体的なヒントを得られる内容となっています。 「脆弱性診断」とは:システムの弱点を洗い出す健康診断 脆弱性診断とは、システムやアプリケーションに潜むセキュリティ上の弱点(=脆弱性)を特定するための診断手法です。この診断には、ツール診断と手動診断の2つの方法があります。 ツール診断では、専用スキャンツールを使って効率的に脆弱性を発見します。広範囲を短期間で調査できるのが特徴です。 一方、手動診断は、専門家が実際に操作を行い、ツールでは検出しにくい設定ミスや、不正アクセスを引き起こす特定の権限設定の不備など、複雑なシステム特有のリスクを発見するのに優れています。 この診断結果を基に対策を実施することで、システムのセキュリティをより強化することが可能です。 「ペネトレーションテスト」とは:攻撃者視点での侵入テスト ペネトレーションテスト(侵入テスト)は、サイバー攻撃者の視点から、システムやネットワークへの侵入経路を検証するテスト手法です。 専門家が攻撃をシミュレーションすることで、実際にどのような経路や方法で不正アクセスが可能かを調査します。 このテストの特徴は、脆弱性の「影響範囲」や「悪用される可能性」を具体的に把握できる点です。 テストの種類も豊富で、外部ネットワークテスト、内部ネットワークテスト、Webアプリケーションテスト、モバイルアプリケーションテスト、物理セキュリティテスト、ソーシャルエンジニアリングテストなど多岐にわたります。 そのため、ペネトレーションテストは、金融機関など、より高度なセキュリティ対策が求められる場面や、実際の攻撃を想定した防御力の検証が必要な場合に適しています。 一目でわかる!脆弱性診断 or ペネトレーションテスト比較表 続いては、脆弱性診断とぺネストレーションテストの違いを比較していきます。 以下の表で、違いを分かりやすく比較してみましょう。 項目 脆弱性診断 ペネトレーションテスト 目的 システム全体の弱点を効率的に発見する 攻撃者視点で侵入経路や被害シナリオを検証 診断方法 ツール診断または手動診断 専門家による手動での侵入シミュレーション チェック範囲 広範囲(システム全体をカバー) 特定のシステムや攻撃シナリオに限定 コスト 比較的低コスト(数十万円~数百万円) 高コスト(数百万円~千万円以上) 実施期間 短期間(数日~1週間程度) 中長期(1~3週間程度) 実施頻度 定期的(半年~1年ごとの実施が推奨) 必要に応じて(大規模な変更や新システム導入時) 適用シーン 初期段階のリスク把握や、継続的なセキュリティチェック 実際の攻撃を想定した高度な防御力検証 脆弱性診断は、コストを抑えつつ効率的に広範囲を診断できるため、初期段階のセキュリティチェックに適しています。 一方、ペネトレーションテストは、専門技術者による高度な検証が必要なためコストが高くなりますが、実際の攻撃を想定した実践的なセキュリティ対策を強化する手法として効果的と言えるでしょう。 脆弱性診断だけでは不十分?被害につながるケース 脆弱性診断は、システム全体の弱点を把握するために有効な手法です。ただし、それだけでは実際の攻撃を完全に防ぐことは難しい場合があります。 以下では、脆弱性診断だけでは見逃されがちなリスクや、それが引き起こす被害事例について解説します。 脆弱性診断だけでは見逃されるリスクとは? 脆弱性診断では、主にツールによる自動診断が中心となるため、広範囲のチェックを効率的に行うことができます。 しかし、脆弱性診断だけでは発見しにくい複雑なリスクや、現実的な攻撃シナリオを想定するには限界があるのです。 例えば、以下のようなリスクを見逃す可能性があります。 複数の脆弱性が連鎖して起こる攻撃(例:設定ミスと権限不足の組み合わせ) 特定の条件下でのみ発生する攻撃パターン(例:特定のユーザー操作によるデータ流出) システム固有の設計ミスやカスタム仕様による弱点 これらのリスクを見過ごすと、実際の攻撃シナリオで大きな被害につながる可能性があります。 そのため、ペネトレーションテストを活用して、攻撃者視点での検証を行うことが効果的なのです。 ペネトレーションテストを怠った被害事例 以下では、ペネトレーションテストを実施していれば被害を防げた可能性がある事例を紹介します。 事例①:エン・ジャパン株式会社の情報流出 2023年3月、エン・ジャパン株式会社は転職情報サイト「エン転職」に対する不正ログインにより、約25万件のWeb履歴書が流出したことを発表しました。 この事件はリスト型攻撃によるもので、ペネトレーションテストを実施していれば、早期に脆弱性を発見し、対策を取れた可能性があります。 事例②:チューリッヒ保険会社の顧客情報流出 2023年1月、チューリッヒ保険会社では、外部委託業者への不正アクセスにより、約75万件の顧客情報が流出する事件が発生しました。 この事件は委託業者がサイバー攻撃を受けたことが原因で、ペネトレーションテストを行っていれば、外部からの攻撃に対する防御力を強化できた可能性があります。 事例③:株式会社アダストリアの不正アクセス事件 同じく2023年1月、アパレル企業の株式会社アダストリアは、自社のECサイト「ドットエスティ」に対する不正アクセスにより、約104万件の顧客情報が流出したことを発表しました。 この事件もペネトレーションテストを行うことで、システムの脆弱性を特定し、攻撃を未然に防げたかもしれません。 こうした事例を見ると、ペネトレーションテストを実施することで、単なる脆弱性の発見だけでなく、実際の攻撃を想定した具体的な対策を構築できることがわかります。 結果として、企業の情報資産を守るための最前線の防御が可能になります。 盤石なセキュリティ対策なら、「脆弱性診断 × ペネトレーションテスト」の組み合わせ! 先ほどの内容だけを読むと、「ぺネストレーションテストだけやっていればいいのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。 実際は、脆弱性診断とペネトレーションテストですが、これを組み合わせることで、単独では得られない「相乗効果」を生み出すことができます。 具体的にどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。 1. 事前の脆弱性診断が、ペネトレーションテストを効率化する 脆弱性診断ではシステム全体の「リスクの洗い出し」が可能です。 この情報があることで、ペネトレーションテストでは、特に危険度が高い脆弱性や、実際の攻撃シナリオに利用される可能性が高い箇所に的を絞った検証が行えます。 結果として、より短期間で具体的かつ実践的な防御策を導き出すことができるでしょう。 2. ペネトレーションテストで診断結果を「裏付け」できる 脆弱性診断は、弱点を洗い出すことに特化していますが、その影響度や攻撃に悪用される可能性については判断が難しいことがあります。 ペネトレーションテストを組み合わせることで、診断結果が「実際にどの程度の被害につながるか」を検証でき、診断結果に優先順位をつけることが可能になります。 3. 組み合わせだからこそカバーできる「連鎖リスク」 単独の脆弱性では「軽微」と判断されるリスクが、複数の脆弱性が連鎖することで重大な攻撃を引き起こすケースがあります。 このようなリスクは、脆弱性診断だけでは見逃されることが多いですが、ペネトレーションテストを実施することで、こうした連鎖的な攻撃シナリオを明らかにすることが可能です。 4. 長期的な運用コストを削減できる 脆弱性診断で定期的に弱点を洗い出し、ペネトレーションテストで本当に危険なリスクを精査する流れを構築することで、効率的なセキュリティ対策が可能になります。 この工程により、無駄な修正作業や不要な対策にかかるコストを削減し、運用効率を向上させることができるのです。 脆弱性診断とペネトレーションテストを組み合わせることで、それぞれの弱点を補いながら、攻撃者の視点と守る側の視点の両方から盤石なセキュリティを構築することが可能です。 「広く、そして深く」守る体制を作るには、この組み合わせが最も効果的と言えるでしょう。 ペネトレーションテストならIFTにお任せください! セキュリティ対策の一環として、「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」は、それぞれ異なる役割を持つ重要な手法です。 この記事では、「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」の違いと特徴を解説し、これらを組み合わせることがもっとも効果的であることをお伝えしました。 セキュリティ対策の最前線で活躍するIFTのペネトレーションテストは、多くの企業に選ばれる理由があります。 IFTのペネトレーションテストが選ばれる理由 脆弱性診断と連携: 診断結果に基づき、本当に危険な箇所を重点的にテストします。 豊富な実績 (15年以上): 長年の経験とノウハウで、多種多様なシステムに対応可能です。 柔軟なカスタマイズ: お客様の環境に合わせて、最適なテスト計画をご提案します。 手厚いサポート: 分かりやすい報告書と、その後の対策まで丁寧に支援します。 セキュリティに関するお悩みは、IFTにお気軽にご相談ください。 専門家が、お客様のシステムをしっかりと守ります。

脆弱性診断ツールの種類と選び方 | 9つのポイントから見極め方を徹底解説 | 脆弱性診断とは

脆弱性診断ツールの種類と選び方 | 9つのポイントから見極め方を徹底解説

企業がサイバー攻撃から大切な情報資産を守るためには、システムに潜んでいるセキュリティ上の弱点、つまり「脆弱性」をいち早く見つけ出し、きちんと対処することがとても大切です。 その有効な手段が「脆弱性診断ツール」です。 しかし、数多く存在するツールの中から、自社に最適なものを選び出すのは、なかなか難しいことです。 「たくさんあって、どれを選べば良いのかわからない…」そんな風に感じている方も多いかもしれません。 この記事では、皆様が自社に最適な脆弱性診断ツールを見つけられるよう、選ぶ時のポイントをわかりやすく解説します。 脆弱性診断ツールとは?その役割と必要性 脆弱性診断ツールとは、パソコンやスマートフォンなどの情報システムに潜むセキュリティ上の問題点、いわゆる「脆弱性」を自動的に見つけ出し、報告してくれるソフトウェアやサービスのことです。 システムに脆弱性があると、サイバー攻撃の格好の標的となります。 攻撃者は常に新たな脆弱性を探し、それを使ってシステムに侵入したり、データを盗んだり、改ざんしたりしようと企んでいます。 そのため、脆弱性診断ツールは、このような攻撃からシステムを守るために、脆弱性を見つけ出し、対策を立てるという重要な役割を果たします。 このツールを使うと、攻撃を受ける前に脆弱性を発見し、修正することができます。 定期的に診断することで、システムをいつも安全な状態に保ち、セキュリティリスクを大幅に減らすことができるのです。 脆弱性診断ツールのメリットとデメリット 脆弱性診断ツールを使うことには多くの良い点がありますが、一方で注意しなければならない点もいくつかあります。まずは、そのメリットとデメリットをわかりやすく説明します。 脆弱性診断ツールのメリット まず、脆弱性診断ツールの良い点について見ていきましょう。 脆弱性診断ツールを導入する最大のメリットは、セキュリティ対策を効率化し、強化できることです。 脆弱性診断ツールのメリット 脆弱性を効率的に発見できる: 手作業で脆弱性を見つけるのは、時間も手間もかかり、専門的な知識も必要です。でも、ツールを使えば、診断を自動化し、素早く正確に脆弱性を見つけられます。 対策方法を提示してくれる: 多くのツールは、見つけた脆弱性に対して、具体的な直し方を教えてくれます。これにより、セキュリティ担当者の負担が軽くなり、素早く対応できます。 定期的な診断を自動化できる: セキュリティレベルを高く保つためには、定期的な診断が大切です。ツールを使えば、これを自動化できます。 レポートで進捗管理ができる: 診断結果をレポートとして出力できるツールが多く、セキュリティ対策の進み具合を管理したり、経営層へ報告したりするのに便利です。 このように、脆弱性診断ツールは、企業のセキュリティ対策を効率的にし、強化するのに役立ちます。 脆弱性診断ツールのデメリット 次に、注意すべき点についてもお話しします。 一方で、脆弱性診断ツールは万能ではなく、導入コストや誤検知、専門知識の必要性など、注意すべき点も存在します。 脆弱性診断ツールのデメリット 導入には一定のコストがかかる: 特に、高機能なツールや大規模システムに対応したツールは、導入費用や維持費が高くなることがあります。 誤検知や過検知の可能性がある: ツールは機械的に脆弱性を見つけるため、間違って検出してしまうこともあります。そのため、結果をそのまま信じるのではなく、専門知識を持った人が最終的に判断する必要があります。 運用には専門知識が必要: ツールを効果的に使うためには、セキュリティに関する知識や運用スキルが必要です。 脆弱性診断ツールの3つの種類 脆弱性診断ツールには、クラウド型、オンプレミス型、ハイブリッド型の3つのタイプがあります。 以下の表では、各タイプの特徴、メリット、デメリットを比較しています。自社のニーズに合わせて、どのタイプが適しているか確認してみてください。 タイプ 特徴 メリット デメリット クラウド型 インターネット経由で利用する診断サービス ・初期費用が低い・導入が簡単で短期間で利用可能・運用負担が少ない・常に最新の脆弱性情報を反映 ・インターネット接続が必須・データが外部サーバーに保存されるため、セキュリティポリシーに影響する可能性あり オンプレミス型 自社内にツールを導入して運用する ・データを自社で完全管理できる・高いカスタマイズ性がある ・初期費用が高額・運用・管理に専門知識が必要 ハイブリッド型 クラウド型とオンプレミス型の利点を組み合わせた診断 ・クラウドの利便性とオンプレミスのセキュリティを両立・柔軟性が高い ・導入・運用コストが高めになる場合がある・クラウドとオンプレミス両方を管理する体制が必要 例えば、初期コストを抑えつつ簡単に導入したい場合はクラウド型を選ぶのが適しています。 一方で、データ管理を重視する場合はオンプレミス型が理想的です。 また、利便性とセキュリティの両方を考慮したい場合は、ハイブリッド型がおすすめです。 自社に最適な脆弱性診断ツールを選ぶ9つのポイント ここでは、自社の状況やニーズにぴったりの脆弱性診断ツールを選ぶための、9つの大切なポイントをわかりやすく解説します。 診断用件 診断範囲 精度 実績 運用要件 使いやすさ サポート体制 拡張性 その他の要件:予算は?連携は?専門性は? 費用 連携性 ツール導入か、業者依頼か 具体的なツールを知りたい方は、以下をご覧ください。 1. 診断要件:何を守りたいのか?何を診断したいのか? まず初めに、診断対象や必要な機能を明確にすることが重要です。ここでは、診断要件に関わる3つのポイントを解説します。 ①診断範囲:どこまで守る?診断対象を明確に 自社にぴったりの脆弱性診断ツールを選ぶためには、まず「どこを守りたいのか」「何を診断したいのか」をはっきりさせて、必要な診断範囲を決めることが大切です。 守るべき対象、つまり診断範囲は、主に「Webアプリケーション」「ネットワーク」「プラットフォーム」の3つに分けられます。 Webアプリケーションの診断: 皆さんが普段インターネットで利用するウェブサイトやウェブサービスに潜む脆弱性を診断します。 ネットワークの診断: ファイアウォールやルーターなどのネットワーク機器、サーバーなど、ネットワーク全体に関わる脆弱性を診断します。 プラットフォームの診断: パソコンやサーバーのOS、ミドルウェアなどに潜む脆弱性を診断します。 これらの診断対象について、さらに詳しく知りたい方は、別記事「【かんたん解説】アプリ診断とプラットフォーム診断、最適なのはどっち?」で解説していますので、ぜひご覧ください。 ②精度:診断項目の網羅性と検出精度 診断項目がどれだけ網羅されているか、脆弱性の検出精度はどれだけ高いかに注意し、自社のシステムに必要なレベルの診断が可能かを確認しましょう。 診断項目の網羅性とは、ツールがどれだけ多くの種類の脆弱性をカバーしているかということです。 検出精度とは、ツールが脆弱性をどれだけ正確に検出できるかということです。 ③実績:同業種での導入実績を確認 同業他社での導入実績は、ツール選定時の参考になります。 同業他社で豊富な実績があるツールは、その業界特有のセキュリティ要件や課題に対応している可能性が高いです。 導入実績は、ツールのウェブサイトや資料で確認できるほか、ベンダーに問い合わせてみましょう。 2. 運用要件:誰がどのように使うのか? ④運用:担当者のスキルとツールの使いやすさ 担当者のスキルレベルとツールの使いやすさを考慮しましょう。 セキュリティの専門知識が豊富な担当者がいる場合は、多機能でカスタマイズ性の高いツールが適しています。 一方、専門知識が限られている場合は、操作が簡単で、サポートが充実しているツールが適しています。 担当者が無理なく使えるツールを選ぶことで、効果的な運用につながります。 ⑤サポート体制:導入後も安心できるサポートの重要性 ベンダーのサポート体制は、特に導入初期やトラブル発生時に重要です。 確認ポイントは、24時間対応の有無、対応言語、平均応答時間などです。 また、ユーザーコミュニティの活発さも、問題解決の助けになります。多くの有料ツールは公式サポートが付いているため、安心して利用できます。 ⑥拡張性:業務規模や将来的な変化に対応可能か 現在の業務規模だけでなく、将来的な拡張性も考慮してツールを選びましょう。 企業の成長やビジネス環境の変化に伴い、診断対象のシステムが拡大したり、新たなシステムが追加されたりする可能性があります。 その際に、柔軟に対応できるツールを選ぶことが大切です。 3. その他の要件:予算は?連携は?専門性は? ⑦費用:予算は?初期費用とランニングコストで考える 初期費用だけでなく、ランニングコストとの両方を考慮すること重要です。 オンプレミス型は初期費用が高額になりがちですが、クラウド型は初期費用を抑えられる場合が多いです。 ただし、クラウド型は月額または年額の利用料が発生します。ランニングコストには、利用料の他に、保守費用や担当者の人件費も含まれます。 必要な機能を明確にし、複数のツールの見積もりを比較することで、費用対効果の高いツールを選定しましょう。 ⑧連携性:他のセキュリティツールとのスムーズな連携 脆弱性診断ツールは、他のセキュリティツールと連携させることで、より効果的なセキュリティ対策を実現できます。 そのため、既に導入しているセキュリティツールと連携できるかどうかも重要な選定ポイントです。 ツール間の連携が可能であれば、診断結果をリアルタイムに活用しやすく、セキュリティ対策を強化できます。 ⑨専門性:ツール導入か、業者依頼か、適切な診断方法の判断 脆弱性診断を実施する際には、ツールを導入して自社で診断を行う方法と、専門の業者に診断を依頼する方法があります。 どちらの方法が適しているかは、企業の状況やセキュリティ要件によって異なります。 社内での対応が難しい場合や、特に高いレベルのセキュリティが求められる業界の場合は、専門の業者に依頼することも検討しましょう。 脆弱性診断ツール選びで後悔しないための注意点     脆弱性診断ツールを選ぶ際には、導入後に後悔しないよう、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。 無料の脆弱性診断ツールは導入コストを抑えられますが、いくつかの注意点と限界があります。 自社のニーズに合ったツールを選ぶ 脆弱性診断ツールには、ネットワーク診断、Webアプリケーション診断、クラウド環境診断など、得意とする診断範囲に違いがあります。 そのため、自社のシステム構成やセキュリティ要件に合致したツールを選ぶことが重要です。 例えば、Webアプリケーションのセキュリティを強化したい場合は、Webアプリケーション診断に特化したツールを選びましょう。 無料版と有料版の違いを理解する 無料版と有料版の大きな違いは、機能とサポート体制です。無料版は、診断項目や利用回数が限定されていることが多く、詳細な診断には不向きな場合があります。 一方、有料版は、より多くの診断項目に対応し、サポートやアップデートも充実していることが一般的です。 自社のセキュリティ要件と予算に合わせて、適切なプランを選びましょう。 ツールの更新頻度を確認する サイバー攻撃の手法は日々進化するため、脆弱性診断ツールが最新の脆弱性情報に対応しているかどうかの確認が重要です。 更新頻度が高いツールを選ぶことで、新たな脅威にも迅速に対応できます。 ツールの公式サイトやベンダーへの問い合わせで、更新頻度を確認しましょう。 ツール診断にも限界はある 脆弱性診断ツールはあくまでも診断を支援するツールであり、全てを任せきりにするのは危険です。 自動化ツールでは検出が難しい、複雑な脆弱性も存在します。 そのため、必要に応じて手動診断やペネトレーションテストを併用し、多角的にセキュリティ対策を講じることが重要です。 ツールはあくまでも補助的なものと捉え、過信は禁物です。 まとめ:ツール診断と手動診断の組み合わせで、より網羅的なセキュリティ対策を 脆弱性診断ツールを選ぶ際は、診断範囲、費用、サポート体制など、9つのポイントを考慮することが大切です。 しかし、ツールはあくまでも診断を支援するものであり、全てを任せきりにするのは危険です。 特に、無料版は機能が限定的で、詳細な診断には不向きな場合もあります。 また、ツールが最新の脅威に対応しているか、更新頻度の確認も重要です。そして、ツールでは検出できない複雑な脆弱性も存在することを忘れてはいけません。 弊社の手動診断では、経験豊富なセキュリティエンジニアが、ツールでは見落としがちな脆弱性も丁寧に検査します。 ツール診断と手動診断を組み合わせることで、より網羅的かつ効果的なセキュリティ対策が可能です。 まずは無料相談で、お客様のシステムの状況や、セキュリティに関するお悩みをお聞かせください。 最適な診断プランをご提案いたします。

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【どちらが最適?】アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違いは?

「Webアプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」、どちらを選ぶべきか迷っていませんか? どちらも組織のセキュリティ対策として重要な診断ですが、その目的や効果には違いがあります。 この記事では、それぞれの診断内容とメリット・デメリットを徹底比較し、組織の状況に合った診断を見つけるお手伝いをします。 関連記事 徹底比較!リモート診断とオンサイト診断 | 最適な脆弱性診断の選び方 【無料あり】脆弱性診断ツールおすすめ15選!選び方から特徴までを解説 脆弱性診断における「手動診断」とは?特徴やメリットをわかりやすく解説 アプリケーション診断とは? Webアプリの脆弱性を洗い出す「健康診断」 Webアプリケーション診断とは、Webアプリやスマホアプリに、セキュリティ上の弱点(脆弱性)がないかを調べる、いわば「健康診断」です。 具体的には、アプリの設計や、プログラミング上のミスを突いた攻撃への耐性を評価します。 対象は、アプリケーション開発者やWebサイト運営者です。 Webアプリケーション診断の目的 Webアプリケーション診断の主な目的は、アプリケーションの脆弱性を発見し、修正することによって、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティインシデントを未然に防ぐことです。 アプリケーションのセキュリティレベルを向上させ、ユーザーや企業データを保護することを目的としています。 メリット:弱点をあぶり出し、具体的な改善策を掲示できる アプリケーション診断には、主に3つのメリットがあります。 アプリケーション診断のメリット アプリ固有の弱点を見つけ出す 攻撃者の視点をシミュレーションできる 早期発見と修正ができる Webアプリケーションやソフトウェアに特化して診断を行うため、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、アプリケーション固有の弱点を発見できます。 さらに、実際の攻撃手法を模倣することで、攻撃者がどのようにアプリケーションを悪用するかを把握し、具体的な対策を立てることができます。 しかも、開発段階や運用中に診断を行えるため、脆弱性を早期に発見し、修正することで被害を未然に防げます。 デメリット:費用と時間が必要 一方、アプリケーション診断にはデメリットも存在します。 アプリケーション診断のデメリット 費用と時間という投資が必要 ツール診断には限界がある 診断範囲はアプリ限定 特に手動診断は専門知識を持つ人材が必要であり、時間と費用がかかる場合があります。 また、自動化ツールでは、特定の脆弱性や複雑な問題を見逃す可能性があるため、完全な診断には、専門家による手動診断が必要です。 さらに、Webアプリケーション診断はアプリケーション自体に焦点を当てるため、OSやネットワークなどの基盤部分の脆弱性はカバーできません。 Webアプリケーション診断の具体的な確認項目とは? Webアプリケーション診断では、システムの機能や動作を、攻撃者目線で徹底的に検査します。 主に、以下の項目を中心に検査を行い、システムの弱点をあぶり出します。 種別 説明 主な確認項目 入力処理 ユーザーからの入力データーができ切に検証されているかを確認し、不正データによる攻撃を防ぎます。 • クロスサイトスクリプティング(XSS) • SQLインジェクション • コマンドインジェクション 認証 ユーザーへの権限が適切に設定されているかを確認し、不正アクセスや権限昇格のリスクを評価します。 • 不適切な認証 • 権限管理 セッション管理 ユーザーセッションの管理方法に不備がないかを確認し、セッションハイジャックやCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)などの攻撃に対する脆弱性を検証します。 • セッションIDの固定化 • クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF) 出力処理の検査 アプリケーションからの出力データが適切に処理されているかを確認し、情報漏洩につながるリスクを評価します。 • 不要なデータ出力 セキュリティ設定 Webアプリケーション全体のセキュリティ設定が適切であるかを確認し、セキュリティ対策の不備を洗い出します。 • HTTPS通信 • 不要な情報の露出の有無 ソースコード ソースコードに潜在的な脆弱性がないか、セキュリティ上の問題がないかを確認し、開発段階でのセキュリティ対策の不備を検出します。 • ソースコードの記述   プラットフォーム診断とは?ITインフラの精密検査   プラットフォーム診断とは、サーバーやOS、ネットワーク機器など、ITインフラに潜むセキュリティ上の弱点を特定するための、いわば「精密検査」です。 具体的には、OSやミドルウェアの設定ミス、不要なサービスの放置、セキュリティ更新プログラムの適用漏れなど、システム全体の基盤部分に潜む弱点を洗い出します。 主に、システム管理者やITインフラ担当者が対象です。 プラットフォーム診断の目的 プラットフォーム診断の主な目的は、ITインフラ全体の安全性を高め、不正アクセスやマルウェア感染などのリスクを最小限に抑えることです。 システムの基盤全体のセキュリティ強度を高め、安定した運用を実現します。 言い換えれば、企業のビジネスを支えるIT基盤を、サイバー攻撃という脅威から守るための対策と言えます。 プラットフォーム診断のメリット:システム全体のセキュリティ向上 プラットフォーム診断のメリットは、主に3つあります。 プラットフォーム診断のメリット システム全体のセキュリティ状況を可視化できる 攻撃の入り口を減らす 状況に応じて診断方法を選択できる OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど、システム基盤全体を対象に診断を行うため、システム全体のセキュリティ対策を立てることができます。 さらに、ネットワークやサーバーの設定ミスや、放置されたままの弱点を特定し、修正することで、攻撃者が侵入する糸口を減らすことができます。 加えて、リモート診断とオンサイト診断の2種類があり、状況に応じて適切な方法を選択できます。 プラットフォーム診断のデメリット:広範囲ゆえに複雑かつ高額 一方、プラットフォーム診断にもデメリットは存在します。 プラットフォーム診断のデメリット 広範囲を診断するがゆえの複雑さ 場合によっては高額な費用 専門性が必要 システム全体を対象とするため、診断範囲が広く、実施が複雑になることがあります。 また、診断対象が広範囲にわたるため、特に現地で診断を行うオンサイト診断では、コストが高くなる場合があります。 さらに、専門的な知識が必要なため、診断結果を正確に解釈し、適切な対策を実施するには、専門家の支援が必要となるでしょう。 これらの点を考慮し、費用対効果を検討した上で、診断の実施を判断する必要があります。 プラットフォーム診断で確認できる項目 プラットフォーム診断では、ITインフラ全体のセキュリティ状況を評価するため、多岐にわたる項目を検査します。以下に代表的な確認項目をまとめました。 種別 説明 主な確認項目 ポートスキャン サーバーやネットワーク機器で開放されているポートを調査し、不要なポートや不審なサービスがないかを確認します。 • 開放ポートリスト • サービス名 ホスト情報 ネットワークに接続された機器の情報を収集し、管理状況やセキュリティ対策の状況を把握します。 • ホスト名 • IPアドレス • OS種類・バージョン • セキュリティパッチ適用状況 OS/ミドルウェア サーバーOSやミドルウェアに既知の脆弱性がないかを検査し、攻撃のリスクを評価します。 • バッファオーバーフロー • 権限昇格 • 既知の脆弱性(CVE) ネットワークサービス DNS、FTP、メールサーバーなど、提供されているネットワークサービスのセキュリティ設定を評価します。 • サービス設定の不備 セキュリティ設定 サーバーやネットワーク機器の設定がセキュリティ要件を満たしているかを確認し、設定不備によるリスクを洗い出します。 • パスワードポリシー • アクセス制御設定 • 暗号設定(暗号方式、サーバー証明書) アカウント検査 不適切なアカウント設定がないかを確認し、不正ログインのリスクを評価します。 • デフォルトアカウントの有無 • パスワード強度 • アカウントロックアウト設定 通信の安全性 ネットワーク通信におけるプロトコルや暗号化方式の安全性を評価し、盗聴や改ざんのリスクを低減します。 • 暗号化プロトコル(HTTPS, SSH) • 暗号強度 • SSL/TLS設定   アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い:守備範囲と対策 Webアプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらもセキュリティ対策として重要ですが、その守備範囲と対策は大きく異なります。 項目 Webアプリケーション診断 プラットフォーム診断 対象 Webアプリケーション、ソフトウェア OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど 診断範囲 アプリケーション固有の脆弱性 システム基盤全体の脆弱性 メリット アプリケーション特有の脆弱性を特定可能 システム全体のセキュリティ状態を把握し、より堅牢な対策を立てられる デメリット システム基盤の脆弱性は対象外 実施が複雑でコストが高くなる可能性 診断方法 ツール診断+手動診断 リモート診断+オンサイト診断 守備範囲:Webアプリケーション vs インフラ 最も大きな違いは、守備範囲です。 Webアプリケーション診断は、Webアプリやスマホアプリなど、ユーザーが直接操作する「アプリケーション」が対象です。 一方、プラットフォーム診断は、サーバー、OS、ネットワーク機器など、アプリケーションを動かす土台となる「ITインフラ」を守備範囲としています。 リスク対策:ユーザーの操作ミス vs システムの弱点 Webアプリケーション診断では、主にユーザーの操作ミスによって発生するリスクに対応します。 例えば、入力フォームへの不正な値の入力や、アプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃などです。 一方、プラットフォーム診断では、システム自体の弱点や、設定ミスによるシステム障害、不正アクセスなどのリスクに対応します。 担当者:開発・運用 vs インフラ管理 Webアプリケーション診断は、アプリを開発・運用する、開発者やWebサイト運営者がメインの担当者です。 一方、プラットフォーム診断は、システム全体のセキュリティを管理するシステム管理者や、ITインフラ担当者が担当します。 費用と期間:アプリの複雑さに比例 一般的に、Webアプリケーション診断の方がプラットフォーム診断よりも、費用が高くなる傾向があります。 これは、Webアプリケーション診断が、ソースコードレベルでの詳細な検査を含む場合があるためです。 また、診断期間もWebアプリケーション診断の方が長くなる傾向があります。 これは、アプリケーションの規模や、機能の複雑さに診断時間が比例するためです。 ただし、これらの費用や期間は、診断の範囲や深さによって大きく変わるため、あくまで目安です。 正確な見積もりは、専門家に相談することをお勧めします。 どちらの診断が向いてる? Webアプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらも重要ですが、組織の状況によって、どちらを優先すべきかが変わってきます。ここでは、それぞれの診断がどのような企業に向いているかを具体的に説明します。 診断種類 対象 向いている企業 Webアプリケーション診断 Webアプリケーション、ソフトウェア Webサービス運営企業、アプリケーションの更新頻度が高い企業、顧客データを扱う企業、セキュリティインシデントが心配な企業 プラットフォーム診断 OS、サーバー、ミドルウェア、ネットワーク機器 大規模なITインフラを持つ企業、クラウドとオンプレミスを併用している企業、ネットワークセキュリティを強化したい企業、法令遵守が必須の企業 Webアプリケーション診断がおすすめの企業 Webアプリケーションやモバイルアプリケーションを開発・運用している企業、特にユーザー情報を扱うサービス提供者に最適です。 以下のような企業は、迷わずアプリケーション診断を優先しましょう。 Webサービスを運営している: ECサイト、SNS、予約システム、会員制サイトなど。 アプリケーションの更新頻度が高い: 新機能の追加やアップデートを頻繁に行う場合。 顧客データを扱っている: 個人情報やクレジットカード情報などを扱う場合。 セキュリティインシデントが心配: 金融、医療、教育など、特にサイバー攻撃の標的となりやすい業界。 プラットフォーム診断がおすすめの企業 IT基盤の安全性を強化したい企業、社内ネットワークやサーバー運用を行うIT管理者に適しています。 以下のような企業は、プラットフォーム診断を優先的に検討するとよいでしょう。 大規模なITインフラを抱えている: 多数のサーバーやネットワーク機器を運用している場合。 クラウドとオンプレミス、両方使っている: AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスと、自社運用のオンプレミス環境を併用している場合。 ネットワークセキュリティを強化したい: 外部からの攻撃はもちろん、内部ネットワークの脆弱性も心配な場合。 法令遵守が必須: 金融や医療など、法令や規制で厳格なセキュリティ基準が求められる場合。 結論:どちらの診断を優先すべきか Webアプリケーションの安全性を最優先したい企業は、迷わずアプリケーション診断から始めましょう。 システム全体のセキュリティを底上げしたい、ネットワーク機器やサーバーの設定を見直したい企業は、プラットフォーム診断が適しています。 そして、より万全なセキュリティ対策を目指すなら、両方の診断を組み合わせるのが理想的です。 アプリ&プラットフォーム診断の導入事例 ここでは、IFTセキュリティ株式会社が実際に行った、アプリケーション診断とプラットフォーム診断の事例をご紹介します。 お客様が抱えていた課題を、どのように解決したのか、具体的に見ていきましょう。 Webアプリケーション診断:大手生命保険会社 大手生命保険会社では、システムリリース前の限られた時間内で効率的に脆弱性診断を実施する必要がありました。 従来の診断方法では時間とコストがかかり、リリーススケジュールに間に合わない可能性がありました。 そこで、短期間で必要な項目に絞って診断を行う「クイックWebアプリケーション脆弱性診断」を導入し、効率的に脆弱性を発見・修正することで、システムの安全性を確保し、期日通りにリリースすることができました。 >>>大手生命保険会社の事例詳細 プラットフォーム診断:自動車メーカー系情報システムサービス 自動車メーカー系情報システムサービスでは、インターネットに公開している各種システムのセキュリティ状況を定期的に把握し、新しい脆弱性に迅速に対応する必要がありました。 従来の脆弱性診断では診断頻度が限られており、新しい脆弱性への対応を早めたいという要望がありました。 そこで、システム環境を定期的に診断し、常に最新の脆弱性情報を把握できる「プラットフォーム脆弱性診断」を導入。 診断結果に基づいて対策を行い、再診断でリスク低減を確認することで、情報漏洩などの重大なセキュリティインシデントを防ぐことができました。 >>>自動車メーカー系情報システムサービス まとめ:最適なセキュリティ対策で、安心を手に入れよう アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い、ご理解いただけたでしょうか? どちらも、組織の「信用」を守るために重要なセキュリティ診断です。 自社の状況をしっかりと把握し、適切な診断を選んで、確かなセキュリティ対策を実施しましょう。 両者を組み合わせることで、より強固なセキュリティ対策となります。 弊社、株式会社アイ・エフ・ティは、15年以上にわたり、Webサイト、スマホアプリ、プラットフォームの脆弱性診断を提供してきました。 豊富な経験と専門知識を持つ診断員が、お客様のニーズに合わせた最適な診断プランを提案し、診断後の報告会や従業員向けの教育サービスなど、手厚いサポート体制を整えております。 セキュリティ対策に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください!

脆弱性診断における「手動診断」とは?特徴やメリットをわかりやすく解説 | 脆弱性診断とは

脆弱性診断における「手動診断」とは?特徴やメリットをわかりやすく解説

脆弱性診断には、大きく「自動診断 or 手動診断」の2種類があるのですが、自動化ツールが普及している現代、なぜ“人間の手による診断”が求められるのでしょうか。 自動診断は多くのシステムで広く導入されており、ツールを使って効率的に脆弱性を検出する手法です。この方法は短時間で多くの部分をチェックできるため、コストや時間の面で非常に有効とされています。しかし、システムが複雑化するほど、自動診断だけでは十分に対応できない部分も出てきます。 一方で、手動診断では、セキュリティの専門家がシステムの構造や特徴に応じて一つひとつの脆弱性を精査します。この方法により、ツールでは見つけられない高度な脆弱性やシステム固有のリスクも検出可能です。 この記事では、手動診断の特長やメリット、そして特にどのような場面で有効となるかについて詳しく解説します。セキュリティ対策の参考にしていただければと思います。 「手動診断」とは?自動診断との違い・特長について 手動診断は、セキュリティ専門家がシステムやアプリケーションの脆弱性を一つひとつ確認していく診断手法です。自動診断ではカバーしきれない部分を補い、特に高度なセキュリティが求められる場面で効果を発揮します。 手動診断ならではのメリット3選 手動診断には、システムの内部構造や特性に基づいてリスクを特定し、複雑な脆弱性を発見するという特徴があります。ここでは、手動診断がもつ3つの主な特徴について解説します。 ①専門家が細部まで診断できる 手動診断は、セキュリティの高度な知識と実践的な経験を持つ専門家が行います。そのため、システムの構造や設計の背景を理解し、単なるツールベースの診断では見つけにくい論理的な欠陥や攻撃パターンに基づく脆弱性も発見できます。 これにより、潜在的なリスクに対してきめ細やかに対応し、システム全体の安全性を高めます。 ②“ツールでは発見が難しい脆弱性”にも対応できる 自動診断ツールは基本的な脆弱性の検出には効果的ですが、複雑で高度な脆弱性に対応するには限界があります。手動診断では、システムの設計や動作を考慮し、攻撃者の視点からセキュリティリスクを特定できます。 例えば、アプリケーション特有の脆弱性やユーザーの操作に依存する特定のシナリオでのリスクも含めて確認することで、精度の高いセキュリティ対策が可能です。 ③システム特有の仕様やリスクにも対応できる 手動診断は、業界特有のリスクやシステムの個別要件に合わせた柔軟な診断が行えることも特徴です。例えば、医療や金融、製造業などの業界では、各分野に特有のセキュリティ要件や規制があります。 手動診断では、こうした業界特有の条件に対応し、システム固有の脆弱性を効果的に発見できます。 自動診断を「補完」するのが手動診断 手動診断も自動診断も、「脆弱性診断」という目的は同じですが、精度・柔軟性・深さの観点で異なる特性を持っています。 まず、精度については、自動診断がルールベースで一般的な脆弱性を検出するのに対し、手動診断は専門家が“システム特有のリスク”を考慮しながら行うため、より高精度です。 深さの点では、手動診断はシステムの設計や動作を深く理解した上で詳細に脆弱性を探すため、自動診断では見つけにくい潜在的なリスクや複雑な脆弱性も発見できます。 このように、自動診断はツールを用いて広範囲にわたるチェックを短時間で行う手法で、基本的な脆弱性を効率よく検出するために活用されます。しかし、自動診断だけでは対応しきれない複雑なリスクが存在するため、これを補完するのが「手動診断」です。 手動診断のメリットとデメリット メリットばかりあるように見える手動診断ですが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、手動診断のメリットとデメリットについて見ていきましょう。 手動診断を選ぶべきメリットとは? 手動診断のメリットは主に下記の3つです。 手動診断のメリット 高精度な診断 柔軟性と適応性 深い洞察と詳細な分析 手動診断の大きなメリットは、その高精度な診断です。セキュリティ専門家がシステムを直接調査することで、自動診断ツールでは検出が難しい複雑な脆弱性や、システム特有の問題を発見できます。 また、専門家の経験を基にした柔軟な対応も可能で、診断対象に合わせたカスタマイズができるため、特殊な設定や業務プロセスを持つシステムにも対応可能です。 さらに、専門家の深い知識に基づいた詳細な分析が行える点も強みです。これにより、脆弱性の影響度や優先度についての具体的な提案が可能になり、より実践的なセキュリティ対策を実施できます。 手動診断ならではのデメリットも 一方で、デメリットは主に下記の3つです。 手動診断のデメリット 高コスト 時間がかかる 診断員のスキルによる差 一方で、手動診断には高コストというデメリットがあります。専門家による診断には多くの時間と労力がかかるため、費用がかさむ傾向にあります。 また、診断を一つひとつ手作業で行うため、診断結果が出るまでに時間がかかる場合があります。このため、速やかな対応が求められるシーンでは不向きな場合もあります。 さらに、手動診断の質は診断員のスキルに依存するため、スキルのばらつきによって診断の一貫性が欠ける可能性があります。一定の品質を保つためには信頼できる専門家に依頼することが求められます。 手動診断が効果を発揮するケースとは? では、どんな時に手動診断が特に有効なのでしょうか?手動診断は、システムのセキュリティが特に重要視される状況や、複雑な構造、あるいは特有の業務フローを持つ環境でその強みを発揮します。 以下に、手動診断が有効となるケースについて説明します。 機密性の高いデータを扱っている企業 金融や医療、法律関連など、機密性の高いデータを取り扱う企業では、セキュリティが最優先事項となります。これらのデータが漏洩すると重大な損害が発生するため、一般的な脆弱性検出だけではなく、システム固有のリスクも考慮して脆弱性を発見する必要があります。手動診断は、こうした高度なセキュリティ要件に応えるため、特に効果的です。 複雑なネットワーク環境を持つ企業への対応 システムが複数の層やネットワーク構造を持ち、相互に依存している場合、自動診断ではすべてを網羅的にチェックするのが難しいことがあります。一方、手動診断では専門家がシステム全体を俯瞰し、相互作用によって生じるリスクを見つけることができるため、このような複雑な環境にも適しています。   自動診断に加え、精度を上げたい場合 自動診断を導入している企業でも、より高精度な診断を求めている場合には手動診断が役立ちます。自動診断で広範囲をカバーし、さらに手動診断で重点的に検証することで、セキュリティの精度をより高めることができます。特に、標準の診断ツールだけでは対応しきれない複雑な状況や特有の業務フローが絡む場合には、手動診断を組み合わせることで、確実なリスク特定が可能です。 「ハイブリット診断」という選択肢もあります!」 手動診断には、自動診断では補いきれない高精度で柔軟なセキュリティチェックが可能というメリットがありますが、その一方でコストや時間の負担が課題です。 そこで、自動診断と手動診断を組み合わせた「ハイブリッド診断」という選択肢があります。 ハイブリッド診断では、まず自動診断でシステム全体の基本的な脆弱性を短時間で検出し、その後に手動診断で特定のリスクや高度な脆弱性を重点的にチェックします。これにより、自動診断の効率性と手動診断の精度の両方を活かした診断が可能となり、コストや時間の面での課題を抑えながらも高いレベルのセキュリティ対策を行うことができます。 弊社でも、自動診断と手動診断を組み合わせた「ハイブリッド診断サービス」を提供しており、コスト効率を重視しながら高精度なセキュリティ対策を実現しています。 手動×自動のハイブリッド型で、コストと精度の両立を! 複雑なリスクやシステム特有の問題には、セキュリティ専門家が手作業で行う手動診断が非常に効果的です。手動診断では、高度な脆弱性や業界特有のリスクもきちんと把握できるため、特に機密情報を扱う企業や複雑なシステムを持つ企業にとって大変有益です。また、ハイブリッド診断を活用することで、自動診断と手動診断の良いところを組み合わせて、効率的で精度の高い診断が可能になります。 株式会社アイ・エフ・ティでは、コスト効率と高精度を両立した「ハイブリッド診断サービス」をご提供しています。自動診断と手動診断を組み合わせて、効率的かつ精度の高い脆弱性診断を行います。セキュリティ対策にご興味がありましたら、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

徹底比較!リモート診断とオンサイト診断 | 最適な脆弱性診断の選び方 | 脆弱性診断とは

徹底比較!リモート診断とオンサイト診断 | 最適な脆弱性診断の選び方

脆弱性診断には「リモート診断」と「オンサイト診断」の2種類があります。 「リモート診断とオンサイト診断の違いって何?」 「費用はどのくらいかかるの?」 「自社に最適な方法はどちらなの?」 このような疑問を持つ方もいるかもしれません。 それぞれの診断方法には特徴やメリット・デメリットがあるため、診断対象や予算、セキュリティ要件に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。 この記事では、リモート診断とオンサイト診断の違いを分かりやすく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用、そして最適な診断方法を選ぶためのポイントを詳しく説明します。この記事を読むことで、自社に最適な脆弱性診断を選べるようになりますよ。 リモート診断とは?場所を選ばず低コストが特徴 まずは、リモート脆弱性診断の詳細な方法や特徴、メリット・デメリットについて見ていきましょう。 リモート診断の実施方法とその特徴 リモート診断は、インターネットを通じて診断対象のシステムにアクセスし、脆弱性を検査する方法です。自動診断ツールを使用するため、短期間で広範囲の脆弱性を検出でき、オンサイト診断に比べて費用を抑えられる点が特徴です。 リモート診断が選ばれる理由と3つのメリット リモート診断は、多くの企業で採用されるコスト効率と手軽さが大きな魅力です。特に、限られた予算やリソースでセキュリティ対策を進めたい企業にとっては相性がいいでしょう。その具体的なメリットを見ていきましょう。 リモート診断の3つのメリット コスト削減 スピーディな診断 地理的制約なし 1つ目のメリットは、コストの削減です。リモート診断では、現地調査が不要なため交通費や宿泊費がかからず、費用が抑えられます。そのため、中小企業やスタートアップ企業でも手の届く価格で利用できます。 2つ目のメリットは、診断の時間です。必要な情報(対象のIPアドレスやネットワーク構成など)を提供するだけで診断がすぐに始められ、初期設定や準備に多くの時間を必要としません。その結果、短期間でセキュリティリスクを把握することが可能です。 最後に、地理的制約がない点もリモート診断の強みです。たとえば、全国に拠点を持つ企業や、海外支社を含む多拠点の診断が必要な場合でも、すべてをリモートでカバーできます。 リモート診断のデメリットと注意点 一方で、リモート診断にはいくつかの制約もあります。特に、診断が外部からのアクセスに依存していることが主な要因です。この特性を踏まえ、デメリットについて理解しておきましょう。 リモート診断のデメリット 調査範囲の制限 ネットワーク依存度の高さ 検知精度の限界 まず、調査範囲の制限です。リモート診断は、外部からアクセス可能な部分に限定されるため、内部ネットワークやシステムの詳細な調査には向いていません。社内専用システムの診断が必要な場合は、オンサイト診断の方が適しています。 また、ネットワーク依存度の高さも課題です。ネットワークが不安定な場合や、ファイアウォール設定でアクセスが制限されている場合、診断がスムーズに進まないことがあります。 最後に、検知精度の限界も挙げられます。自動化ツールに依存するため、オンサイト診断ほどの深い解析は期待できません。より詳細で高度な診断が必要な場合には、他の手段で補完する必要があります。 リモート診断の費用とその影響要因 リモート診断の費用は、一般的に 数万円から十数万円 程度が相場とされています。ただし、以下の要因によって費用が変動します。 診断対象の規模: サーバー数やネットワークの広さに応じて費用が増加します。 診断ツールの種類: 高度なツールを使う場合は、コストも増えることがあります。 追加オプション: 詳細な報告書や対策案の提供などのオプションが含まれる場合は、追加料金が発生することがあります。 オンサイト診断とは?システム内部まで徹底調査 次に、オンサイト診断の詳細な方法や特徴、メリット・デメリットについて見ていきましょう。 オンサイト診断の実施方法と特徴 オンサイト診断は、診断員が実際に現地に赴き、システムやネットワーク機器を直接検査する方法です。リモート診断では検出が難しい内部の脆弱性や設定ミスを発見できるのが大きな強みです。診断員による詳細な分析と顧客環境に合わせたカスタマイズが可能です。 オンサイト診断の3つのメリットと強み オンサイト診断の3つのメリット 詳細な調査が可能 カスタマイズ診断 精度の高さ オンサイト診断のメリットの一つは、その調査精度の高さです。リモート診断では内部ネットワークや専用システムの脆弱性も詳細に調査できます。特に重要なデータや複雑なシステムを運用する企業にとって大きなメリットです。 例えば、オンサイト診断では、物理的な構成やデバイス間の通信状況を直接確認できるため、セキュリティ上の弱点を網羅的に特定できます。また、業界特有の要件に応じて診断内容を柔軟に調整できる点も、企業ごとのニーズに対応できる理由の一つです。 オンサイト診断のデメリットと注意点 オンサイト診断のデメリット 費用が高い 診断に時間がかかる 診断する人の訪問が必要 一方で、オンサイト診断にはいくつかの制約があります。その中でも大きいのは、コスト面です。リモート診断と比較して、リモート診断に比べ、技術者の訪問に伴う交通費や宿泊費、人件費がかかるため、全体の費用が高くなる傾向があります。 また、診断を実施するためには、スケジュール調整や現地作業が必要となり、診断に時間がかかることがあります。さらに、多拠点にわたるシステムを診断する場合には、各拠点ごとに技術者の訪問が必要となり、コストや時間がさらに増加する可能性があります。 オンサイト診断の費用とその目安 オンサイト診断の費用は、診断対象範囲やシステムの複雑さ、診断期間によって異なりますが、一般的には30万円から100万円程度が相場です。規模が大きい場合や特殊な診断が必要な場合はさらに高額になることもあります。 リモート診断とオンサイト診断の比較:コスト重視か精度重視か ここまで見てきたように、リモート診断とオンサイト診断にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自社の目的や状況に応じて選ぶことが重要です。ここでは、両者を具体的に比較し、選択時のポイントを解説します。 リモート診断とオンサイト診断の違いを一覧で比較 まず、リモート診断とオンサイト診断の違いを整理してみましょう。 ポイントとしては、以下の5つです。 予算: 費用対効果を考慮し、予算内で実施できる診断方法を選ぶ。 システムの重要度: 重要度の高いシステムは、より精度の高いオンサイト診断を検討する。 診断対象: Webアプリケーション、プラットフォームなど、診断対象によって適切な方法が異なります。 セキュリティ要件: 必要なセキュリティレベルに応じて、診断方法を選ぶ。 診断のスピード: 迅速な診断が必要な場合は、リモート診断が適しています。 以下の表は、このポイントに基づいた両者の比較を示しています。 比較項目 リモート診断 オンサイト診断 診断範囲 外部からアクセス可能なシステムに限定 内部ネットワークや物理デバイスも含む 実施場所 インターネット経由で遠隔から実施 現地で直接診断 コスト 低い 高い 時間 短い(数時間~数日) 長い(1日~1週間) 精度 自動診断に依存し、比較的限定的 手動診断を併用し、高精度 適用シーン 初期診断やコスト重視の場面に最適 詳細調査や重要システムの診断に最適 この比較から、リモート診断はコストと手軽さを重視する場合に有効である一方、オンサイト診断は精度や詳細調査を求める場面で最適であることがわかります。 リモート診断が向いているケース リモート診断は、その手軽さと低コストで多く利用されています。たとえば、初期段階でセキュリティのリスクをチェックしたい場合や、外部に公開しているシステムやWebアプリを対象にする場合に向いています。また、場所に関係なく診断できるので、複数の拠点にあるシステムを一度に診断したいときにも便利です。 小規模なWebサイトの診断 予算を抑えたい場合 迅速な診断結果が必要な場合 定期的なセキュリティチェック オンサイト診断が向いているケース 一方で、オンサイト診断は、社内のネットワークや機密性の高いシステムを調べる際に強みを発揮します。 たとえば、金融機関や医療機関など、極めて重要なデータを扱う業界では、セキュリティを十分に確保する必要があるため、正確な診断が求められます。また、業界の規則や法律に適合させるために、システム全体を詳しく調査することが求められる場合もあります。 大規模で複雑なシステムの診断 機密性の高い情報を扱うシステムの診断 リモート診断で見つけられなかった脆弱性の再調査 専門家による詳しいコンサルティングが必要な場合 どちらが適しているか迷っている場合は専門家にご相談を! リモート診断とオンサイト診断の違いを解説し、それぞれの強みや選び方を具体的に紹介しました。 リモート診断は手軽で低コスト、初期段階のリスク把握に最適です。一方で、オンサイト診断は精度が高く、内部ネットワークや重要システムの詳細調査が可能です。どちらも状況に応じた活用が重要であり、目的やシステムの規模を考慮することで、効率的にセキュリティ対策を進められます。 弊社アイ・エフ・ティでは、お客様のニーズに合わせた最適な脆弱性診断サービスを提供しており、専門スタッフが丁寧にヒアリングを行い、最適なプランをご提案します。 リモート診断とオンサイト診断のどちらが適しているか迷っている場合も、安心してご相談いただけますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください!

【無料あり】脆弱性自動診断ツールおすすめ15選!選び方から特徴までを解説 | 脆弱性診断とは

【無料あり】脆弱性自動診断ツールおすすめ15選!選び方から特徴までを解説

外部からの不正アクセスや脆弱性を見逃さないための「脆弱性診断ツール」の導入は、企業のリスクマネジメントにおいて欠かせません。 脆弱性診断ツールにはさまざまな種類があり、商用の高機能ツールからオープンソースの無料ツールまで幅広く存在します。それぞれのツールには異なる特徴があり、自社に最適なツールを選ぶためには、それらの違いをしっかりと理解する必要があります。 本記事では、脆弱性診断ツールの基本的な役割や種類、そして無料・有料ツールの比較や選び方を詳しく解説します。最適なツール選びの参考としていただければと思います。 脆弱性診断ツールとは? 脆弱性診断ツールは、企業のITシステムやネットワークに潜む脆弱性を検出し、サイバー攻撃による被害を未然に防ぐための重要なセキュリティ対策です。システム内部で発生する不具合や、開発段階で見逃されがちなセキュリティホールを自動で発見し、適切な対策を取るためのサポートをします。 多くの企業では、自社内でのセキュリティ対策を行っていますが、内部リソースのみで完全な診断を行うには限界があります。内部の視点に加え、外部からの専門的な視点がなければ、新たな脅威や複雑化する攻撃手法に対処しきれない場合もあります。 そのため、脆弱性診断ツールを活用し、最新の攻撃手法に対応した強固なセキュリティ対策を行うことが求められています。 脆弱性診断ツールの種類と特徴 脆弱性診断ツールには、目的や導入方法に応じてさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、手動診断と自動診断、およびクラウド型とオンプレミス型という二つの視点から、各ツールの特徴を解説します。 手動診断と自動診断の違いと選び方 手動診断 セキュリティ専門家が手作業で診断を行う方法です。手動診断は、自動ツールでは発見が難しい高度な脆弱性や、特定のシステムに依存する脆弱性を検出するのに適しています。 しかし、診断には高い専門知識が必要で、時間とコストがかかるのがネックです。 自動診断 一方で、自動診断ツールはシステム全体をスキャンし、幅広い範囲で脆弱性を速やかに発見します。設定や運用も比較的容易であり、企業のリソースを節約できるのが利点です。 ただし、既知のパターンに基づいて診断するため、複雑な脆弱性や新手の攻撃手法を見逃すことがあるのが弱点です。 クラウド型とオンプレミス型の違いと選び方 クラウド型 クラウド型の診断ツールは、インターネットを介して診断を実行します。導入の手間が少なく、初期費用を抑えられる点が特徴です。また、診断結果やアップデートが自動で行われるため、常に最新のセキュリティ情報に基づいた対策が可能です。 特に、小規模な企業や導入コストを抑えたい企業に向いています。 オンプレミス型 オンプレミス型のツールは、自社サーバーに直接インストールして利用する形式です。クラウドへの情報漏洩リスクがなく、カスタマイズが可能な点が魅力です。 特に、情報の秘匿性が重視される業界ではオンプレミス型が選ばれることが多いですが、運用管理のコストが高くなりがちな点に注意が必要です。 脆弱性診断ツールの無料版・有料版の違いと比較 脆弱性診断ツールには無料版と有料版があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、無料ツールと有料ツールの違いについて解説します。 以下の表で、無料版と有料版の主な違いを比較します。 特徴 無料版 有料版 コスト 無料 月額料金または年間料金が発生 診断精度 基本的な脆弱性に対応 より高度で広範囲な脆弱性をカバー サポート体制 基本的にサポートはなし(またはコミュニティ頼り) 公式サポートチームによる対応 レポート機能 限定的 詳細なレポート機能やカスタマイズ可能なレポート 更新頻度 コミュニティによる不定期な更新 定期的なアップデートで最新の脅威に対応 ツールの連携 限られた連携機能 他のセキュリティツールとスムーズに連携可能 無料ツールの特徴 無料で利用できるツールは、予算が限られている企業や、初めて脆弱性診断に取り組む企業に向いています。 無料ツールの中には、オープンソースの脆弱性診断ツール(例:OWASP ZAPやNmap)もあり、これらは世界中のユーザーコミュニティからのサポートや開発が続けられています。無料ツールの利点は、コストを抑えつつ基本的な脆弱性診断ができる点ですが、サポート体制が十分でないことや、検出できる範囲が限定されることもあります。 有料ツールの特徴 有料ツールは、無料版にはない機能を備えていることが多く、特に高精度な診断や迅速なサポートが必要な企業に適しています。 たとえば、サイバー攻撃のリスクが高い業界では、有料ツールが提供する詳細なレポートやカスタマーサポートが大きな助けとなります。また、定期的なアップデートや高度な診断機能が追加されているため、セキュリティ対策の強化に役立ちます。 無料版と有料版のどちらを選ぶかは、組織の規模、セキュリティニーズ、予算、技術力などを考慮して判断する必要があります。大規模な組織や高度なセキュリティが求められる場合は、初めから有料版の導入を検討するのが望ましいでしょう。 脆弱性診断ツールを比較する際の選び方   脆弱性診断ツールを選ぶ際には、具体的な基準を設けることが重要です。具体的には以下の点を考慮する必要があります。 診断項目の精度は十分か? 予算に見合ったコストパフォーマンスはあるか? サポート体制の充実度はどうか? 業務規模や将来的な拡張性に対応できるか? 他のセキュリティツールとスムーズに連携できるか? ツール導入と業者依頼、どちらが適しているか? 上記のポイントを意識しながら、「診断要件」「運用要件」「予算やセキュリティ要件」といった視点から、自社に必要な機能を備えたツールを選ぶことが重要です。 より詳細な選定基準や、具体的な判断軸について知りたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。 おすすめ脆弱性診断ツール15選(無料あり) ここでは、特に信頼性や利便性の高い有料・無料ツールをいくつかご紹介します。自社の環境やニーズに合ったツール選定の参考にしてください。 無料ツールのおすすめ Cloudbric 脆弱性診断 Cloudbricは、エキスパートによる脆弱性診断と独自の脅威インテリジェンスを組み合わせた無料の診断ツールです。 Webサイト、アプリケーション、プラットフォーム全般を対象とし、広範な脆弱性を効率よく発見できます。独自の脅威データを活用するため、他の一般的な無料ツールよりも診断精度が高く、迅速な対応が求められる中小企業から大企業まで幅広い企業に対応可能です。 特に、日本市場に適したサポートやドキュメントが整っている点も強みです。 項目 内容 診断対象 Webサイト、アプリケーション、プラットフォーム 連携 他のセキュリティツールと連携可能 向いている企業規模 小規模から大企業まで幅広く対応 コスト 無料、基本診断機能を備える Cloudbric 脆弱性診断公式サイト OpenVAS OpenVASは、オープンソースで提供される強力な脆弱性スキャナーで、複数のプロトコルに対応し、幅広いネットワークの脆弱性を網羅的に診断できます。 企業のニーズに合わせたカスタマイズも可能で、柔軟な運用が可能です。オープンソースコミュニティによるサポートも充実しており、特に予算を抑えながらも本格的な診断を希望する企業やセキュリティ専門家に適しています。 ただし、設定や操作には一定の技術的知識が求められるため、経験のあるエンジニアがいる環境での利用が推奨されます。 項目 内容 診断対象 ネットワーク全体 カスタマイズ プラグインベースで柔軟にカスタマイズ可能 向いている企業規模 小規模から大企業まで コスト 無料 OpenVAS公式サイト Nikto Niktoは、Webサーバーの脆弱性を迅速に検出するシンプルなスキャナーです。約6,700種類以上の脆弱性パターンを含む大規模なデータベースを使用しており、特定の危険なファイルやセキュリティ設定の不備を効率的に検出します。 特に、開発環境やセキュリティ専門家が手動でのサーバーチェックを行いたい場合に効果的です。 しかし、検出範囲がWebサーバーに限定されるため、総合的なセキュリティ診断を希望する企業は、他のツールとの併用を検討するとよいでしょう。 項目 内容 診断対象 Webサーバー 特徴 シンプルなインターフェースでスキャン 向いている企業規模 小規模から中規模企業 コスト 無料 Nikto公式サイト OWASP ZAP OWASP ZAPは、Webアプリケーションの脆弱性診断に特化したオープンソースのスキャナーで、初心者から専門家まで広く利用されています。 自動スキャンと手動テストの両方の機能を備えており、開発者が脆弱性を発見・修正する際のテストツールとしても活用できます。 豊富なプラグインと拡張機能があり、企業ごとの要件に合わせてカスタマイズできるため、さまざまな企業にフィットします。日本語での情報が充実していることから、日本の企業にも導入しやすいツールです。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 使いやすさ 初心者にも扱いやすいシンプルなUI 向いている企業規模 小規模から大企業まで コスト 無料 OWASP ZAP公式サイト 有料ツールのおすすめ GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービス GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービスは、国内トップクラスのホワイトハッカーが担当する高精度な診断が特徴です。 Webアプリケーションやスマートフォンアプリ向けの診断に対応しており、特にWebサイトやアプリのセキュリティ強化に力を入れたい企業に適しています。 国内企業ならではの迅速なサポートが受けられる点も魅力です。診断結果は詳細なレポートとして提供されるため、非専門家でも現状を理解しやすく、迅速に対応策をとることが可能です。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション、スマホアプリ 特徴 高精度な診断と国内のホワイトハッカーによるサポート 向いている企業規模 中小企業から大企業まで コスト 有料 GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービス公式サイト VAddy VAddyは、開発プロセスの中で脆弱性診断を自動化するWebアプリケーションスキャナーです。CI/CDプロセスへの統合が可能で、開発者が手動で診断を行う手間を省きながら、セキュリティを強化できます。 特にDevOpsを実践している企業にとって、効率的にセキュリティテストを行うための優れたツールです。また、開発者向けに設計されており、直感的な操作で利用できるため、導入から運用までスムーズに進められます。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 自動化・CI/CD連携に特化 向いている企業規模 DevOps実践企業、小規模から大企業まで コスト 有料 VAddy公式サイト SIDfm SIDfmは、脆弱性情報の収集・管理・優先順位付けを自動化し、日本語での詳細な解説とパッチ情報を提供する有料ツールです。 特に、日本市場に適したインターフェースで、日本の企業が安心して利用できるようサポートされています。 常に最新の脆弱性情報を基に診断を行い、企業のリスク管理をサポートする点で、高リスク業界において強力なツールとなるでしょう。 項目 内容 診断対象 システム全体の脆弱性 特徴 日本語の詳細な解説とパッチ情報 向いている企業規模 小規模から大企業まで コスト 有料 SIDfm公式サイト 無料版と有料版の両方があるツール Vex VexはWebアプリケーション向けに設計された脆弱性診断ツールで、豊富な診断実績と進化を続ける機能が特徴です。 無料トライアル版と有料版が用意されており、無料版でも基本的な脆弱性診断が可能ですが、有料版ではさらに広範囲で詳細な診断が可能です。特に、Webアプリのセキュリティ強化に注力する中小企業から大企業まで、幅広く利用されています。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 無料トライアル/有料版の両方あり、幅広い診断項目 向いている企業規模 中小企業から大企業まで コスト 無料トライアル・有料 Vexによる診断サービス クイックWebアプリ脆弱性診断 AeyeScan AeyeScanはAIとRPA技術を活用したSaaS型のWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。非エンジニアでも簡単に操作でき、使いやすいインターフェースが特徴です。 自動化された診断機能により、企業の負担を軽減しながらセキュリティ対策を強化します。中堅企業から大企業まで、さまざまな業界で導入されており、スケーラブルなセキュリティ対策を提供します。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 SaaS型の利便性と高度なAI活用 向いている企業規模 中堅企業から大企業 コスト 無料トライアル・有料 AeyeScan公式サイト WEBセキュリティ診断くん WEBセキュリティ診断くんは、簡単な登録を行うだけで利用できる脆弱性診断ツールで、特に中小規模の企業や初心者向けに設計されています。 診断結果が分かりやすく表示されるため、専門的な知識がなくても脆弱性のリスクを把握し、対策を考えることが可能です。 無料トライアル版と有料版があります。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 専門知識なしでも利用可能 向いている企業規模 小規模から中規模企業 コスト 無料トライアル・有料 WEBセキュリティ診断くん公式サイト Nessus Nessusは、幅広いプラグインデータベースを活用し、システム全体の脆弱性評価を自動化するツールです。ネットワークやホスト全体をカバーし、特に規模が大きい企業に適しています。 また、専門的なセキュリティ設定をサポートするため、カスタマイズ性が高く、セキュリティチームの一員として活躍します。無料版と有料版があり、無料版では基本機能を試すことが可能です。 項目 内容 診断対象 ネットワーク、システム全体 特徴 自動化された広範囲な脆弱性評価 向いている企業規模 中小企業、特に50-200人規模の企業 コスト 無料・有料 Nessus公式サイト Burp Suite Burp Suiteは、Webアプリケーションの脆弱性診断に特化した統合プラットフォームで、手動と自動のテスト機能を提供しています。 特に、開発チームやセキュリティ専門家がリスクの高い脆弱性を見つける際に便利で、プラグインやAPI連携を活用して柔軟にカスタマイズできます。 無料版と有料版があり、無料版は基本的な診断機能を提供しますが、有料版では高度な診断機能が利用可能です。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 手動・自動診断の両方に対応 向いている企業規模 小規模チームから大企業まで コスト 無料・有料 Burp Suite公式サイト ImmuniWeb ImmuniWebは、AIと人間のテストを組み合わせた総合的なアプリケーションセキュリティテストプラットフォームです。Webアプリケーション、API、モバイルアプリの診断に対応し、特に金融や医療など高リスク業界に適しています。 AIによる迅速な診断と、人間のテストによる精度の高い分析が特徴で、無料トライアル版と有料版があります。有料版では詳細なレポートや迅速なサポートが付与されます。 項目 内容 診断対象 アプリケーション全般 特徴 AIテストと人間によるチェックを組み合わせた精度の高い診断 向いている企業規模 中堅企業から大企業、特に規制産業 コスト 無料トライアル・有料 ImmuniWeb公式サイト Securify Securifyは、攻撃者の視点でリスク評価を行うアセット管理(ASM)と脆弱性評価を統合したプラットフォームです。スタートアップや中小企業が、コストを抑えながら包括的な脆弱性管理を行えるよう設計されています。 SaaS型のため、導入が簡単で、利用者のニーズに合わせたスケーラビリティを持っています。無料版と有料版があり、無料版では基本的なリスク評価と脆弱性管理が可能です。 項目 内容 診断対象 システム全体のリスク評価 特徴 攻撃者視点の診断でリスク評価を実施 向いている企業規模 小規模から中規模企業、スタートアップ コスト 無料・有料 Securify公式サイト 診断ツールに迷ったら専門業者に相談してみよう 今回の記事では、脆弱性診断ツールの種類や無料版と有料版の違い、選定基準から、おすすめのツール紹介について詳しく解説しました。 無料ツールはコストを抑えつつ基本的な診断が可能ですが、有料ツールは高度な診断精度とサポートが付帯し、企業の規模やセキュリティ要求に応じて使い分けることが推奨されます。 高リスク業界や専門知識が不足している場合は、専門業者への依頼も検討すべきでしょう。 アイ・エフ・ティの脆弱性診断サービスは、お客様のセキュリティニーズに応える高品質なサービスを提供しています。 業界シェアNo.1の診断ツール「Vex」の使用、初回診断から3カ月以内の無料再診断、そして手厚いアフターサポートにより、特に初めて脆弱性診断を受ける企業や専門知識を持つ担当者がいない企業に最適なソリューションを提供しています。 お客様のセキュリティ課題解決に向けて、ぜひアイ・エフ・ティの脆弱性診断サービスについて、お気軽にご相談ください。  

カラーミーでチェックすべき4つの脆弱性 | 診断の適正費用とあわせてプロが解説 | プラットフォーム別対策

カラーミーでチェックすべき4つの脆弱性 | 診断の適正費用とあわせてプロが解説

2024年度末に、ECサイトの脆弱性診断が義務化されることが決まりました。それだけ、ECサイトのセキュリティリスクが問題になっているということです。 特に、中小企業や個人事業主の方に人気のあるカラーミーショップは、使いやすく手軽な反面、セキュリティ面での心配もあります。 「自分のショップは大丈夫だろうか」「セキュリティ対策って難しそう…」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。 カラーミーショップでは独自のセキュリティ対策が行われていますが、各ショップの運営方法や使用しているアプリは違います。そのため、運営者自身が脆弱性診断を行うことがとても大事です。 大手ECプラットフォームと比べて、カラーミーショップは中小規模のビジネスに特化しているからこそ、運営者の皆さんにとって実践的な対策が求められます。 この記事では、カラーミーショップに特化した脆弱性診断のポイントや費用について詳しく解説します。 あなたのショップを守り、お客様が安心して買い物を楽しめるように、ぜひ最後まで読んでみてください。   「脆弱性診断の義務化」に関しては、別の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください! カラーミーショップの脆弱性診断の費用相場は? 費用相場は「数十万円から100万円以上」 カラーミーショップを利用する事業者にとって、脆弱性診断の費用は一番気になるところだと思います。 一般的には、ECサイトの脆弱性診断の費用は数十万円から100万円以上と幅があります。 診断の内容や範囲によって費用が変わるためです。 当社(IFT)が提供する脆弱性診断サービスでは、お客様のニーズに合わせて柔軟な料金設定をしています。具体的には以下のようなプランと価格でご案内しております。 診断プラン 内容 価格 クイック診断 基本的な脆弱性をチェックする専用ツールによる自動診断プラン 20万円~(20リクエスト分を含む料金) 例: 30万円(30リクエスト) 59.5万円(60リクエスト) ハイブリッド診断 自動診断と手動診断を組み合わせた総合的なプラン 20万円~(10リクエスト分を含む料金) 例: 92万円(50リクエスト) 193万円(110リクエスト) 診断項目や料金などの詳細は、当社ウェブサイトのクイック診断とハイブリッド診断のページでご確認いただけます。 費用を決める要因は? カラーミーショップの特徴を考えると、以下のような要因が費用に影響します。 サードパーティアプリの利用状況 カスタマイズの程度 取り扱う顧客データの量と種類 決済システムの複雑さ これらの要素によって、標準的な診断の範囲を超える場合は追加の費用がかかることがあります。 カラーミーショップのセキュリティ対策の特長は? カラーミーショップは、中小規模のECサイト向けに広く使われているサービスです。そのため、一般的なECプラットフォームとは異なる独自のセキュリティ対策が施されています。 ① 不正アクセスの防止とデータの暗号化 カラーミーショップでは、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)を導入して外部からの不正アクセスを防いでいます。WAFは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの一般的な攻撃から守ってくれます。 また、TLS通信によるデータの暗号化で、顧客データの盗聴や改ざんを防止しています。これは、オーナーとお客様の両方にとって重要な対策です。 ② 自動バックアップとセキュリティパッチ適用 カラーミーショップは定期的なバックアップを行い、システムに必要なセキュリティパッチを随時適用しています。これにより、サイトを安全に運営でき、セキュリティ面での不安も軽減されます。 ③ セキュリティトレーニング カラーミーショップを運営するGMOペパボ株式会社では、定期的にセキュリティ研修を行っています。開発スタッフもセキュアコーディングのトレーニングを受けており、オーナーが安心して使えるシステムを提供しています。 ④ 脆弱性診断の定期実施 カラーミーショップでは、毎年1回以上の脆弱性診断を第三者に依頼しています。診断は実際のサービスに影響を与えないよう、専用の環境で行われています。 ⑤ クレジットカード情報の保護 クレジットカード決済情報はシステムを通過しない設計になっており、カード情報の漏えいリスクを大幅に減らしています。これにより、PCI DSSなどの厳しい基準にも対応しています。 これらの対策によって、カラーミーショップは中小規模のECサイトに特化した強固なセキュリティ体制を整えています。とはいえ、各ショップでの脆弱性診断は引き続き必要です。 そこで、次のセクションでは、個別で行う脆弱性診断のポイントを解説していきます。 個別に行うべき脆弱性診断「4つ」のポイント カラーミーショップでは独自のセキュリティ対策が行われていますが、ショップごとに運営状況や使っているアプリが違うため、オーナー自身が脆弱性診断を行うことが欠かせません。 以下に、カラーミーショップに特化した4つの重要な診断ポイントを紹介します。 ① サードパーティアプリの利用リスク カラーミーでは外部アプリやプラグインとの連携が一般的です。しかし、これらのアプリが十分なセキュリティ対策をしていないと、脆弱性が発生する可能性があります。特にAPIや外部サービスとの連携部分は要チェックです。 確認するポイント アプリが最新バージョンかどうか 不要なアプリの削除 アプリの権限設定の見直し APIキーの定期的な更新 ② 決済機能のセキュリティリスク カラーミーではクレジットカード情報がシステムを通過しないようになっていますが、決済システムとの連携部分は攻撃対象になりやすい部分です。TLS通信の設定が正しく行われているか確認しましょう。 確認するポイント SSL/TLS証明書の有効期限 PCI DSSの遵守状況 決済ページのセキュリティ設定 不正取引検知システムの導入状況 ③ テーマやテンプレートの脆弱性 カラーミーでは、サイトデザインをカスタマイズするためにテーマやテンプレートを使いますが、これらに脆弱性があるとサイト全体が危険にさらされます。テーマがセキュアに作られているかどうか確認しましょう。 確認するポイント コードにおける入力値のチェック データベースへのアクセス方法の安全性 ファイルアップロードのセキュリティ設定 コンテンツセキュリティポリシーの設定 ④ 内部監査やログの監視 カラーミーは不正アクセスの監視を行っていますが、オーナーもログを監視して異常がないか確認することが大切です。早めに異常を見つけることで、被害を防げます。 確認するポイント 異常な数のログイン試行がないか 短時間での大量アクセス 通常とは異なるIPアドレスからのアクセス 管理画面への不審なアクセス試行 これらのポイントを定期的にチェックすることで、ショップのセキュリティをさらに強化できます。 カラーミーの脆弱性診断の適正価格を見極めるには? 脆弱性診断の価値を判断するうえで、まず確認すべきは診断の「対応範囲」です。先ほどの繰り返しにはなりますが、カラーミーショップの特性を考えると以下の項目が含まれているかが重要です。 サードパーティアプリの連携部分 決済システムとの接続 カスタムテーマやテンプレートの脆弱性チェック カラーミーショップは中小規模のECサイト向けプラットフォームであり、これらの要素が特に重要となります。 その他、サービスを比較検討する際には以下の点にも気を付けましょう。 サポート体制の充実度 診断方法の適切性 診断後のフォローアップ サービス提供者の専門性と実績 報告書の詳細さと分かりやすさ 再診断オプションの有無 適正価格でのサービスの選び方について、詳しくは別記事で解説予定です。 IFTはシステムと人でセキュリティをサポート カラーミーショップの脆弱性診断でお困りのオーナー様に、IFTは次のようなサポートを提供します。 他社との違いや診断内容がわからない 診断後の対応に不安がある 初めての脆弱性診断で何をすればいいかわからない これらの課題に対して、IFTは以下のソリューションを用意しています。 IFTができること ECサイト・カラーミーショップに特化した診断 サードパーティアプリや決済システム、テーマやテンプレートの脆弱性に特化した診断項目を設定。 ECサイト運営者向けのわかりやすい報告と手厚いフォローアップ 非技術者向けの説明会を実施し、具体的な対策方法や優先順位を提案します。 無料再診断サービス 対策後の効果確認や新たな脆弱性のチェックを行い、継続的にサポートします。 経営層への報告支援 リスクの詳細や優先順位について説明し、経営層への報告資料の作成をサポートします。 IFTの脆弱性診断サービスは、単なる技術的な診断にとどまりません。システムの脆弱性と、人のセキュリティ意識の両方からサポートします。 初めての診断でも安心して利用できる、きめ細かなサポートを提供します。詳しくは「IFTが選ばれる理由」をご覧ください。 まとめ:脆弱性診断の義務化に向けてカラーミーの脆弱性対策を! カラーミーショップを利用する事業者にとって、脆弱性診断は大事な投資です。この記事では、カラーミー特有の脆弱性診断項目や費用の相場、適切な診断サービスを選ぶポイントについて解説しました。2024年末の脆弱性診断の義務化を前に、自社にとって最適な診断サービスを一刻も早く検討しなくてはいけません。 IFTの脆弱性診断サービスは、費用や診断の内容についての不安を解消し、カラーミーショップ運営者に最適なサポートを提供します。業界シェアNo.1の診断ツール「Vex」の使用、無料再診断サービス、詳細な報告会など、充実したサポート体制で、初めての方でも安心して利用できます。 >>>弊社の脆弱性診断サービス 安全なEC運営とお客様の信頼を獲得するために、まずは一度、IFTにお気軽にご相談ください。    

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