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5分でわかる!脆弱性診断ガイドライン、どれを選ぶ?9種類の特徴を比較解説

5分でわかる!脆弱性診断ガイドライン、どれを選ぶ?9種類の特徴を比較解説 | 脆弱性診断とは

「脆弱性診断ガイドライン」は数多く存在し、どれを選べば良いのか、自社に合うものはどれか、判断に迷うことはありますよね。

この記事では、企業のWeb担当者やセキュリティ初心者の方に向けて、主要な脆弱性診断ガイドライン9種類を徹底比較します。

それぞれのガイドラインについて、「目的」「内容」「対象」を簡潔にまとめ、活用方法を分かりやすく解説。

ガイドライン利用時の注意点も解説しています。

ガイドラインの概要を把握し、自社に最適なものを選ぶための判断材料として活用いただけます。

脆弱性診断ガイドラインとは?

脆弱性診断ガイドラインは、いうなれば、Webシステムやアプリケーションに潜む弱点を見つけ出し、対策を立てるための手引きです。

政府機関や業界団体などの公的機関が作成しているので信頼性が高く、診断の手順、使うツール、弱点の評価基準などが体系的にまとめられています。

ただし、ガイドラインは、最新の攻撃手法やセキュリティ技術に対応するために、定期的に更新されるのが一般的です。

常に最新の情報を確認しながら利用することが大切です。

ガイドライン一覧(政府機関・業界別・技術基準)

まずは、今回取り上げる9種類のガイドラインを、3つの分類で一覧表にまとめました。

分類 ガイドライン名 主な対象・活用場面
政府機関 ① 政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(デジタル庁) 公的機関、金融機関、ECサイトなど、高度なセキュリティが求められるシステム
② 工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(経済産業省) 製造業の工場システム、電力・ガスなど社会インフラ
業界別 ③ 自動車産業サイバーセキュリティガイドライン(JAMA/JAPIA) 自動車メーカー、部品メーカー、コネクテッドカーや自動運転車に関連するサービス
④ ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA) ECサイトを構築・運営する事業者、カード決済など機密情報を扱うオンラインビジネス全般
⑤ 地方公共団体のための脆弱性対応ガイド(IPA) 地方公共団体、住民情報を扱う公共施設や行政システム
⑥ 制御システムのセキュリティリスク分析ガイド(IPA) 重要インフラ(電力、ガス、水道など)、工場・プラントの制御システム
技術・セキュリティ基準 ⑦ 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(IPA/JPCERTなど) ソフトウェアベンダー、Webサービス提供事業者、脆弱性情報を管理・運用する全ての企業
⑧ 安全なウェブサイトの作り方(IPA) Webアプリケーション開発者、セキュリティ担当者、Webサイト運用チーム
⑨ Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン(JNSA) 脆弱性診断を実施する企業や診断サービスを提供するベンダー、診断技術を学びたい技術者

各ガイドラインの「目的」「内容」「対象」と、活用方法については、この後詳しく見ていきましょう。

政府機関の脆弱性診断ガイドライン

① 政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(デジタル庁)

  • 目的:政府機関のシステムに脆弱性診断を取り入れ、高い水準のセキュリティを確保する
  • 内容:自動診断ツールと手動診断を組み合わせる方法、報告書の作成手順、内部統制の仕組みなどを具体的に示す
  • 対象:公的機関、金融機関、ECサイトなど、高度なセキュリティ基準が求められるシステム

    公的機関向けのガイドラインですが、自治体や大企業でも活用しやすい内容です。

    厳格な体制づくりや監査への対応を意識しているため、高い信頼性を求める企業が、自社の環境に合わせて取り入れるケースも多く見られます。

    参考:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン

    ② 工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(経済産業省)

    • 目的:製造業の工場や社会インフラのシステムをサイバー攻撃から守り、操業停止のリスクをできる限り小さくする
    • 内容:OT(Operational Technology)環境での脆弱性診断の方法、サイバー・フィジカル両面でのリスク評価のやり方を提示
    • 対象:電力・ガスなどのインフラ企業、工場システムを持つ製造業全般

      ITと制御系システムが連携する現場では、セキュリティ対策が不十分だと、生産ラインの停止や社会的な影響が出る可能性があります。

      このガイドラインは、危険を予測し、事前に対策を立てるための指針です。

      参考:工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン

      業界別脆弱性診断ガイドライン

      ③ 自動車産業サイバーセキュリティガイドライン(JAMA/JAPIA)

        • 目的:コネクテッドカー(※)や自動運転技術へのサイバー攻撃のリスクを下げる
        • 内容:車載システムや外部との通信部分の脆弱性診断、ソフトウェア更新(OTA)の安全確保、サプライチェーン全体の管理について触れる
        • 対象:自動車メーカー、部品メーカー、車載ソフトウェア開発企業

        コネクテッドカー:スマートフォンと連携したり、自動でソフトウェア更新を行う車

        最近の自動車は、インターネット接続機能や高度な電子制御が普及し、サイバー攻撃を受ける可能性も高まっています。

        このガイドラインでは、車両の一生を通じたセキュリティ対策が大切だと示しており、サプライチェーンの管理にも役立ちます。

        参考:自動車産業サイバーセキュリティガイドライン

        ④ ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA)

        • 目的:ECサイトでの不正アクセスや情報漏えいを防ぎ、安全なオンライン決済を実現する
        • 内容:Webアプリケーション脆弱性診断、クレジットカード情報の保護、運用時のセキュリティルール作りなどをカバー
        • 対象:オンラインショップ運営者全般(中小企業から大企業まで)

          クレジットカード情報や個人情報を取り扱うECサイトは、常に攻撃者に狙われやすい状態です。

          このガイドラインは、すぐに役立つ脆弱性診断の項目と運用のルールを示しており、EC事業者が最低限やるべき対策を網羅しています。

          必読のガイドラインと言えるでしょう。

          参考:ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン

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          近年のサイバー攻撃の増加により、個人情報漏洩やサービス停止といった深刻な被害が相次いでいます。こうした状況を受け、経済産業省はECサイトに対する「脆弱性診断」の義務化を推進しています。2024年度末を目標に義務化が実施される予定です。 この記事では、ECサイト運営者の皆様が抱える不安を解消し、スムーズに必要な対策を進められるよう、わかりやすく情報をまとめました。具体的には、以下のポイントを詳しく解説します。 脆弱性診断義務化の背景 義務化が必要とされる理由と、その背後にあるサイバーセキュリティの課題について解説します。 対象となるECサイトの条件 義務化が適用される範囲や具体的な対象について明確にします。 対応方法とプロセス 診断の進め方や具体的な準備、外部ツール・業者の選び方を詳しく説明します。 実施にかかるコストや期間 診断を行う際に必要な費用や時間の目安を示します。 それでは詳しく見ていきましょう。 ECサイトの脆弱性診断義務化の背景と対象サイト ECサイトのセキュリティを取り巻く環境は、大きな変化を迎えています。オンラインショッピングが普及する一方で、運営者が抱えるリスクや課題も増加しています。 こうした状況を踏まえ、経済産業省はECサイトにおける「脆弱性診断」を義務化し、より安全なオンライン環境を構築する取り組みを推進しています。 義務化の背景:サイバー攻撃が増える中で求められる対策 近年、ECサイトを狙ったサイバー攻撃が急増しています。 総務省の調査結果によると、平成28年から令和2年にかけて不正アクセス件数が急増しており、その大半が全国の中小企業で発生しています。 不正アクセスや個人情報の漏洩、クレジットカード情報の悪用といった被害は後を絶たず年々増加傾向にあり、2023年にはクレジットカード不正利用による被害総額が前年比で20%増加し、541億円に達したとの報告があります。 このような状況を受け、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、ECサイトのセキュリティ対策を強化するため、2023年3月に、「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」を策定しました。 このガイドラインは、ECサイトを構築・運用する中小企業向けに、必要なセキュリティ対策とその実践方法をまとめたものです。 出典:「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」を公開しました(経済産業省) 出典:ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA) 概要:対象サイトや施行時期は?罰則はあるの? 脆弱性診断義務化の内容と対象範囲の主な内容は以下の通りです。 対象サイト 個人情報やクレジットカード情報を取り扱うすべてのECサイトが対象となります。これは、小規模なサイトも例外ではなく、規模の大小を問わず適用されます。 施行時期 2024年度末を目標に義務化が実施される予定です。運営者はそれまでに診断体制を整える必要があります。 診断の実施方法 外部の専門機関や認定されたツールを活用して診断を行うことが強く推奨されています。また、診断は一度実施するだけでは不十分であり、定期的なチェックを継続することが重要です。 罰則 現時点では義務化に違反した場合の具体的な罰則規定は設けられていないものの、将来的には厳しい罰則が導入される可能性があります。ただし、2022年に改正された個人情報保護法では、情報漏洩が発生した場合の罰則が強化されました。この改正により、違反した企業には最大1億円の罰金が科される可能性があります。 このため、脆弱性診断を実施しないことは間接的に法的リスクを高める要因にもなります。 脆弱性診断が重要な理由 セキュリティ対策の一環として、脆弱性診断は重要な役割を果たします。これを実施せず放置することで、サイト運営者にとって大きなリスクを招く可能性があります。一方で、診断を行うことにより得られるメリットも数多く存在します。 放置することで顧客情報の漏洩や事業停止につながる 脆弱性をそのまま放置すると、ECサイトは大きなリスクにさらされます。 もっとも懸念されるのは、顧客情報やクレジットカード情報の漏洩です。不正アクセスやサイバー攻撃によって、これらの情報が外部に流出すれば、顧客の信頼を失うだけでなく、サイトの信用も大きく損なわれます。 また、情報漏洩が個人情報保護法に違反すると判断されれば、罰則が適用される可能性もあり、最悪の場合には最大1億円の罰金が科されることもあります。 さらに、脆弱性を放置することで、サイトが停止に追い込まれるリスクも高まります。サイバー攻撃によるシステム障害やデータ改ざんが発生すれば、サービスが利用できなくなり、売上の大幅な損失や復旧にかかる多額のコストが避けられません。このような事態は、短期的な影響だけでなく、長期的な事業の成長にも悪影響を及ぼします。 脆弱性診断はもはや必須要素に 現在、脆弱性診断はECサイト運営者にとって必須のセキュリティ対策となりつつあります。その背景には、業界全体で求められる基準の厳格化や、取引先からの具体的な要求があるからです。 たとえば、クレジットカード業界では「PCI DSS」というセキュリティ基準が事実上の業界標準として確立されています。この基準を満たすためには、脆弱性診断の実施が不可欠であり、多くの企業がこの対応を求められています。 さらに、大手企業や公的機関との取引では、脆弱性診断を実施していることを条件に指定されるケースが増えています。「診断を行い、その結果を証明する報告書を提出すること」が取引条件として設定されることもあり、これに応じられない場合、取引の機会を逃してしまう可能性もあります。 診断の義務化とあわせてやるべきこと 前述の通り、2024年度末までにECサイトの脆弱性診断が義務化される見込みです。ここでは、すぐに始められる重要な対策を6つご紹介します。これらの対策を実施することで、サイトの安全性を高め、お客様の信頼を得ることができるでしょう。 1. セキュリティポリシーを策定する まずは、自社のセキュリティポリシーを作ることから始めましょう。 経済産業省が公開している「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」を参考にすると良いでしょう。ポリシーができたら、全従業員にしっかり周知することが大切で、会社全体でセキュリティ意識を高めるようにしてください。 出典:『ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構』 2. 「認証システムの強化」でアカウント乗っ取りを防ぐ ユーザーアカウントを守るため、認証システムを強化しましょう。二要素認証の導入や、パスワードポリシーの見直しなどが効果的です。お客様の大切な情報を守るため、この対策は欠かせません。 3. 「データ暗号化の徹底」で情報漏洩リスクを最小限に お客様の個人情報やクレジットカード情報などの重要データは、必ず暗号化して保存しましょう。万が一の情報流出時でも、暗号化されていれば被害を最小限に抑えられます。お客様の信頼を守るため、この対策は絶対に怠らないでください。 4. 「ソフトウェアの更新」で既知の脆弱性をなくす ECサイトで使用しているソフトウェアやプラグインは、常に最新の状態に保つことが重要です。アップデートを怠ると、既知の脆弱性を攻撃されるリスクが高まります。定期的な更新作業を習慣づけましょう。   脆弱性診断の具体的な実施方法 では、具体的にどんなことをすればいいのか、ここでは、脆弱性診断の内容やコスト、ツール・業者選定について見ていきましょう。 脆弱性診断の内容 脆弱性診断を初めて行う場合、大きく分けて以下のステップで進みます。 診断対象の特定 まず、自社サイトのどの部分を診断対象とするかを明確にします。例えば、ログインページや購入フローのページ、外部連携APIなど、リスクが高い箇所を優先的に診断します。 診断ツールや外部業者の選定 次に、信頼性の高い診断ツールや専門業者を選びます。専門業者を利用する場合は、対応範囲や実績を確認することが重要です。 診断の実施 診断では、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった脆弱性がないかをチェックします。この過程で生成された診断レポートを基に、リスクを特定します。 結果に基づく対応 診断の結果、見つかった脆弱性に対しては速やかに修正を行います。これにより、攻撃リスクを未然に防ぐことが可能です。 診断の具体的な流れについて詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。 診断にかかるコストや期間 脆弱性診断を実施する際、費用や所要時間は診断範囲や診断方法によって異なります。 費用の目安としては、一般的な診断では、数十万円から数百万円程度の費用がかかることが多いです。診断範囲が広い場合や、専門業者に依頼する場合は、さらに高額になる可能性があります。 所要時間の目安としては、基本的な診断であれば、1週間から2週間程度で完了するケースが一般的です。ただし、規模の大きいサイトや複雑なシステムを対象とする場合は、さらに時間がかかることがあります。 診断ツールや外部業者の選び方 脆弱性診断を行うには、適切なツールや外部業者を選ぶことが重要です。以下のポイントを参考に選定を行いましょう。 診断ツール 自社で診断を行う場合は、使いやすさや信頼性を基準にツールを選びます。多くの企業が利用しているツールには、自動診断機能や詳細なレポート生成機能が含まれており、効率的に診断を進めることができます。 外部業者 専門業者に依頼する場合は、これまでの実績や信頼性、対応可能な診断範囲をしっかり確認してください。診断だけでなく、結果に基づく改善案を提供してくれる業者を選ぶと効果的です。 業者の選定方法については、以下の記事で解説しています。 「ツール+手動」のハイブリッド診断でECサイトを守る ECサイトにおける脆弱性診断の義務化は、単なるセキュリティ強化の一環ではなく、業界標準や法的な基準を守るための必須対策として位置づけられています。本記事では、その背景やリスク、診断を実施することの重要性について詳しく解説しました。 当社でもプロの診断員の目と技術と、各種セキュリティガイドライン規格で診断しています。 中でも、ハイブリッドWebアプリケーション脆弱性診断は、自動診断ツールと診断員による手動診断を組み合わせることで、クイックWebアプリケーション診断では確認のできない診断項目も対象に網羅的で確実性の高い脆弱性診断サービスです。 「ツール診断+手動診断」を組み合わせることでツール診断だけでは発見が困難な脆弱性を中心に調査することで、Webに対する脆弱性を網羅的に検出します。 万一のために、潜在的なリスクも見逃したくない 第三者による的確なセキュリティ評価が欲しい クレジットカードや口座番号などの機密情報を必ず守りたい 上記のようにお考えの方は、一度ご相談ください。    

          ⑤ 地方公共団体のための脆弱性対応ガイド(IPA)

          • 目的:地方公共団体が脆弱性を見つけたとき、初期対応からリスク評価までをスムーズに行う
          • 内容:大切な住民情報を守るためのセキュリティ体制、職員や管理職への報告の流れ、ベンダーとの連携のポイントを説明
          • 対象:自治体、公共施設、住民情報を扱う行政システム

            地方公共団体は多くの個人情報を抱えており、もし情報が漏れたり、書き換えられたりしたら、住民の生活に大きな影響が出るかもしれません。

            このガイドラインでは、脆弱性が見つかったときの責任の分担や連絡の手順をはっきりさせ、組織全体で対応できる力を高めるのに役立ちます。

            参考:地方公共団体のための脆弱性対応ガイド

            ⑥ 制御システムのセキュリティリスク分析ガイド(IPA)

            • 目的:工場やインフラなどの制御システムを狙ったサイバー攻撃を想定し、リスクを体系的に分析する
            • 内容:資産ベースと攻撃シナリオの両面から脆弱性を見つけ出し、対策の優先順位を決めるやり方を解説
            • 対象:電力、ガス、水道などのライフライン事業者、大規模プラント運営企業

              制御システムは、普通のITシステムとは違い、止めることが難しいという特徴があります。

              このガイドラインでは、安全であることと、問題なく使えることの両方を考えたリスク評価のやり方を提示しています。

              インフラ企業には欠かせない資料です。

              参考:制御システムのセキュリティリスク分析ガイド 第2版

              技術・セキュリティ基準

              ⑦ 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(IPA/JPCERTなど)

              • 目的:脆弱性情報を早く共有し、開発者・発見者・利用者がうまく連携し、被害をできるだけ小さくする
              • 内容:脆弱性情報の扱い方、パッチ公開のタイミング、責任分担などの指針を提示
              • 対象:ソフトウェア開発企業、Webサービス提供者、脆弱性情報を報告・管理する組織全般

                脆弱性が報告されたとき、情報の公開と修正のタイミングが適切でないと、攻撃者に悪用される危険性が高まります。

                このガイドラインは、報告から公開・修正までの一連の流れを定め、早期警戒体制を整えるのに役立ちます。

                参考:情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン

                ⑧ 安全なウェブサイトの作り方(IPA)

                • 目的:Webアプリケーションの脆弱性(SQLインジェクション、XSSなど)を防ぐためのセキュアコーディングを広める
                • 内容:代表的な脆弱性と対策の例、サンプルコード、開発の工程にセキュリティ対策を組み込むやり方を解説
                • 対象:Web開発エンジニア、セキュリティ担当者、既存サイトの改修を行う運用チーム

                  コーディングの段階で注意することで、多くの脆弱性は防げます。

                  具体的なソースコードの例がたくさん載っているので、初心者開発者の勉強にもぴったりです。

                  既存サイトの脆弱性を見つけ出すのにも応用できる、役立つガイドラインです。

                  参考:安全なウェブサイトの作り方

                  ⑨ Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン(JNSA)

                  • 目的:Webアプリケーションの脆弱性診断の項目や手順を標準化し、診断の精度や質を高める
                  • 内容:診断の進め方、必要なチェックリスト、検証環境の作り方などを提示
                  • 対象:脆弱性診断を自社で行う企業、診断サービスを提供するベンダー、診断技術を学びたい技術者

                    Webサービスを運営している組織が、定期的に診断を行うときの基準として使いやすいガイドラインです。

                    外部のベンダーに依頼するときも、共通の枠組みがあることで、「どこまで診断してもらうか」をはっきりさせられます。

                    参考:Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン 第1.2版

                    脆弱性診断ガイドラインを活用する際の注意点

                    これらのガイドラインを効果的に活用するためには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

                    ガイドラインを「ただ読むだけ」で終わらせず、実務に活かすために、ぜひ以下の点を意識してください。

                    ガイドラインが最新の情報か?

                    まず、ガイドラインは常に最新の情報とは限らないことを認識しておきましょう。

                    ガイドラインは作られた時点での攻撃手法をもとにしています。

                    そのため、ガイドラインを参考にするときは、最新の情報を必ず確認し、必要に応じて情報を付け加えるようにしましょう。

                    自社の環境や使えるリソースに合わせて調整する

                    ガイドラインは一般的な内容を扱っています。

                    ガイドラインがすすめることを全部やろうとすると、費用や手間が大きくなりすぎる場合があります。

                    業種やシステムの規模に合わせて、何からやるか優先順位をつけて取り組むことが大切です。

                    ガイドラインだけでは不十分?

                    そして、ガイドラインは脆弱性診断のすべてをカバーしているわけではありません。

                    ガイドラインに書かれていない弱点があることも考え、さまざまな角度からセキュリティ対策を検討する必要があります。

                    ガイドラインに加えて、セキュリティの専門家のアドバイスを受けたり、最新の脆弱性に関する情報を集めたりすることがおすすめです。

                    専門業者に相談して、より確実なセキュリティ対策を!

                    脆弱性診断ガイドラインは、セキュリティ対策の土台としてとても役立ちますが、すべての脅威を完全に防げるわけではありません。

                    最新の攻撃方法や、会社ごとに異なるリスクに対応するには、専門家のアドバイスが必要なことも多いでしょう。

                    IFTの脆弱性診断サービスは、今回ご紹介したガイドラインを参考に、次のような強みで、あなたの会社のセキュリティをサポートします。

                    IFTの強み
                    • 15年以上の実績があり、業界トップレベルの診断ツール「Vex」を使っています
                    • Webアプリケーション、システム、担当者の教育まで、幅広くお手伝いします
                    • 高い検出率に加えて、再診断や報告会など、診断後のサポートも充実しています

                      まずはWebサイトのセキュリティ状態を把握することから始めましょう。

                      無料相談も実施していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

                      この記事を書いた人
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                      みらいと

                      セキュリティサービス事業部 コンサルタント/プログラマーからシステム運用を経て情報セキュリティ全般の業務に従事。現在は培った情報セキュリティの経験を活かしお客様の課題に向き合った企画やマーケティングを担当。

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