投稿日:2024.10.31 最終更新日:2024.10.31
初めての脆弱性診断 | 会社の選び方や見極め方を伝授します
サイバー攻撃の脅威が進化する中で、企業のセキュリティ対策は避けて通れない課題です。
多くの組織が脆弱性診断の重要性を認識し始めていますが、実際に会社を選ぶとなると「どの会社に依頼すればいいのか」「正直、違いがわからない」と悩んでしまうことがよくあります。
会社(セキュリティベンダー)選びは迷うところですが、実はここがとても重要なポイントです。
信頼できる会社を選べば、潜んでいる脅威をしっかり把握し、効果的な対策ができます。一方で、不適切な会社を選んでしまうと、大事な脆弱性が見過ごされてしまったり、余計なコストがかかるリスクもあります。
それでは、どうやって適切な会社を選べばいいのでしょうか。
この記事では、信頼できる脆弱性診断会社を選ぶためのポイントや、注意しなくてはならない点、そして長く信頼できるパートナーとなるための基準について詳しくご紹介します。
目次
脆弱性診断サービス選びでチェックしたい5つのポイント
脆弱性診断の会社を選ぶ際に、ついつい金額的な部分に目がいきがちですが、注意したい点がいくつかあります。これらの注意点に気を付けないと、せっかく脆弱性診断をしたのに、結局リスクが解消されておらず、無駄になってしまったということも。
ここでは、会社選びで注意しなくてはいけない、見極めなくてはいけない点と、失敗を避けるための具体的な注意点について説明します。
①自社ニーズに合った「診断範囲」であるか
会社が提供する診断範囲が、自社のニーズに合っているかどうかを確認することが大切です。WebアプリケーションやAPI、ネットワークインフラなど、診断対象はいろいろあります。
自社のシステム構成や業務内容を踏まえて、必要な診断対象がカバーされているか、会社と相談してみましょう。
たとえば、ECサイトを運営している場合、決済システムやユーザーデータの管理部分に特に注意を払う必要があります。診断範囲が狭いと、重要な脆弱性が見落とされる可能性があるので、慎重に検討することが大事です。
②自社のセキュリティ要件に合った「診断方法」であるか
会社が採用する診断方法を確認することも必要です。一般的には、自動化されたツールを使った診断と、専門家による手動診断の組み合わせが効果的です。
自動診断は広い範囲を効率的にカバーするのに適していますが、手動診断は複雑な脆弱性や業務ロジックに関連する問題を見つけるのに向いています。
会社に具体的な診断プロセスや使用するツールについて尋ねて、その方法が自社のセキュリティ要件を満たしているか確認しましょう。特に、業界標準のツールや最新の診断技術を使っているかは、しっかりチェックしたいポイントです。
③「アフターケア」が充実しているか
診断後のフォローも重要です。脆弱性が見つかったときに、その対応策や改善の提案をどう提供してくれるのか、事前に確認しておくことが必要です。具体的には、次の点を確認しましょう。
- 詳細な報告書を出してくれるか
- 脆弱性の重要度や優先度を明確に説明してくれるか
- 具体的な改善策を提案してくれるか
- 再診断サービスがあるかどうか
優れた会社は、ただ問題点を指摘するだけでなく、その解決策についても具体的にアドバイスしてくれます。セキュリティ対策は継続的に行うことが大切なので、定期的な診断や相談の機会を設けてくれる会社を選ぶことも検討しましょう。
弊社IFTでは、発見された脆弱性に対して具体的な対策・方針のご提案や、報告会サービス、初回診断から3カ月以内の無料再診断など提供しております。
④総合的に見て「費用対効果」が高いか
コストは大事な要素ですが、最も安い会社を選ぶのは賢明ではありません。診断の質や範囲、アフターサポートなどを総合的に考えて、費用対効果の高い会社を選びましょう。
見積もりを取るときは、診断内容の詳細な内訳をもらい、追加料金が発生する可能性がないかも確認しておくことが大切です。また、長期的な視点で、継続的な診断やサポートにかかる費用も考慮しましょう。
⑤業界での「実績と信頼性」があるか
最後に、会社の実績と信頼性を確認しましょう。以下の点をチェックしてみてください。
- 業界での評判や導入実績
- セキュリティ関連の認証資格(情報処理安全確保支援士など)を持つ専門家がいるかどうか
- 最新の脅威に対する知見や研究実績があるか
信頼できる会社は、過去の実績や事例を積極的に共有してくれるはずです。また、セキュリティ業界での活動や貢献も、その会社の専門性と信頼性を示す大事な指標です。
これらの基準とチェックポイントを押さえることで、自社にぴったりの脆弱性診断会社を選ぶ確率がぐんと上がります。ただし、選定には時間と労力がかかるので、計画的に進めることが大切です。
続いて、会社選びで見落としがちな注意点とその対策についてもご紹介します。
会社選びで見極めたい6つの注意点
脆弱性診断の会社を選ぶ際に、ついつい金額的な部分に目がいきがちですが、注意したい点がいくつかあります。
これらの注意点に気を付けないと、せっかく脆弱性診断をしたのに、結局リスクが解消されておらず、無駄になってしまったということも。
ここでは、会社選びで注意しなくてはいけない、見極めなくてはいけない点と、失敗を避けるための具体的な注意点について説明します。
①「安さ」だけで選ばない
最も安い会社を選ぶことは、短期的にはコスト削減につながるかもしれませんが、長期的には大きなリスクを伴うことがあります。
低価格の裏には、診断の精度や対応範囲の不足が隠れていることがあるからです。
注意点
- 価格だけでなく、診断内容や使用するツール、専門家の経験などを総合的に評価する
- 長期的なコスト効果を考慮して、アフターサポートの質も重視する
たとえば、最安値の会社を選んだ結果、重要な脆弱性が見逃され、後に大規模なデータ漏洩事故を引き起こしてしまうこともあり得ます。これでは元も子もありません。価格だけでなく、他の要素もよく検討することが必要です。
②必ず複数会社から「見積もり」を取得する
一つの会社だけに頼ると、相場や各会社の特徴を把握することが難しくなります。複数の会社から見積もりを取ることで、価格やサービス内容を比較し、より適切な選択が可能になります。
注意点
- 最低でも3社以上の会社から見積もりを取る
- 各会社の提案内容を詳細に比較し、自社のニーズに最も合う会社を選ぶ
③見積書の「一式」は、追加料金の可能性も
「一式」と書かれた見積書には注意が必要です。このような曖昧な表記は、後から追加料金が発生することがあります。
注意点
- 診断項目ごとの詳細な内訳を求める
- 追加料金が発生する可能性のある項目について事前に確認する
たとえば、「脆弱性診断一式」という表記ではなく、「Webアプリケーション診断」「ネットワーク診断」「データベース診断」など、具体的な項目ごとの内訳を確認しましょう。
④「診断範囲」に漏れがないか確認する
診断の対象が曖昧だと、大事な部分が診断されないことがあります。自社のシステム構成を十分に理解し、必要な診断範囲を明確に定義することが大切です。
注意点
- 自社のシステム構成を詳細に把握し、診断が必要な範囲を明確にする
- 会社と事前に診断範囲を確認し、必要な診断がカバーされているか確認する
⑤「アフターフォロー」の質が不十分
脆弱性が見つかった後の対応も、セキュリティ対策の大事な部分です。診断後のサポート体制が不十分な会社を選んでしまうと、脆弱性対策が適切に実施されない可能性があります。これでは本末転倒です。
システムに詳しい担当者がいない企業様も多いので、アフターフォローで寄り添ってくれる会社を選びたいですね。
注意点
- 診断結果の詳細な報告書の提供有無を確認する
- 脆弱性対策のアドバイスや具体的な改善提案があるか確認する
- 再診断サービスの有無や条件を確認する
⑥「コミュニケーション」の質=「診断やサポート」の質
会社の対応の速さや正確さは、その会社の信頼性を示す大事な指標です。会社とのやり取りを通じて、コミュニケーションの質を評価することが重要です。
注意点
- 質問への回答の速さと正確さを確認する
- 技術的な質問に対する回答の的確さを評価する
- 会社の担当者の態度や熱意を観察する
たとえば、質問への回答が遅かったり、曖昧な回答しか得られない会社は、実際の診断やサポートでも同様の問題が起こる可能性が高いので避けた方がいいでしょう。
これらの注意点を押さえることで、脆弱性診断会社の選定で失敗するリスクを大幅に減らすことができます。
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アイ・エフ・ティ(IFT)では、会社・サービス選びの不安を解消し、お客様に最適なセキュリティソリューションを提供いたします。
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まとめ:自社に最適な脆弱性診断サービスを選びましょう!
本記事では、脆弱性診断サービス業者の選定における重要なポイントを解説しました。
適切な診断範囲の確認、診断方法の理解、サポート体制の評価、そして長期的なパートナーシップの重要性について詳しく説明しました。
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この記事を書いた人
みらいと
セキュリティサービス事業部 コンサルタント/プログラマーからシステム運用を経て情報セキュリティ全般の業務に従事。現在は培った情報セキュリティの経験を活かしお客様の課題に向き合った企画やマーケティングを担当。