2024.12.02
投稿日:2024.07.29 最終更新日:2024.09.06
業務が“完全停止”⁉️復旧では済まないサイバー攻撃(DDoS攻撃)の被害事例を解説
目次
DDoS攻撃とは何か
DDoS攻撃とは、複数の攻撃元から標的となるサーバーやネットワークに大量のトラフィックを送り込み、システムを過負荷状態にさせるサイバー攻撃の一種です。
これにより、正常なユーザーがサービスにアクセスできなくなったり、システムがダウンしたりする可能性があります。DDoS攻撃は、ボットネットと呼ばれる多数の感染したコンピューターを利用して行われることが多く、攻撃の規模や複雑さは年々増大しています。
近年は「中小企業」も標的に
中小企業がDDoS攻撃の標的になる理由はいくつか考えられます。
まず、大企業に比べてセキュリティ対策が十分でない場合が多いことが挙げられます。限られた予算や専門知識の不足により、最新のセキュリティ対策を導入できていないケースが少なくありません。
また、中小企業は大企業のサプライチェーンの一部を担っていることが多く、攻撃者にとっては大企業への侵入口として魅力的なターゲットとなります。さらに、中小企業は攻撃の影響を受けやすく、比較的少ない労力で大きな混乱を引き起こせるため、攻撃者にとって効率的な標的となっています。
攻撃対象の約「7割」が“中小企業”という結果に…
日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の調査によると、情報セキュリティインシデントの約7割が中小企業で発生しているとされています。
特に、従業員数100人以下の企業での発生率が高く、全体の約40%を占めているのです。
DDoS攻撃による具体的な影響
DDoS攻撃を受けた場合、企業は様々な面で深刻な影響を受ける可能性があります。
まず、オンラインサービスやウェブサイトが利用できなくなることで、直接的な売上損失が発生します。特にeコマース企業や、オンラインサービスを主軸とする企業にとっては致命的なダメージとなりかねません。
また、顧客満足度の低下や信頼の喪失といった長期的な影響も懸念されます。セキュリティ対策の強化や、システムの復旧にかかる追加コストも無視できません。さらに、個人情報や機密データが漏洩するリスクも高まり、法的責任や罰金のリスクも増大します。
最悪のシナリオ:業務完全停止(サービス中断)の可能性も
サービス提供不能の状況
DDoS攻撃が深刻化すると、企業の全てのオンラインサービスが完全に停止する可能性があります。
これは単にウェブサイトがアクセス不能になるだけでなく、社内ネットワークやクラウドベースのアプリケーション、メールシステムなど、あらゆるインターネット接続サービスが影響を受ける可能性があります。
この状況下では、顧客対応、受注処理、在庫管理など、ほぼ全ての業務プロセスが麻痺し、企業活動が完全に停止してしまう恐れがあります。
復旧にかかる時間と費用
またDDoS攻撃からの復旧には、相当な時間と費用がかかる可能性があります。
攻撃の規模や複雑さによっては、システムの完全な復旧に数日から数週間を要することもあります。この間、IT部門は攻撃の分析、セキュリティの強化、システムの再構築などに追われることになります。
また、外部のセキュリティ専門家やコンサルタントの助けを借りる必要が生じる場合も多く、これらに伴う費用は企業にとって大きな負担となります。さらに、長期間のサービス停止による機会損失や、信頼回復のための広報活動など、間接的なコストも考慮する必要があります。
実際に「サービス中断」に陥った被害例
DDoS攻撃の被害は、大企業だけでなく中小企業にも及んでいます。
例えば、ある地方の中小製造業者が、取引先との重要な商談の直前にDDoS攻撃を受け、メールシステムとウェブサイトが数日間にわたって機能不全に陥った事例があります。
この攻撃により、重要な商談の機会を逃すだけでなく、既存顧客からの問い合わせにも対応できず、信頼を大きく損なう結果となりました。
また、別のケースでは、小規模なオンラインショップが攻撃を受け、クリスマス商戦期間中に数日間サイトがダウンし、数百万円の売上損失を被った例もあります。
これらの事例は、中小企業がDDoS攻撃に対して脆弱であり、その影響が企業の存続にも関わる重大な問題となり得ることを示しています。
今から実践できる「サイバー攻撃対策」とは?
①:技術的対策:暗号化、アクセス制御、モニタリング
技術的対策として、データの暗号化、適切なアクセス制御、ネットワークモニタリングが重要です。暗号化により、万が一データが流出しても解読を困難にできます。アクセス制御では、必要最小限の権限のみを付与する原則を徹底します。また、ネットワークの異常を早期に発見するためのモニタリングシステムの導入も効果的です。
②:組織的対策:従業員教育、セキュリティポリシーの策定
組織的対策として、定期的な従業員教育とセキュリティポリシーの策定・周知が重要です。従業員教育では、情報セキュリティの基本や最新の脅威について学ぶ機会を設けます。セキュリティポリシーでは、情報の取り扱い規則や事故発生時の対応手順を明確に定め、全従業員に周知徹底します。
③:外部専門家の活用:脆弱性診断、セキュリティ監査
中小企業では、セキュリティの専門知識を持つ人材が不足していることが多いため、外部の専門家を活用することが効果的です。定期的な脆弱性診断やセキュリティ監査を実施することで、自社のセキュリティ状況を客観的に評価し、必要な対策を講じることができます。
まとめ:脆弱性対策は投資であり、企業の責任
本記事でも紹介した通り、中小企業であっても、サイバーセキュリティ対策は避けて通れません。まずは自社の現状を正確に把握し、適切な対策を講じることが、ビジネスを守る第一歩となります。
当社でもプロの診断員の目と技術と、各種セキュリティガイドライン規格で診断しますので、
- 万一のために、潜在的なリスクも見逃したくない
- 第三者による的確なセキュリティ評価が欲しい
- クレジットカードや口座番号などの機密情報を必ず守りたい
上記のようにお考えの方は、一度ご相談ください!
この記事を書いた人
みらいと
セキュリティサービス事業部 コンサルタント/プログラマーからシステム運用を経て情報セキュリティ全般の業務に従事。現在は培った情報セキュリティの経験を活かしお客様の課題に向き合った企画やマーケティングを担当。