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脆弱性診断とは

Webアプリケーション診断とは?その効果と必要・不要の見極め方を専門家が解説 | 脆弱性診断とは

Webアプリケーション診断とは?その効果と必要・不要の見極め方を専門家が解説

自社のWebサイトやサービスのセキュリティ、「本当に大丈夫?」と不安を感じていませんか? 「『Webアプリケーション診断』を耳にするけれど、具体的に何をするの?」 「費用はどれくらい?」 「そもそも、うちの会社にも必要なの?」 このような疑問や不安、もしかしたらあなたも感じていませんか? その有効な対策の一つが「Webアプリケーション診断」です。 この記事では、Webアプリケーション診断の基本からメリット、導入時に考慮すべき点、そしてどんな企業・サービスで特に必要性が高いのかを、分かりやすく解説していきます。 この記事を読めば、こんな疑問が解決します! Webアプリケーション診断って、そもそも何をするもの? 診断を受けると、どんなメリットがあるの? 導入する時に気をつけるべき点(費用・期間・注意点)は? うちの会社(サービス)には、本当に必要な診断なの? 逆に、診断の優先度が低いケースもある? Webアプリケーション診断とは? 基本を知ろう まず、「Webアプリケーション診断」がどのようなものなのか、基本を押さえておきましょう。 Webアプリケーション診断の目的と対象範囲 Webアプリケーション診断とは簡単に言うと、これは Webサイトやサービスを動かしているプログラム(アプリケーション)に潜む、セキュリティ上の弱点(脆弱性)を見つけ出すための検査 のことです。 情報漏洩、サイト改ざん、サービス停止につながるような設計上のミスやプログラムのバグを発見し、その危険度を評価することを目的に行われます。 具体的には、ネットショッピングの購入機能、会員サイトのログイン機能、お問い合わせフォームといった、ユーザーが操作する部分(Webアプリケーション)に対して、 攻撃者の視点からわざと不正な操作やデータを送り、問題が起きないかをテスト します。 ここで重要なのは、診断の対象が「Webアプリケーションそのもの」であるという点です。 OS(オペレーティングシステム)やサーバー機器の弱点を調べる「プラットフォーム診断」とは異なり、あくまでWeb上で動作するプログラムの安全性に特化した診断なのです。 プラットフォーム診断とWebアプリケーション診断の違いについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。 Webアプリケーション診断の診断項目 では、具体的にどのようにしてWebアプリケーションの弱点を見つけ出すのでしょうか? 診断は、 実際の「攻撃者」と同じ視点 で行われます。 つまり、悪意を持ってシステムを攻撃しようとする人の考え方やテクニックを模倣して、わざと不正な操作やデータを送り込み、アプリケーションが予期せぬ動作をしないか、情報が漏れたりしないかなどをテストするのです。 一般的には、 自動化された「診断ツール」 と、 経験豊富な専門家による「手動診断」 を組み合わせて行われます。 診断ツール: 既知の典型的な脆弱性のパターンを効率的にスキャンし、網羅的にチェックするのに役立ちます。 手動診断: ツールだけでは見つけにくい、アプリケーションの複雑なロジックの穴、設定ミス、認証・認可の不備、あるいは複数の手順を踏むことで初めて悪用可能になるような巧妙な問題点を、専門家が知識と経験に基づいて一つひとつ丁寧に検証していきます。 具体的には、以下のような多岐にわたる観点から、様々な項目をチェックしていきます。 観点(種別) 説明 主な確認項目例 入力値検証 ユーザーからの入力データ(フォーム、URLパラメータ等)が適切に処理されているか。不正な入力で予期せぬ動作をしないか。 クロスサイトスクリプティング(XSS) SQLインジェクション OSコマンドインジェクションディレクトリトラバーサル XML外部実体参照(XXE) SSRF 認証 ユーザーが本人であることを確認する仕組みは安全か。なりすましや不正ログインを防げているか。 ブルートフォース攻撃耐性 パスワードポリシー アカウントロック機構 多要素認証の実装不備 認証回避 認可(アクセス制御) ログイン後、ユーザーに許可された範囲の操作・情報にしかアクセスできないよう制御されているか。 不適切なアクセス制御(権限昇格など) 直接オブジェクト参照(IDOR) 機能レベルのアクセス制御不備 セッション管理 ユーザーのログイン状態(セッション)は安全に管理されているか。セッションIDの漏洩や乗っ取り(ハイジャック)を防げているか。 セッションIDの推測可能性・固定化 セッションタイムアウト セッションハイジャック対策 クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)対策 出力処理・情報漏洩 アプリケーションからユーザーに返される情報に、意図しない機密情報やエラー詳細が含まれていないか。 エラーメッセージからの情報漏洩 デバッグ情報・コメント等の露出 不適切なエンコーディング 暗号化 パスワードや個人情報などの機密データが、保存時や通信時に適切に暗号化されているか。 機密情報の平文保存・通信 不適切な暗号アルゴリズムの使用 SSL/TLS設定の不備(証明書検証含む) セキュリティ設定 Webサーバーやアプリケーションフレームワーク等の設定は安全か。不要な機能が無効化されているか。 HTTPSの強制、HSTS設定 セキュリティヘッダ(CSP, X-Frame-Options等) 不要な情報の露出(サーバー情報等 Cookie属性(Secure, HttpOnly等) ファイルパーミッション ビジネスロジック アプリケーションの機能や業務フローそのものに、悪用可能な設計上の欠陥はないか。 機能の不正利用 パラメータ改ざんによる不正操作 競合状態(Race Condition) APIセキュリティ Webアプリケーションが利用するAPI(外部・内部)の認証・認可や入力検証は適切か。 API認証・認可の不備 不適切な入力検証 過度なデータ公開 レート制限の不備 上記は代表的な項目であり、診断対象やプランによって詳細は異なります。 このように、ツールと専門家の目を組み合わせることで、Webアプリケーションに潜む様々な種類のリスクを、より深く、多角的に洗い出していくのが、Webアプリケーション診断の具体的な進め方です。 Webアプリケーション診断が役立つのは、こんな場面 では、Webアプリケーション診断は、具体的にどのような場面で力を発揮するのでしょうか? 特に役立つ4つのケースを見ていきましょう。 ① サービス固有の弱点を見つけたい時 Webアプリケーション診断が特に有効なのは、OSやネットワークといった土台部分の一般的な診断では見つけにくい、 そのサービス(アプリケーション)ならではの脆弱性を発見したい 場面です。 サービス独自の機能や、認証、決済といった複雑な処理の部分には、どうしても設計ミスや実装の不備が潜みやすいものです。 Webアプリケーション診断は、まさにこのアプリケーション層に焦点を当てて検査するため、プラットフォーム診断などでは見逃されがちな サービス固有のリスク を的確に洗い出すのに役立ちます。 ② 攻撃者のリアルな視点で検証したい時 「もし自分が攻撃者だったら、どうやってこのサービスを攻略するか?」—— このように、 実際の攻撃者の考え方や手法を真似て、自社のサービスをテストしたい 場合にも、Webアプリケーション診断(特に専門家による手動診断)は非常に有効です。 自動ツールだけでは発見が難しい巧妙な脆弱性や、ビジネス上の処理手順の穴(ビジネスロジックの欠陥)などを探し出すことができます。 このような実践的なテストを通じて、 本当に危険度の高い問題点 を特定し、より効果的な対策を立てることに繋がるでしょう。 ③ 開発段階やリリース前にリスクを潰しておきたい時 新しいWebアプリケーションを開発している最中や、リリースを間近に控えている段階で、「潜在的なセキュリティ問題を事前に潰しておきたい」と考えるのは自然なことです。 Webアプリケーション診断は、まさにそのために役立ちます。 脆弱性を抱えたままサービスを公開・運用するのは非常に危険です。 診断によって 実際に被害が発生する前に問題点を発見し、修正する ことが可能になります。 これは、将来起こりうるインシデント対応にかかるコスト(復旧費用、賠償金、信用回復など)を考えれば、非常に価値のある「転ばぬ先の杖」と言えるでしょう。 早期に問題を発見し修正することは、結果的に開発全体の効率化にも貢献します。 ④ 監査対応や取引先への信頼性を示したい時 業界のセキュリティ基準(例えば、クレジットカード情報保護のためのPCI DSS)への対応が求められる場合や、取引先からセキュリティ対策の状況について説明を求められる場面でも、Webアプリケーション診断は力を発揮します。 第三者の専門機関による診断レポート は、自社のセキュリティ対策レベルを客観的に示す強力な証拠となります。 「専門家による診断を受け、見つかった問題点に適切に対処している」ことを具体的に示すことで、 監査基準への適合を証明したり、取引先からの信頼を得やすく なったりと、ビジネスを円滑に進める上で有利に働くことが期待できます。 Webアプリケーション診断導入を検討する際の注意点 Webアプリケーション診断は有効な対策ですが、導入にあたっていくつか注意しておきたい点もあります。 以下のケースに当てはまる場合は、期待通りの効果が得られなかったり、別の問題が生じたりする可能性も考えられますので、慎重な検討が必要です。 ① 予算が限られている場合 質の高い診断、特に専門家が手作業で行う診断(手動診断)には、それ相応の費用がかかります。 これは、診断に高度な専門スキルと多くの時間が必要になるためです。 したがって、 セキュリティ対策にかけられる予算が非常に限られている場合 は注意が必要です。 無理にコストを抑えようとして安価すぎる診断を選ぶと、表面的なチェックしかできず、肝心な脆弱性を見逃してしまう可能性があります。 診断は「予防のための投資」という側面が強いですが、その投資自体が難しい状況では、費用対効果を慎重に見極める必要があります。 まずは 診断範囲を重要な機能に絞る、あるいは他の対策(例えばWAFの導入など)を優先する といった検討も必要になるでしょう。 ② スケジュールに余裕がない場合 丁寧な診断プロセス、特に規模の大きなシステムや詳細な手動検査を含む場合、診断の準備から報告書の提出までには 数週間から1ヶ月程度の期間 を見込むのが一般的です。 そのため、 リリース日が迫っているなど、スケジュールに全く余裕がない場合 は注意が必要です。 診断には、品質を担保するために必要な時間というものがあります。 無理に期間を短縮しようとすれば、検査が不十分になる恐れがあります。 「とにかく早く形式的な結果だけ欲しい」という状況では、診断の十分な効果は期待できないかもしれません。 開発計画の段階で、診断のための期間を十分に確保しておく ことが理想です。 もし難しい場合は、診断内容を限定したり、リリース後の実施を検討したりする必要があるでしょう。 ③ ツール診断だけに頼りたい場合 自動診断ツールは効率的に検査を進められますが、それだけで 全ての脆弱性(特に、ビジネスロジックの欠陥や未知の脅威など)を発見できるわけではありません。 もし、 「ツールだけで手軽に済ませたい」とお考えの場合 は、特に注意が必要です。 ツールには限界があり、ツールの結果だけで「安全だ」と判断してしまうと、 重大なリスクを見逃してしまう危険性 があります。 ツールの特性を理解した上で補助的に活用するのは有効ですが、過信は禁物です。 もっとも確実性を高めるには、 専門家の目(手動診断)と組み合わせたハイブリッド診断 を推奨します。 もちろん、ツールにも様々な種類があり、その特性を理解した上で補助的に利用することは有効です。 ツールの種類や機能、選ぶ場合のポイントについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。 ④ 「今回限り」の診断で終わらせるつもりの場合 Webアプリケーションを取り巻く脅威や環境は常に変化しています。 そのため、 一度診断を受けただけで、永続的な安全性が保証されるわけではありません 。 アプリケーションの改修や新たな攻撃手法の出現に対応するには、定期的なチェックが理想的です。 したがって、 「今回一度きりの診断で、今後は特に何も予定していない」と考えている場合 は、少し注意が必要です。 その診断の効果は一時的なものとなり、時間が経つにつれて新たなリスクが発生する可能性があります。 継続的なセキュリティ対策という観点からは、 単発の診断をどのように位置づけ、その後の変化にどう対応していくか をあらかじめ考えておくことが大切になります。 Webアプリ診断の必要性が特に高い企業・サービス では、具体的にどのような企業やサービスで、Webアプリケーション診断の必要性が高いと言えるのでしょうか? ご自身の状況と照らし合わせてみてください。 Webサービス運営企業 ECサイト SaaS(Software as a Service) オンラインバンキング 予約サイト 会員制サイト オンラインゲーム など インターネット経由で顧客にサービスを提供している企業は、診断の優先度が高いと言えます。 不特定多数のユーザーがアクセスし、機能も多岐にわたるため攻撃対象になりやすく、万が一被害に遭った場合の影響も甚大 です。 サービスを安全に提供し続けるためには、定期的な脆弱性チェックが不可欠でしょう。 アプリケーションの更新頻度が高い企業 アジャイル開発などで頻繁に機能追加や改修を行っているWebアプリケーションも、診断の重要性が高まります。 変更を加えるたびに、意図せず新たな脆弱性を作り込んでしまうリスクが高まるためです。 リリース前や定期的な診断によってリスクを早期に発見・対処し、スピーディーな開発とセキュリティ確保の両立を目指しましょう。 顧客データを扱う企業 個人情報 ログイン情報(ID・パスワード) 決済情報(クレジットカード番号など) 上記のような機密性の高い情報を扱っている場合、Webアプリケーション診断は必須レベルで検討すべきです。 万が一これらの情報が漏洩した場合、顧客への直接的な被害はもちろん、企業の信用失墜、損害賠償、法的な責任追及など、事業の存続に関わるほどの深刻な損害に繋がる可能性があります。 顧客の大切な情報を守り、信頼を維持するためにも、最優先で対策すべき領域と言えます。 セキュリティインシデントが心配な企業 過去にセキュリティインシデント(事故)を経験したことがある。 同業他社での被害事例を見て、自社にもリスクを感じている。 経営層からセキュリティ強化の指示が出ている。 現状のセキュリティ対策に、漠然とした不安を感じている。 このように具体的な懸念がある場合も、Webアプリケーション診断は有効な第一歩となります。 診断を受けることで、自社が抱えるリスクを客観的に把握できます。 「何が危ないのか分からない」という状態から、「ここに具体的な問題がある」という認識に変わることで、的確な対策を講じることが可能になります。 これらのケースに当てはまる場合は、Webアプリケーション診断の導入を真剣に検討することをお勧めします。 また、 スマートフォン向けのアプリも提供している場合 は注意が必要です。 スマホアプリが通信するAPI(サーバー側のプログラム)や、アプリ自体の脆弱性が、Webサービス全体への攻撃の「入り口」となる可能性もあります。 そのため、 スマートフォンアプリに特化した「スマートフォンアプリケーション診断」 を別途導入することも強くお勧めします。 他の対策を優先した方が良いケースも 一方で、Webアプリケーション診断が必ずしも最優先の対策ではない、あるいは他の対策を検討した方が良いケースもあります。 ただし、これは「絶対に不要」という意味ではなく、 「優先度が低い可能性がある」 という視点でご覧ください。 OSやネットワーク設定の不安が大きい場合 懸念の中心がWebアプリケーションそのものではなく、 サーバーOS、ミドルウェア(Webサーバーソフトなど)、ネットワーク機器の設定不備や既知の脆弱性 にある場合、Webアプリケーション診断は直接的な解決策になりにくいことがあります。 この場合は、OSやネットワーク層、ネットワーク機器を対象とする「プラットフォーム診断」を優先的に検討する方が効果的でしょう。 非常にシンプルなアプリケーションを運用している場合 HTMLとCSSだけで作られた、動きのない静的なWebサイト や、 利用者がごく一部の社員に限られる、非常にシンプルな社内ツール など、ユーザーからの入力や動的な処理がほとんどない場合、Webアプリケーション特有の脆弱性リスクは相対的に低いと言えます。 このようなケースでは、高額な診断費用に見合う効果が得られない可能性も考えられます。 ただし、以下の点には注意が必要です。 サイトを動かしている Webサーバー自体の脆弱性 は別途確認が必要です(これはプラットフォーム診断の範囲です)。 将来的に機能を追加・拡張する予定 があれば、そのタイミングで診断を検討しましょう。 CMS(特にWordPress)を利用している場合 は注意が必要です。CMS本体や、追加したプラグインの脆弱性が攻撃の標的になりやすいため、診断の必要性が高まります。 (※WordPressをご利用の場合、本格的な診断の前に、まずはWordPress向けの無料脆弱性診断ツールで状況を確認してみる、という方法もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。) これらの点を踏まえ、CMSを使っていなくて機能拡張の予定もないなど、 「アプリケーション部分のリスクが極めて低い」と明確に判断できる場合 に限っては、診断の優先度を下げるという選択肢もあり得ます。 脆弱性修正のための人員や時間が確保できない場合 診断で脆弱性が見つかったとしても、それを修正するための開発リソース(人員、時間)を確保できなければ、診断の効果は半減してしまいます。 「脆弱性が見つかっても直せない」という状態では、診断を行う意味が薄れてしまいます。 このような場合は、 WAF(Web Application Firewall)の導入など、比較的安価で導入できる他の対策を優先する。 診断範囲を特に重要な機能に絞り込み 、コストと修正にかかる作業量を抑える。 OSのアップデートや不要なサービスの停止など、基本的なセキュリティ対策を徹底する。 といった代替案を検討しましょう。 診断を依頼する前に、「見つかった問題を修正する体制が整っているか」を現実的に評価することが重要です。 これらのケースでは、診断導入を急がず、自社の状況を客観的に評価し、他の選択肢も含めて最適な対策を検討することをお勧めします。 もし判断に迷う場合は、専門家へ相談してみるのが良いでしょう。 まとめ:自社に合ったセキュリティ対策の第一歩を 今回は、Webアプリケーション診断について、その基本から有効な場面、注意点、そして必要性の判断基準まで解説しました。 この記事のポイント Webアプリの脆弱性は、 深刻なリスク に繋がる可能性。 診断は、アプリ固有の弱点を 攻撃者視点 で発見し、 被害を未然に防ぐ 有効な手段。 コスト・時間 は必要だが、将来の損失を防ぐための「投資」と捉えるべき。 機密情報取扱、EC/金融系、更新頻度の高いアプリ では特に推奨。 OS/ネットワーク中心の懸念、シンプルなアプリ、修正リソースがない場合は、 他の対策を優先 する判断も。 重要なのは、Webアプリケーション診断が万能ではないことを理解し、自社の状況(サービスの特性、抱えているリスク、利用できるリソースなど)に合わせて、最適な対策を選択・実行していくことです。 「うちのサービスの場合、Webアプリ診断は本当に必要?」 「具体的な費用感を知りたい」 「プラットフォーム診断とどっちが良いか、専門家の意見を聞きたい」 もしこのようにお考えでしたら、ぜひ一度、弊社アイ・エフ・ティにご相談ください。 お客様の状況を丁寧にお伺いし、経験豊富な専門家が、最適な診断プランのご提案や概算費用、他の診断との比較など、具体的なアドバイスをさせていただきます。 まずは情報収集として、お気軽にご利用ください。

プラットフォーム診断とは? 自社に必要か見極める判断基準と効果・注意点 | 脆弱性診断とは

プラットフォーム診断とは? 自社に必要か見極める判断基準と効果・注意点

自社のサーバーやネットワーク機器といったITインフラのセキュリティ、「Webアプリケーション診断だけ」で本当に安心できるでしょうか。 十分に目が届きにくいシステムの「土台」部分に潜む脆弱性が、 重大なインシデントを引き起こすケースもしばしば見られます。 そこで大切になるのが、OSやミドルウェア、ネットワーク機器の安全性をチェックする『プラットフォーム診断』です。 この記事では、プラットフォーム診断とは何か、その効果や受ける際の注意点、そして自社にとって本当に必要かどうかの判断基準まで、専門家の視点からわかりやすく解説します。 この記事を読むことで、こんな疑問が解決します プラットフォーム診断とは、具体的に何をするものか。 診断を受けることで、どのような効果が期待できるか。 診断を受ける際に、考慮しておきたい点は何か。 自社にとって、プラットフォーム診断は必要なのか。 逆に、診断の優先度が低いのはどのようなケースか。 プラットフォーム診断とは? 「プラットフォーム診断」という言葉は耳にしたことがあっても、具体的に何を行い、なぜそれが大切なのか、まだはっきりとイメージできていない方もいらっしゃるかもしれません。 ここではまず、プラットフォーム診断の基本的な考え方についてご説明します。 プラットフォーム診断の目的と診断対象 プラットフォーム診断とは、サーバーやOS、ネットワーク機器といったITインフラの「土台」に潜むセキュリティ上の弱点を特定するための、いわば「精密検査」です。 その役割は、大きく以下の二つに分けられます。 一つは、インフラ基盤に隠れた「弱点」を専門家の目で発見することです。 例えば、 古いソフトウェアや既知の脆弱性の放置。 不適切な設定(開かれた通信ポート、緩いアクセス権限など)。 推測されやすいパスワードや初期設定パスワードの使用。 不要なサービスの稼働。 セキュリティパッチの適用漏れ。 といった、攻撃の糸口となり得る問題点を、隅々までチェックします。 そしてもう一つは、発見された弱点が実際にどの程度の危険性を持つのかを評価し、「どのように改善すれば安全性を高められるか」という具体的な対策を示すことです。 これにより、攻撃の糸口をなくし、システム全体の防御力を高め、皆様の安定した事業継続を支えます。 この診断でチェックするのは、皆様のアプリケーションが日々稼働している、まさにその基盤となる部分です。 具体的には、以下のようなものが対象となります。 カテゴリ 具体的な対象例 サーバー • Webサーバー • データベースサーバー • メールサーバー • ファイルサーバー • Active Directoryサーバー OS(オペレーティングシステム) • Windows Server • Linux • macOS ミドルウェア • Apache, Nginx • IIS(Webサーバーソフト) • MySQL • PostgreSQL(データベースソフト) ネットワーク機器 • ルーター • ファイアウォール(FW) • VPN装置 • ロードバランサー(LB) • 無線LANアクセスポイント(AP) このようにプラットフォーム診断は、システムの基盤となる幅広い要素について、設定やバージョン、既知の脆弱性の有無などを調査し、潜むリスクを洗い出してインフラ全体の安全性を評価する上で役立ちます。 プラットフォーム診断の診断項目 プラットフォーム診断では、システムの「土台」であるインフラ基盤のセキュリティを多角的に評価するため、非常に幅広い項目をチェックします。 これは、攻撃者が狙うポイントは一つとは限らず、OSの脆弱性、ネットワーク設定の不備、あるいは認証の甘さなど、様々な要素を組み合わせて侵入を試みてくるためです。 一部分だけを対策しても他の部分に穴があれば意味がありません。 だからこそ、基盤全体を網羅的に検証し、あらゆる角度からのリスクを洗い出すことが求められます。 主に、以下のような観点で確認を行います。 観点(カテゴリ) 主な確認項目例 ネットワーク通信とサービス (ポートスキャン、サービス特定) • 開放されている通信ポート(TCP/UDP)の特定 • 稼働中サービス(Web, Mail, DNS, FTP等)の種類とバージョン確認 • 不要または危険なサービスの稼働有無 OS・ミドルウェアの健全性 (脆弱性検査) • OS・ミドルウェアのバージョン確認とパッチ適用状況 • 既知の脆弱性情報(CVE等)との照合 • サポート切れOS・ソフトウェアの使用有無 認証・アカウント管理 (アカウント検査) • デフォルトアカウント・共有アカウントの有無 • パスワードの強度・ポリシー・初期設定の確認 • アカウントロックアウト設定 • 不適切な認証許可(例:パスワード認証SSH, Anonymous FTP, Nullセッション) ネットワークサービス固有の問題 • 特定サービス(DNS, Mail, NTP等)における危険な設定(例:ゾーン転送、第三者中継、時刻同期不備) • データベースサーバーへの外部からの直接アクセス可否 ネットワーク機器固有の問題 (FW, VPN, ルータ等) • ルーター、FW、VPN等のファームウェアバージョンと既知脆弱性 • 管理インターフェースへのアクセス制御 • ファイアウォールのルール(ポリシー)の適切性 • VPN設定(暗号化強度、認証方式等)の安全性 設定・構成の安全性 (セキュリティ設定) • ファイル・ディレクトリのアクセス権限 • 重要なログ(監査ログ等)の取得・管理設定 • 不要な機能・ソフトウェアの有効化状況 • 特定サービス(DNS, Mail等)における危険な設定(例:ゾーン転送、第三者中継) 通信の安全性 • SSL/TLSのバージョンと暗号強度の適切性 • サーバー証明書の有効性・信頼性 • HTTPSの強制設定(HSTS等) 不正活動の痕跡 • 不審な通信・プロセス・ファイルの存在 • バックドア・マルウェア等の設置兆候 これらの診断項目は、あくまで代表的なものです。 実際には、お客様のシステム環境や解決したい課題に応じて、診断内容を柔軟にカスタマイズいたします。 具体的な診断内容について疑問をお持ちの場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。 プラットフォーム診断が効果を発揮する状況 プラットフォーム診断は、特に以下のような状況でその真価を発揮します。 ①自社のITインフラ全体における弱点を洗い出したい時 プラットフォーム診断は、自社のサーバーやネットワーク機器など、ITインフラ全体に潜むセキュリティ上の弱点を「見える化」するのに役立ちます。 管理する機器が多い、構成が複雑化している、といった環境では、「どこに」「どのようなリスク」があるのかを正確に把握するのは難しいものです。 診断では、これまで気づかなかった弱点や、管理が行き届いていない古いシステムが見つかることもあります。 そうした発見で、システム全体のどこが攻撃されやすいか、リスクの全体像を把握でき、対策を立てやすくなります。 ②サイバー攻撃の入り口を減らしたい サイバー攻撃の多くは、システムの弱点を狙ってきます。 プラットフォーム診断でOSやミドルウェアの既知の弱点を見つけ、修正したり、不要な機能を止めたりすることで、攻撃者が侵入に使う「入口」を効果的に減らすことができます。 過去には、OSやソフトウェアの古い弱点が原因で、大きな被害につながったサイバー攻撃もありました。 プラットフォーム診断は、このような見落としやすい弱点が放置されていないかを確認し、被害を未然に防ぐことにつながります。 Webアプリケーションの対策と合わせると、さらに万全です。 ③状況に合わせて診断方法を選びたい場合 プラットフォーム診断には、企業の状況や目的に合わせて診断方法を選べるというメリットもあります。 主に「リモート診断」と「オンサイト診断」の二種類があります。 項目 リモート診断 オンサイト診断 診断アプローチ インターネット経由 お客様の社内ネットワーク 主なメリット 手軽に始めやすい コストを抑えやすい 社内環境を詳しく調査 より深い設定も確認 適したケース まず外部からのリスクを知りたい コストを抑えたい 社内も含め詳細に把握したい 認証対応などで必要 「まずは外部から見えるリスクだけチェックしたい」ならリモート診断、「社内システム全体を詳しく見たい」ならオンサイト診断、といったように選択できます。 ④セキュリティ対策を社内外に証明したい時 プラットフォーム診断を実施し、対策を行うことは、社内外からの信頼を高める上でも大切です。 取引先からセキュリティ対策状況の提示を求められたり、法令やガイドラインで診断が推奨されたりするケースが増えています。 プラットフォーム診断の報告書は、自社の対策レベルを示す客観的な証明として役立ちます。 また、利用者に対して「第三者による診断済み」と示すことで、サービスの安全性への信頼を高める効果も期待できます。 プラットフォーム診断を受ける際に考慮すべきケース プラットフォーム診断には多くのメリットがありますが、導入を検討する際には、次のような点も知っておくと良いでしょう。 診断範囲が広くなることがある プラットフォーム診断は、システムの基盤全体を対象とすることが多いため、調査範囲が広くなることがあります。 特定の狭い範囲だけをパッと診断したい、という場合には、少し時間がかかることがあります。 スムーズに進めるためには、事前に診断対象を明確にするなどの準備が必要です。 もし手軽さやスピードを重視する場合は、診断範囲を絞れるか、またはWebアプリケーション診断など他の方法が適しているか、診断会社と相談すると良いでしょう。 費用と準備が必要になる システムの「土台」を網羅的に調べるため、診断範囲が広くなりがちで、それに伴い費用も比較的高くなることがあります。 限られた予算内で対策を進めたい場合は、コスト面で検討が必要になるかもしれません。 また、診断には対象情報の提供など、社内での準備も必要です。 予算に限りがある場合は、診断会社に相談し、予算内で最も効果的なプランを検討することが大切です。 診断後の分析・対策に専門知識が必要な場合がある 診断報告書には、OSやネットワークに関する専門的な情報が含まれます。 内容を理解し、対策を進めるにはOSやネットワークに関する専門知識が求められます。特に修正作業は、他のシステムへの影響も考える必要があります。 もし社内に専門家がいない場合、報告書の内容を十分に活用できません。 そのため、報告内容の説明や対策のアドバイスなど、診断後のフォローが充実している診断会社を選ぶことが、大切になります。 プラットフォーム診断が向いている企業・サービス プラットフォーム診断は、特に次のような場合に導入効果を発揮しやすいと言えます。 大規模なITインフラを運用している クラウドとオンプレミス環境(自社運用環境)を併用している ネットワーク全体のセキュリティを強化したい 法令や規制で厳格なセキュリティが求められる 以下で、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。 ① 大規模なITインフラを運用している 社内に多くのサーバーを設置している、複数の拠点でシステムを運用しているなど、管理対象となるITインフラの規模が大きい場合、プラットフォーム診断は有効です。 インフラが広範囲にわたると、全体のリスクを把握しきれないことがあります。 診断によって、管理しているサーバーやネットワーク機器に潜む弱点を効率よく発見できます。 ② クラウドとオンプレミス環境(自社運用環境)を併用している AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービス(特にIaaSのようにOS以上の管理が必要なもの)と、自社で管理するオンプレミス環境(自社運用環境)を組み合わせて利用している場合も、診断の重要性が高まります。 オンプレミス部分はもちろん、クラウド環境におけるOSレベル以上の設定・管理は自社の責任範囲となるため、プラットフォーム診断によるチェックが効果的です。 環境が混在すると管理が複雑になりやすいので、診断によって全体のセキュリティレベルを確認するのが良いでしょう。 ③ ネットワーク全体のセキュリティを強化したい ファイアウォールやVPN装置といった外部との境界だけでなく、社内ネットワークも含めた全体の安全性を高めたいと考えている場合にも、プラットフォーム診断は適しています。 外部からの侵入経路だけでなく、内部ネットワークに存在する設定ミスや脆弱性が、被害拡大の原因となることもあるためです。 診断では、ネットワーク機器の設定や状態を広範囲にチェックし、内外両面からのセキュリティリスクを減らすことにつながります。 ④ 法令や規制で厳格なセキュリティが求められる 金融、医療、重要インフラ関連など、特定の業界ルールや法律、あるいは取引先からの要求によって、高度なセキュリティ対策や定期的な診断が必須な場合、プラットフォーム診断はその要件を満たす手段となります。 診断結果の報告書は、自社がインフラレベルで適切なセキュリティ対策を行っていることを示す客観的な証明として役立ちます。 プラットフォーム診断の優先度が低い企業・サービス 一方で、すべての企業やシステムにプラットフォーム診断が必要というわけではありません。 状況によっては、費用対効果が見合わなかったり、他の診断を優先すべきだったりするケースもあります。 プラットフォーム診断が必ずしも最適とは言えない、あるいは不要と考えられる代表的なケースもご紹介します。 クラウドサービス中心で、自社管理のインフラが少ない場合 業務システムの多くをクラウドサービス(特にSaaSやPaaSと呼ばれる、インフラ管理をお任せできるタイプ)で利用しており、自社でサーバーなどをほとんど管理していない場合、プラットフォーム診断の必要性は低くなります。 これは、インフラの管理・セキュリティ対策の多くをクラウドサービス提供者が担っているためです。 この場合は、クラウドの設定やWebアプリケーション自体の診断(Webアプリケーション診断など)を優先する方が効果的です。 ※ただし、自社でOSレベルから管理する仮想サーバー(IaaS)を利用している場合は、プラットフォーム診断の対象となることがあります。 管理システムが少なく、リスクも比較的小さい場合 自社で管理しているサーバーが数台程度と少なく、かつ取り扱う情報の重要度もそれほど高くない場合は、プラットフォーム診断のコストが見合わない場合もあります。 診断には費用がかかるため、まずは基本的なセキュリティ対策(OSの更新、パスワード管理など)を自社で確実に行うことを優先した方が良いでしょう。 Webサイトやアプリのセキュリティが最優先課題の場合 ビジネス上のリスクが、主にWebサイトやWebアプリケーションの弱点にあると見込まれる場合は、プラットフォーム診断よりも先に「Webアプリケーション診断」を優先する方が望ましいです。 例えば、ECサイトや会員サイトなど、Web経由での情報漏洩リスクが特に高いと考えられるケースです。 このような場合は、まずWebアプリケーション自体のセキュリティを強化することが最も効果的です。 まとめ:自社のインフラの安全にはプラットフォーム診断を この記事では「プラットフォーム診断とは」何か、その基本から効果、注意点、向き不向きまで解説しました。 サーバーやOS、ネットワーク機器といったITインフラの「土台」に潜む弱点を見つけ出す大切さをご理解いただけたかと思います。 自社の状況に合わせて必要性を判断し、最適な診断方法を選び、確実なセキュリティ対策を進めましょう。 株式会社アイ・エフ・ティは、15年以上の経験と1,000件超の実績を持つ専門家集団です。 高精度な診断ツールと熟練エンジニアによる手動診断を組み合わせ、「高品質ながらリーズナブル」なプラットフォーム診断をご提供。 診断後の丁寧な報告・改善提案まで、お客様のインフラ強化をトータルでサポートします。 まずは、お客様の状況に最適な診断プランについて、専門家に相談してみませんか。 サービス詳細や無料相談は、お気軽にお問い合わせください。

5分でわかる!脆弱性診断ガイドライン、どれを選ぶ?9種類の特徴を比較解説 | 脆弱性診断とは

5分でわかる!脆弱性診断ガイドライン、どれを選ぶ?9種類の特徴を比較解説

「脆弱性診断ガイドライン」は数多く存在し、どれを選べば良いのか、自社に合うものはどれか、判断に迷うことはありますよね。 この記事では、企業のWeb担当者やセキュリティ初心者の方に向けて、主要な脆弱性診断ガイドライン9種類を徹底比較します。 それぞれのガイドラインについて、「目的」「内容」「対象」を簡潔にまとめ、活用方法を分かりやすく解説。 ガイドライン利用時の注意点も解説しています。 ガイドラインの概要を把握し、自社に最適なものを選ぶための判断材料として活用いただけます。 脆弱性診断ガイドラインとは? 脆弱性診断ガイドラインは、いうなれば、Webシステムやアプリケーションに潜む弱点を見つけ出し、対策を立てるための手引きです。 政府機関や業界団体などの公的機関が作成しているので信頼性が高く、診断の手順、使うツール、弱点の評価基準などが体系的にまとめられています。 ただし、ガイドラインは、最新の攻撃手法やセキュリティ技術に対応するために、定期的に更新されるのが一般的です。 常に最新の情報を確認しながら利用することが大切です。 ガイドライン一覧(政府機関・業界別・技術基準) まずは、今回取り上げる9種類のガイドラインを、3つの分類で一覧表にまとめました。 分類 ガイドライン名 主な対象・活用場面 政府機関 ① 政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(デジタル庁) 公的機関、金融機関、ECサイトなど、高度なセキュリティが求められるシステム ② 工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(経済産業省) 製造業の工場システム、電力・ガスなど社会インフラ 業界別 ③ 自動車産業サイバーセキュリティガイドライン(JAMA/JAPIA) 自動車メーカー、部品メーカー、コネクテッドカーや自動運転車に関連するサービス ④ ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA) ECサイトを構築・運営する事業者、カード決済など機密情報を扱うオンラインビジネス全般 ⑤ 地方公共団体のための脆弱性対応ガイド(IPA) 地方公共団体、住民情報を扱う公共施設や行政システム ⑥ 制御システムのセキュリティリスク分析ガイド(IPA) 重要インフラ(電力、ガス、水道など)、工場・プラントの制御システム 技術・セキュリティ基準 ⑦ 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(IPA/JPCERTなど) ソフトウェアベンダー、Webサービス提供事業者、脆弱性情報を管理・運用する全ての企業 ⑧ 安全なウェブサイトの作り方(IPA) Webアプリケーション開発者、セキュリティ担当者、Webサイト運用チーム ⑨ Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン(JNSA) 脆弱性診断を実施する企業や診断サービスを提供するベンダー、診断技術を学びたい技術者 各ガイドラインの「目的」「内容」「対象」と、活用方法については、この後詳しく見ていきましょう。 政府機関の脆弱性診断ガイドライン ① 政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(デジタル庁) 目的:政府機関のシステムに脆弱性診断を取り入れ、高い水準のセキュリティを確保する 内容:自動診断ツールと手動診断を組み合わせる方法、報告書の作成手順、内部統制の仕組みなどを具体的に示す 対象:公的機関、金融機関、ECサイトなど、高度なセキュリティ基準が求められるシステム 公的機関向けのガイドラインですが、自治体や大企業でも活用しやすい内容です。 厳格な体制づくりや監査への対応を意識しているため、高い信頼性を求める企業が、自社の環境に合わせて取り入れるケースも多く見られます。 参考:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン ② 工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン(経済産業省) 目的:製造業の工場や社会インフラのシステムをサイバー攻撃から守り、操業停止のリスクをできる限り小さくする 内容:OT(Operational Technology)環境での脆弱性診断の方法、サイバー・フィジカル両面でのリスク評価のやり方を提示 対象:電力・ガスなどのインフラ企業、工場システムを持つ製造業全般 ITと制御系システムが連携する現場では、セキュリティ対策が不十分だと、生産ラインの停止や社会的な影響が出る可能性があります。 このガイドラインは、危険を予測し、事前に対策を立てるための指針です。 参考:工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン 業界別脆弱性診断ガイドライン ③ 自動車産業サイバーセキュリティガイドライン(JAMA/JAPIA) 目的:コネクテッドカー(※)や自動運転技術へのサイバー攻撃のリスクを下げる 内容:車載システムや外部との通信部分の脆弱性診断、ソフトウェア更新(OTA)の安全確保、サプライチェーン全体の管理について触れる 対象:自動車メーカー、部品メーカー、車載ソフトウェア開発企業 ※コネクテッドカー:スマートフォンと連携したり、自動でソフトウェア更新を行う車 最近の自動車は、インターネット接続機能や高度な電子制御が普及し、サイバー攻撃を受ける可能性も高まっています。 このガイドラインでは、車両の一生を通じたセキュリティ対策が大切だと示しており、サプライチェーンの管理にも役立ちます。 参考:自動車産業サイバーセキュリティガイドライン ④ ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン(IPA) 目的:ECサイトでの不正アクセスや情報漏えいを防ぎ、安全なオンライン決済を実現する 内容:Webアプリケーション脆弱性診断、クレジットカード情報の保護、運用時のセキュリティルール作りなどをカバー 対象:オンラインショップ運営者全般(中小企業から大企業まで) クレジットカード情報や個人情報を取り扱うECサイトは、常に攻撃者に狙われやすい状態です。 このガイドラインは、すぐに役立つ脆弱性診断の項目と運用のルールを示しており、EC事業者が最低限やるべき対策を網羅しています。 必読のガイドラインと言えるでしょう。 参考:ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン ⑤ 地方公共団体のための脆弱性対応ガイド(IPA) 目的:地方公共団体が脆弱性を見つけたとき、初期対応からリスク評価までをスムーズに行う 内容:大切な住民情報を守るためのセキュリティ体制、職員や管理職への報告の流れ、ベンダーとの連携のポイントを説明 対象:自治体、公共施設、住民情報を扱う行政システム 地方公共団体は多くの個人情報を抱えており、もし情報が漏れたり、書き換えられたりしたら、住民の生活に大きな影響が出るかもしれません。 このガイドラインでは、脆弱性が見つかったときの責任の分担や連絡の手順をはっきりさせ、組織全体で対応できる力を高めるのに役立ちます。 参考:地方公共団体のための脆弱性対応ガイド ⑥ 制御システムのセキュリティリスク分析ガイド(IPA) 目的:工場やインフラなどの制御システムを狙ったサイバー攻撃を想定し、リスクを体系的に分析する 内容:資産ベースと攻撃シナリオの両面から脆弱性を見つけ出し、対策の優先順位を決めるやり方を解説 対象:電力、ガス、水道などのライフライン事業者、大規模プラント運営企業 制御システムは、普通のITシステムとは違い、止めることが難しいという特徴があります。 このガイドラインでは、安全であることと、問題なく使えることの両方を考えたリスク評価のやり方を提示しています。 インフラ企業には欠かせない資料です。 参考:制御システムのセキュリティリスク分析ガイド 第2版 技術・セキュリティ基準 ⑦ 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(IPA/JPCERTなど) 目的:脆弱性情報を早く共有し、開発者・発見者・利用者がうまく連携し、被害をできるだけ小さくする 内容:脆弱性情報の扱い方、パッチ公開のタイミング、責任分担などの指針を提示 対象:ソフトウェア開発企業、Webサービス提供者、脆弱性情報を報告・管理する組織全般 脆弱性が報告されたとき、情報の公開と修正のタイミングが適切でないと、攻撃者に悪用される危険性が高まります。 このガイドラインは、報告から公開・修正までの一連の流れを定め、早期警戒体制を整えるのに役立ちます。 参考:情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン ⑧ 安全なウェブサイトの作り方(IPA) 目的:Webアプリケーションの脆弱性(SQLインジェクション、XSSなど)を防ぐためのセキュアコーディングを広める 内容:代表的な脆弱性と対策の例、サンプルコード、開発の工程にセキュリティ対策を組み込むやり方を解説 対象:Web開発エンジニア、セキュリティ担当者、既存サイトの改修を行う運用チーム コーディングの段階で注意することで、多くの脆弱性は防げます。 具体的なソースコードの例がたくさん載っているので、初心者開発者の勉強にもぴったりです。 既存サイトの脆弱性を見つけ出すのにも応用できる、役立つガイドラインです。 参考:安全なウェブサイトの作り方 ⑨ Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン(JNSA) 目的:Webアプリケーションの脆弱性診断の項目や手順を標準化し、診断の精度や質を高める 内容:診断の進め方、必要なチェックリスト、検証環境の作り方などを提示 対象:脆弱性診断を自社で行う企業、診断サービスを提供するベンダー、診断技術を学びたい技術者 Webサービスを運営している組織が、定期的に診断を行うときの基準として使いやすいガイドラインです。 外部のベンダーに依頼するときも、共通の枠組みがあることで、「どこまで診断してもらうか」をはっきりさせられます。 参考:Webアプリケーション脆弱性診断ガイドライン 第1.2版 脆弱性診断ガイドラインを活用する際の注意点 これらのガイドラインを効果的に活用するためには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。 ガイドラインを「ただ読むだけ」で終わらせず、実務に活かすために、ぜひ以下の点を意識してください。 ガイドラインが最新の情報か? まず、ガイドラインは常に最新の情報とは限らないことを認識しておきましょう。 ガイドラインは作られた時点での攻撃手法をもとにしています。 そのため、ガイドラインを参考にするときは、最新の情報を必ず確認し、必要に応じて情報を付け加えるようにしましょう。 自社の環境や使えるリソースに合わせて調整する ガイドラインは一般的な内容を扱っています。 ガイドラインがすすめることを全部やろうとすると、費用や手間が大きくなりすぎる場合があります。 業種やシステムの規模に合わせて、何からやるか優先順位をつけて取り組むことが大切です。 ガイドラインだけでは不十分? そして、ガイドラインは脆弱性診断のすべてをカバーしているわけではありません。 ガイドラインに書かれていない弱点があることも考え、さまざまな角度からセキュリティ対策を検討する必要があります。 ガイドラインに加えて、セキュリティの専門家のアドバイスを受けたり、最新の脆弱性に関する情報を集めたりすることがおすすめです。 専門業者に相談して、より確実なセキュリティ対策を! 脆弱性診断ガイドラインは、セキュリティ対策の土台としてとても役立ちますが、すべての脅威を完全に防げるわけではありません。 最新の攻撃方法や、会社ごとに異なるリスクに対応するには、専門家のアドバイスが必要なことも多いでしょう。 IFTの脆弱性診断サービスは、今回ご紹介したガイドラインを参考に、次のような強みで、あなたの会社のセキュリティをサポートします。 IFTの強み 15年以上の実績があり、業界トップレベルの診断ツール「Vex」を使っています Webアプリケーション、システム、担当者の教育まで、幅広くお手伝いします 高い検出率に加えて、再診断や報告会など、診断後のサポートも充実しています まずはWebサイトのセキュリティ状態を把握することから始めましょう。 無料相談も実施していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

脆弱性診断とペネトレーションテストの違いとは?目的・手法・選び方を徹底解説 | 脆弱性診断とは

脆弱性診断とペネトレーションテストの違いとは?目的・手法・選び方を徹底解説

「脆弱性診断とペネトレーションテストって、一体何が違うの?」 システムのセキュリティ対策を考えるとき、こんな声をよく聞きます。 どちらもセキュリティを高めるための重要な手段ですが、その目的や実施する内容は大きく異なります。 この記事では、特に、「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」の特長や違いを分かりやすく解説します。 自社システムのセキュリティ向上に向け、これらの手法をどのように活用できるのか、具体的なヒントを得られる内容となっています。 「脆弱性診断」とは:システムの弱点を洗い出す健康診断 脆弱性診断とは、システムやアプリケーションに潜むセキュリティ上の弱点(=脆弱性)を特定するための診断手法です。この診断には、ツール診断と手動診断の2つの方法があります。 ツール診断では、専用スキャンツールを使って効率的に脆弱性を発見します。広範囲を短期間で調査できるのが特徴です。 一方、手動診断は、専門家が実際に操作を行い、ツールでは検出しにくい設定ミスや、不正アクセスを引き起こす特定の権限設定の不備など、複雑なシステム特有のリスクを発見するのに優れています。 この診断結果を基に対策を実施することで、システムのセキュリティをより強化することが可能です。 「ペネトレーションテスト」とは:攻撃者視点での侵入テスト ペネトレーションテスト(侵入テスト)は、サイバー攻撃者の視点から、システムやネットワークへの侵入経路を検証するテスト手法です。 専門家が攻撃をシミュレーションすることで、実際にどのような経路や方法で不正アクセスが可能かを調査します。 このテストの特徴は、脆弱性の「影響範囲」や「悪用される可能性」を具体的に把握できる点です。 テストの種類も豊富で、外部ネットワークテスト、内部ネットワークテスト、Webアプリケーションテスト、モバイルアプリケーションテスト、物理セキュリティテスト、ソーシャルエンジニアリングテストなど多岐にわたります。 そのため、ペネトレーションテストは、金融機関など、より高度なセキュリティ対策が求められる場面や、実際の攻撃を想定した防御力の検証が必要な場合に適しています。 一目でわかる!脆弱性診断 or ペネトレーションテスト比較表 続いては、脆弱性診断とぺネストレーションテストの違いを比較していきます。 以下の表で、違いを分かりやすく比較してみましょう。 項目 脆弱性診断 ペネトレーションテスト 目的 システム全体の弱点を効率的に発見する 攻撃者視点で侵入経路や被害シナリオを検証 診断方法 ツール診断または手動診断 専門家による手動での侵入シミュレーション チェック範囲 広範囲(システム全体をカバー) 特定のシステムや攻撃シナリオに限定 コスト 比較的低コスト(数十万円~数百万円) 高コスト(数百万円~千万円以上) 実施期間 短期間(数日~1週間程度) 中長期(1~3週間程度) 実施頻度 定期的(半年~1年ごとの実施が推奨) 必要に応じて(大規模な変更や新システム導入時) 適用シーン 初期段階のリスク把握や、継続的なセキュリティチェック 実際の攻撃を想定した高度な防御力検証 脆弱性診断は、コストを抑えつつ効率的に広範囲を診断できるため、初期段階のセキュリティチェックに適しています。 一方、ペネトレーションテストは、専門技術者による高度な検証が必要なためコストが高くなりますが、実際の攻撃を想定した実践的なセキュリティ対策を強化する手法として効果的と言えるでしょう。 脆弱性診断だけでは不十分?被害につながるケース 脆弱性診断は、システム全体の弱点を把握するために有効な手法です。ただし、それだけでは実際の攻撃を完全に防ぐことは難しい場合があります。 以下では、脆弱性診断だけでは見逃されがちなリスクや、それが引き起こす被害事例について解説します。 脆弱性診断だけでは見逃されるリスクとは? 脆弱性診断では、主にツールによる自動診断が中心となるため、広範囲のチェックを効率的に行うことができます。 しかし、脆弱性診断だけでは発見しにくい複雑なリスクや、現実的な攻撃シナリオを想定するには限界があるのです。 例えば、以下のようなリスクを見逃す可能性があります。 複数の脆弱性が連鎖して起こる攻撃(例:設定ミスと権限不足の組み合わせ) 特定の条件下でのみ発生する攻撃パターン(例:特定のユーザー操作によるデータ流出) システム固有の設計ミスやカスタム仕様による弱点 これらのリスクを見過ごすと、実際の攻撃シナリオで大きな被害につながる可能性があります。 そのため、ペネトレーションテストを活用して、攻撃者視点での検証を行うことが効果的なのです。 ペネトレーションテストを怠った被害事例 以下では、ペネトレーションテストを実施していれば被害を防げた可能性がある事例を紹介します。 事例①:エン・ジャパン株式会社の情報流出 2023年3月、エン・ジャパン株式会社は転職情報サイト「エン転職」に対する不正ログインにより、約25万件のWeb履歴書が流出したことを発表しました。 この事件はリスト型攻撃によるもので、ペネトレーションテストを実施していれば、早期に脆弱性を発見し、対策を取れた可能性があります。 事例②:チューリッヒ保険会社の顧客情報流出 2023年1月、チューリッヒ保険会社では、外部委託業者への不正アクセスにより、約75万件の顧客情報が流出する事件が発生しました。 この事件は委託業者がサイバー攻撃を受けたことが原因で、ペネトレーションテストを行っていれば、外部からの攻撃に対する防御力を強化できた可能性があります。 事例③:株式会社アダストリアの不正アクセス事件 同じく2023年1月、アパレル企業の株式会社アダストリアは、自社のECサイト「ドットエスティ」に対する不正アクセスにより、約104万件の顧客情報が流出したことを発表しました。 この事件もペネトレーションテストを行うことで、システムの脆弱性を特定し、攻撃を未然に防げたかもしれません。 こうした事例を見ると、ペネトレーションテストを実施することで、単なる脆弱性の発見だけでなく、実際の攻撃を想定した具体的な対策を構築できることがわかります。 結果として、企業の情報資産を守るための最前線の防御が可能になります。 盤石なセキュリティ対策なら、「脆弱性診断 × ペネトレーションテスト」の組み合わせ! 先ほどの内容だけを読むと、「ぺネストレーションテストだけやっていればいいのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。 実際は、脆弱性診断とペネトレーションテストですが、これを組み合わせることで、単独では得られない「相乗効果」を生み出すことができます。 具体的にどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。 1. 事前の脆弱性診断が、ペネトレーションテストを効率化する 脆弱性診断ではシステム全体の「リスクの洗い出し」が可能です。 この情報があることで、ペネトレーションテストでは、特に危険度が高い脆弱性や、実際の攻撃シナリオに利用される可能性が高い箇所に的を絞った検証が行えます。 結果として、より短期間で具体的かつ実践的な防御策を導き出すことができるでしょう。 2. ペネトレーションテストで診断結果を「裏付け」できる 脆弱性診断は、弱点を洗い出すことに特化していますが、その影響度や攻撃に悪用される可能性については判断が難しいことがあります。 ペネトレーションテストを組み合わせることで、診断結果が「実際にどの程度の被害につながるか」を検証でき、診断結果に優先順位をつけることが可能になります。 3. 組み合わせだからこそカバーできる「連鎖リスク」 単独の脆弱性では「軽微」と判断されるリスクが、複数の脆弱性が連鎖することで重大な攻撃を引き起こすケースがあります。 このようなリスクは、脆弱性診断だけでは見逃されることが多いですが、ペネトレーションテストを実施することで、こうした連鎖的な攻撃シナリオを明らかにすることが可能です。 4. 長期的な運用コストを削減できる 脆弱性診断で定期的に弱点を洗い出し、ペネトレーションテストで本当に危険なリスクを精査する流れを構築することで、効率的なセキュリティ対策が可能になります。 この工程により、無駄な修正作業や不要な対策にかかるコストを削減し、運用効率を向上させることができるのです。 脆弱性診断とペネトレーションテストを組み合わせることで、それぞれの弱点を補いながら、攻撃者の視点と守る側の視点の両方から盤石なセキュリティを構築することが可能です。 「広く、そして深く」守る体制を作るには、この組み合わせが最も効果的と言えるでしょう。 ペネトレーションテストならIFTにお任せください! セキュリティ対策の一環として、「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」は、それぞれ異なる役割を持つ重要な手法です。 この記事では、「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」の違いと特徴を解説し、これらを組み合わせることがもっとも効果的であることをお伝えしました。 セキュリティ対策の最前線で活躍するIFTのペネトレーションテストは、多くの企業に選ばれる理由があります。 IFTのペネトレーションテストが選ばれる理由 脆弱性診断と連携: 診断結果に基づき、本当に危険な箇所を重点的にテストします。 豊富な実績 (15年以上): 長年の経験とノウハウで、多種多様なシステムに対応可能です。 柔軟なカスタマイズ: お客様の環境に合わせて、最適なテスト計画をご提案します。 手厚いサポート: 分かりやすい報告書と、その後の対策まで丁寧に支援します。 セキュリティに関するお悩みは、IFTにお気軽にご相談ください。 専門家が、お客様のシステムをしっかりと守ります。

脆弱性診断ツールの種類と選び方 | 9つのポイントから見極め方を徹底解説 | 脆弱性診断とは

脆弱性診断ツールの種類と選び方 | 9つのポイントから見極め方を徹底解説

企業がサイバー攻撃から大切な情報資産を守るためには、システムに潜んでいるセキュリティ上の弱点、つまり「脆弱性」をいち早く見つけ出し、きちんと対処することがとても大切です。 その有効な手段が「脆弱性診断ツール」です。 しかし、数多く存在するツールの中から、自社に最適なものを選び出すのは、なかなか難しいことです。 「たくさんあって、どれを選べば良いのかわからない…」そんな風に感じている方も多いかもしれません。 この記事では、皆様が自社に最適な脆弱性診断ツールを見つけられるよう、選ぶ時のポイントをわかりやすく解説します。 脆弱性診断ツールとは?その役割と必要性 脆弱性診断ツールとは、パソコンやスマートフォンなどの情報システムに潜むセキュリティ上の問題点、いわゆる「脆弱性」を自動的に見つけ出し、報告してくれるソフトウェアやサービスのことです。 システムに脆弱性があると、サイバー攻撃の格好の標的となります。 攻撃者は常に新たな脆弱性を探し、それを使ってシステムに侵入したり、データを盗んだり、改ざんしたりしようと企んでいます。 そのため、脆弱性診断ツールは、このような攻撃からシステムを守るために、脆弱性を見つけ出し、対策を立てるという重要な役割を果たします。 このツールを使うと、攻撃を受ける前に脆弱性を発見し、修正することができます。 定期的に診断することで、システムをいつも安全な状態に保ち、セキュリティリスクを大幅に減らすことができるのです。 脆弱性診断ツールのメリットとデメリット 脆弱性診断ツールを使うことには多くの良い点がありますが、一方で注意しなければならない点もいくつかあります。まずは、そのメリットとデメリットをわかりやすく説明します。 脆弱性診断ツールのメリット まず、脆弱性診断ツールの良い点について見ていきましょう。 脆弱性診断ツールを導入する最大のメリットは、セキュリティ対策を効率化し、強化できることです。 脆弱性診断ツールのメリット 脆弱性を効率的に発見できる: 手作業で脆弱性を見つけるのは、時間も手間もかかり、専門的な知識も必要です。でも、ツールを使えば、診断を自動化し、素早く正確に脆弱性を見つけられます。 対策方法を提示してくれる: 多くのツールは、見つけた脆弱性に対して、具体的な直し方を教えてくれます。これにより、セキュリティ担当者の負担が軽くなり、素早く対応できます。 定期的な診断を自動化できる: セキュリティレベルを高く保つためには、定期的な診断が大切です。ツールを使えば、これを自動化できます。 レポートで進捗管理ができる: 診断結果をレポートとして出力できるツールが多く、セキュリティ対策の進み具合を管理したり、経営層へ報告したりするのに便利です。 このように、脆弱性診断ツールは、企業のセキュリティ対策を効率的にし、強化するのに役立ちます。 脆弱性診断ツールのデメリット 次に、注意すべき点についてもお話しします。 一方で、脆弱性診断ツールは万能ではなく、導入コストや誤検知、専門知識の必要性など、注意すべき点も存在します。 脆弱性診断ツールのデメリット 導入には一定のコストがかかる: 特に、高機能なツールや大規模システムに対応したツールは、導入費用や維持費が高くなることがあります。 誤検知や過検知の可能性がある: ツールは機械的に脆弱性を見つけるため、間違って検出してしまうこともあります。そのため、結果をそのまま信じるのではなく、専門知識を持った人が最終的に判断する必要があります。 運用には専門知識が必要: ツールを効果的に使うためには、セキュリティに関する知識や運用スキルが必要です。 脆弱性診断ツールの3つの種類 脆弱性診断ツールには、クラウド型、オンプレミス型、ハイブリッド型の3つのタイプがあります。 以下の表では、各タイプの特徴、メリット、デメリットを比較しています。自社のニーズに合わせて、どのタイプが適しているか確認してみてください。 タイプ 特徴 メリット デメリット クラウド型 インターネット経由で利用する診断サービス ・初期費用が低い・導入が簡単で短期間で利用可能・運用負担が少ない・常に最新の脆弱性情報を反映 ・インターネット接続が必須・データが外部サーバーに保存されるため、セキュリティポリシーに影響する可能性あり オンプレミス型 自社内にツールを導入して運用する ・データを自社で完全管理できる・高いカスタマイズ性がある ・初期費用が高額・運用・管理に専門知識が必要 ハイブリッド型 クラウド型とオンプレミス型の利点を組み合わせた診断 ・クラウドの利便性とオンプレミスのセキュリティを両立・柔軟性が高い ・導入・運用コストが高めになる場合がある・クラウドとオンプレミス両方を管理する体制が必要 例えば、初期コストを抑えつつ簡単に導入したい場合はクラウド型を選ぶのが適しています。 一方で、データ管理を重視する場合はオンプレミス型が理想的です。 また、利便性とセキュリティの両方を考慮したい場合は、ハイブリッド型がおすすめです。 自社に最適な脆弱性診断ツールを選ぶ9つのポイント ここでは、自社の状況やニーズにぴったりの脆弱性診断ツールを選ぶための、9つの大切なポイントをわかりやすく解説します。 診断用件 診断範囲 精度 実績 運用要件 使いやすさ サポート体制 拡張性 その他の要件:予算は?連携は?専門性は? 費用 連携性 ツール導入か、業者依頼か 具体的なツールを知りたい方は、以下をご覧ください。 1. 診断要件:何を守りたいのか?何を診断したいのか? まず初めに、診断対象や必要な機能を明確にすることが重要です。ここでは、診断要件に関わる3つのポイントを解説します。 ①診断範囲:どこまで守る?診断対象を明確に 自社にぴったりの脆弱性診断ツールを選ぶためには、まず「どこを守りたいのか」「何を診断したいのか」をはっきりさせて、必要な診断範囲を決めることが大切です。 守るべき対象、つまり診断範囲は、主に「Webアプリケーション」「ネットワーク」「プラットフォーム」の3つに分けられます。 Webアプリケーションの診断: 皆さんが普段インターネットで利用するウェブサイトやウェブサービスに潜む脆弱性を診断します。 ネットワークの診断: ファイアウォールやルーターなどのネットワーク機器、サーバーなど、ネットワーク全体に関わる脆弱性を診断します。 プラットフォームの診断: パソコンやサーバーのOS、ミドルウェアなどに潜む脆弱性を診断します。 これらの診断対象について、さらに詳しく知りたい方は、別記事「【かんたん解説】アプリ診断とプラットフォーム診断、最適なのはどっち?」で解説していますので、ぜひご覧ください。 ②精度:診断項目の網羅性と検出精度 診断項目がどれだけ網羅されているか、脆弱性の検出精度はどれだけ高いかに注意し、自社のシステムに必要なレベルの診断が可能かを確認しましょう。 診断項目の網羅性とは、ツールがどれだけ多くの種類の脆弱性をカバーしているかということです。 検出精度とは、ツールが脆弱性をどれだけ正確に検出できるかということです。 ③実績:同業種での導入実績を確認 同業他社での導入実績は、ツール選定時の参考になります。 同業他社で豊富な実績があるツールは、その業界特有のセキュリティ要件や課題に対応している可能性が高いです。 導入実績は、ツールのウェブサイトや資料で確認できるほか、ベンダーに問い合わせてみましょう。 2. 運用要件:誰がどのように使うのか? ④運用:担当者のスキルとツールの使いやすさ 担当者のスキルレベルとツールの使いやすさを考慮しましょう。 セキュリティの専門知識が豊富な担当者がいる場合は、多機能でカスタマイズ性の高いツールが適しています。 一方、専門知識が限られている場合は、操作が簡単で、サポートが充実しているツールが適しています。 担当者が無理なく使えるツールを選ぶことで、効果的な運用につながります。 ⑤サポート体制:導入後も安心できるサポートの重要性 ベンダーのサポート体制は、特に導入初期やトラブル発生時に重要です。 確認ポイントは、24時間対応の有無、対応言語、平均応答時間などです。 また、ユーザーコミュニティの活発さも、問題解決の助けになります。多くの有料ツールは公式サポートが付いているため、安心して利用できます。 ⑥拡張性:業務規模や将来的な変化に対応可能か 現在の業務規模だけでなく、将来的な拡張性も考慮してツールを選びましょう。 企業の成長やビジネス環境の変化に伴い、診断対象のシステムが拡大したり、新たなシステムが追加されたりする可能性があります。 その際に、柔軟に対応できるツールを選ぶことが大切です。 3. その他の要件:予算は?連携は?専門性は? ⑦費用:予算は?初期費用とランニングコストで考える 初期費用だけでなく、ランニングコストとの両方を考慮すること重要です。 オンプレミス型は初期費用が高額になりがちですが、クラウド型は初期費用を抑えられる場合が多いです。 ただし、クラウド型は月額または年額の利用料が発生します。ランニングコストには、利用料の他に、保守費用や担当者の人件費も含まれます。 必要な機能を明確にし、複数のツールの見積もりを比較することで、費用対効果の高いツールを選定しましょう。 ⑧連携性:他のセキュリティツールとのスムーズな連携 脆弱性診断ツールは、他のセキュリティツールと連携させることで、より効果的なセキュリティ対策を実現できます。 そのため、既に導入しているセキュリティツールと連携できるかどうかも重要な選定ポイントです。 ツール間の連携が可能であれば、診断結果をリアルタイムに活用しやすく、セキュリティ対策を強化できます。 ⑨専門性:ツール導入か、業者依頼か、適切な診断方法の判断 脆弱性診断を実施する際には、ツールを導入して自社で診断を行う方法と、専門の業者に診断を依頼する方法があります。 どちらの方法が適しているかは、企業の状況やセキュリティ要件によって異なります。 社内での対応が難しい場合や、特に高いレベルのセキュリティが求められる業界の場合は、専門の業者に依頼することも検討しましょう。 脆弱性診断ツール選びで後悔しないための注意点     脆弱性診断ツールを選ぶ際には、導入後に後悔しないよう、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。 無料の脆弱性診断ツールは導入コストを抑えられますが、いくつかの注意点と限界があります。 自社のニーズに合ったツールを選ぶ 脆弱性診断ツールには、ネットワーク診断、Webアプリケーション診断、クラウド環境診断など、得意とする診断範囲に違いがあります。 そのため、自社のシステム構成やセキュリティ要件に合致したツールを選ぶことが重要です。 例えば、Webアプリケーションのセキュリティを強化したい場合は、Webアプリケーション診断に特化したツールを選びましょう。 無料版と有料版の違いを理解する 無料版と有料版の大きな違いは、機能とサポート体制です。無料版は、診断項目や利用回数が限定されていることが多く、詳細な診断には不向きな場合があります。 一方、有料版は、より多くの診断項目に対応し、サポートやアップデートも充実していることが一般的です。 自社のセキュリティ要件と予算に合わせて、適切なプランを選びましょう。 ツールの更新頻度を確認する サイバー攻撃の手法は日々進化するため、脆弱性診断ツールが最新の脆弱性情報に対応しているかどうかの確認が重要です。 更新頻度が高いツールを選ぶことで、新たな脅威にも迅速に対応できます。 ツールの公式サイトやベンダーへの問い合わせで、更新頻度を確認しましょう。 ツール診断にも限界はある 脆弱性診断ツールはあくまでも診断を支援するツールであり、全てを任せきりにするのは危険です。 自動化ツールでは検出が難しい、複雑な脆弱性も存在します。 そのため、必要に応じて手動診断やペネトレーションテストを併用し、多角的にセキュリティ対策を講じることが重要です。 ツールはあくまでも補助的なものと捉え、過信は禁物です。 まとめ:ツール診断と手動診断の組み合わせで、より網羅的なセキュリティ対策を 脆弱性診断ツールを選ぶ際は、診断範囲、費用、サポート体制など、9つのポイントを考慮することが大切です。 しかし、ツールはあくまでも診断を支援するものであり、全てを任せきりにするのは危険です。 特に、無料版は機能が限定的で、詳細な診断には不向きな場合もあります。 また、ツールが最新の脅威に対応しているか、更新頻度の確認も重要です。そして、ツールでは検出できない複雑な脆弱性も存在することを忘れてはいけません。 弊社の手動診断では、経験豊富なセキュリティエンジニアが、ツールでは見落としがちな脆弱性も丁寧に検査します。 ツール診断と手動診断を組み合わせることで、より網羅的かつ効果的なセキュリティ対策が可能です。 まずは無料相談で、お客様のシステムの状況や、セキュリティに関するお悩みをお聞かせください。 最適な診断プランをご提案いたします。

Fingers touching tablet with apps

【どちらが最適?】アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違いは?

「Webアプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」、どちらを選ぶべきか迷っていませんか? どちらも組織のセキュリティ対策として重要な診断ですが、その目的や効果には違いがあります。 この記事では、それぞれの診断内容とメリット・デメリットを徹底比較し、組織の状況に合った診断を見つけるお手伝いをします。 関連記事 徹底比較!リモート診断とオンサイト診断 | 最適な脆弱性診断の選び方 【無料あり】脆弱性診断ツールおすすめ15選!選び方から特徴までを解説 脆弱性診断における「手動診断」とは?特徴やメリットをわかりやすく解説 アプリケーション診断とは? Webアプリの脆弱性を洗い出す「健康診断」 Webアプリケーション診断とは、Webアプリやスマホアプリに、セキュリティ上の弱点(脆弱性)がないかを調べる、いわば「健康診断」です。 具体的には、アプリの設計や、プログラミング上のミスを突いた攻撃への耐性を評価します。 対象は、アプリケーション開発者やWebサイト運営者です。 Webアプリケーション診断の目的 Webアプリケーション診断の主な目的は、アプリケーションの脆弱性を発見し、修正することによって、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティインシデントを未然に防ぐことです。 アプリケーションのセキュリティレベルを向上させ、ユーザーや企業データを保護することを目的としています。 メリット:弱点をあぶり出し、具体的な改善策を掲示できる アプリケーション診断には、主に3つのメリットがあります。 アプリケーション診断のメリット アプリ固有の弱点を見つけ出す 攻撃者の視点をシミュレーションできる 早期発見と修正ができる Webアプリケーションやソフトウェアに特化して診断を行うため、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、アプリケーション固有の弱点を発見できます。 さらに、実際の攻撃手法を模倣することで、攻撃者がどのようにアプリケーションを悪用するかを把握し、具体的な対策を立てることができます。 しかも、開発段階や運用中に診断を行えるため、脆弱性を早期に発見し、修正することで被害を未然に防げます。 デメリット:費用と時間が必要 一方、アプリケーション診断にはデメリットも存在します。 アプリケーション診断のデメリット 費用と時間という投資が必要 ツール診断には限界がある 診断範囲はアプリ限定 特に手動診断は専門知識を持つ人材が必要であり、時間と費用がかかる場合があります。 また、自動化ツールでは、特定の脆弱性や複雑な問題を見逃す可能性があるため、完全な診断には、専門家による手動診断が必要です。 さらに、Webアプリケーション診断はアプリケーション自体に焦点を当てるため、OSやネットワークなどの基盤部分の脆弱性はカバーできません。 Webアプリケーション診断の具体的な確認項目とは? Webアプリケーション診断では、システムの機能や動作を、攻撃者目線で徹底的に検査します。 主に、以下の項目を中心に検査を行い、システムの弱点をあぶり出します。 種別 説明 主な確認項目 入力処理 ユーザーからの入力データーができ切に検証されているかを確認し、不正データによる攻撃を防ぎます。 • クロスサイトスクリプティング(XSS) • SQLインジェクション • コマンドインジェクション 認証 ユーザーへの権限が適切に設定されているかを確認し、不正アクセスや権限昇格のリスクを評価します。 • 不適切な認証 • 権限管理 セッション管理 ユーザーセッションの管理方法に不備がないかを確認し、セッションハイジャックやCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)などの攻撃に対する脆弱性を検証します。 • セッションIDの固定化 • クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF) 出力処理の検査 アプリケーションからの出力データが適切に処理されているかを確認し、情報漏洩につながるリスクを評価します。 • 不要なデータ出力 セキュリティ設定 Webアプリケーション全体のセキュリティ設定が適切であるかを確認し、セキュリティ対策の不備を洗い出します。 • HTTPS通信 • 不要な情報の露出の有無 ソースコード ソースコードに潜在的な脆弱性がないか、セキュリティ上の問題がないかを確認し、開発段階でのセキュリティ対策の不備を検出します。 • ソースコードの記述   プラットフォーム診断とは?ITインフラの精密検査   プラットフォーム診断とは、サーバーやOS、ネットワーク機器など、ITインフラに潜むセキュリティ上の弱点を特定するための、いわば「精密検査」です。 具体的には、OSやミドルウェアの設定ミス、不要なサービスの放置、セキュリティ更新プログラムの適用漏れなど、システム全体の基盤部分に潜む弱点を洗い出します。 主に、システム管理者やITインフラ担当者が対象です。 プラットフォーム診断の目的 プラットフォーム診断の主な目的は、ITインフラ全体の安全性を高め、不正アクセスやマルウェア感染などのリスクを最小限に抑えることです。 システムの基盤全体のセキュリティ強度を高め、安定した運用を実現します。 言い換えれば、企業のビジネスを支えるIT基盤を、サイバー攻撃という脅威から守るための対策と言えます。 プラットフォーム診断のメリット:システム全体のセキュリティ向上 プラットフォーム診断のメリットは、主に3つあります。 プラットフォーム診断のメリット システム全体のセキュリティ状況を可視化できる 攻撃の入り口を減らす 状況に応じて診断方法を選択できる OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど、システム基盤全体を対象に診断を行うため、システム全体のセキュリティ対策を立てることができます。 さらに、ネットワークやサーバーの設定ミスや、放置されたままの弱点を特定し、修正することで、攻撃者が侵入する糸口を減らすことができます。 加えて、リモート診断とオンサイト診断の2種類があり、状況に応じて適切な方法を選択できます。 プラットフォーム診断のデメリット:広範囲ゆえに複雑かつ高額 一方、プラットフォーム診断にもデメリットは存在します。 プラットフォーム診断のデメリット 広範囲を診断するがゆえの複雑さ 場合によっては高額な費用 専門性が必要 システム全体を対象とするため、診断範囲が広く、実施が複雑になることがあります。 また、診断対象が広範囲にわたるため、特に現地で診断を行うオンサイト診断では、コストが高くなる場合があります。 さらに、専門的な知識が必要なため、診断結果を正確に解釈し、適切な対策を実施するには、専門家の支援が必要となるでしょう。 これらの点を考慮し、費用対効果を検討した上で、診断の実施を判断する必要があります。 プラットフォーム診断で確認できる項目 プラットフォーム診断では、ITインフラ全体のセキュリティ状況を評価するため、多岐にわたる項目を検査します。以下に代表的な確認項目をまとめました。 種別 説明 主な確認項目 ポートスキャン サーバーやネットワーク機器で開放されているポートを調査し、不要なポートや不審なサービスがないかを確認します。 • 開放ポートリスト • サービス名 ホスト情報 ネットワークに接続された機器の情報を収集し、管理状況やセキュリティ対策の状況を把握します。 • ホスト名 • IPアドレス • OS種類・バージョン • セキュリティパッチ適用状況 OS/ミドルウェア サーバーOSやミドルウェアに既知の脆弱性がないかを検査し、攻撃のリスクを評価します。 • バッファオーバーフロー • 権限昇格 • 既知の脆弱性(CVE) ネットワークサービス DNS、FTP、メールサーバーなど、提供されているネットワークサービスのセキュリティ設定を評価します。 • サービス設定の不備 セキュリティ設定 サーバーやネットワーク機器の設定がセキュリティ要件を満たしているかを確認し、設定不備によるリスクを洗い出します。 • パスワードポリシー • アクセス制御設定 • 暗号設定(暗号方式、サーバー証明書) アカウント検査 不適切なアカウント設定がないかを確認し、不正ログインのリスクを評価します。 • デフォルトアカウントの有無 • パスワード強度 • アカウントロックアウト設定 通信の安全性 ネットワーク通信におけるプロトコルや暗号化方式の安全性を評価し、盗聴や改ざんのリスクを低減します。 • 暗号化プロトコル(HTTPS, SSH) • 暗号強度 • SSL/TLS設定   アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い:守備範囲と対策 Webアプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらもセキュリティ対策として重要ですが、その守備範囲と対策は大きく異なります。 項目 Webアプリケーション診断 プラットフォーム診断 対象 Webアプリケーション、ソフトウェア OS、ミドルウェア、ネットワーク機器、サーバーなど 診断範囲 アプリケーション固有の脆弱性 システム基盤全体の脆弱性 メリット アプリケーション特有の脆弱性を特定可能 システム全体のセキュリティ状態を把握し、より堅牢な対策を立てられる デメリット システム基盤の脆弱性は対象外 実施が複雑でコストが高くなる可能性 診断方法 ツール診断+手動診断 リモート診断+オンサイト診断 守備範囲:Webアプリケーション vs インフラ 最も大きな違いは、守備範囲です。 Webアプリケーション診断は、Webアプリやスマホアプリなど、ユーザーが直接操作する「アプリケーション」が対象です。 一方、プラットフォーム診断は、サーバー、OS、ネットワーク機器など、アプリケーションを動かす土台となる「ITインフラ」を守備範囲としています。 リスク対策:ユーザーの操作ミス vs システムの弱点 Webアプリケーション診断では、主にユーザーの操作ミスによって発生するリスクに対応します。 例えば、入力フォームへの不正な値の入力や、アプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃などです。 一方、プラットフォーム診断では、システム自体の弱点や、設定ミスによるシステム障害、不正アクセスなどのリスクに対応します。 担当者:開発・運用 vs インフラ管理 Webアプリケーション診断は、アプリを開発・運用する、開発者やWebサイト運営者がメインの担当者です。 一方、プラットフォーム診断は、システム全体のセキュリティを管理するシステム管理者や、ITインフラ担当者が担当します。 費用と期間:アプリの複雑さに比例 一般的に、Webアプリケーション診断の方がプラットフォーム診断よりも、費用が高くなる傾向があります。 これは、Webアプリケーション診断が、ソースコードレベルでの詳細な検査を含む場合があるためです。 また、診断期間もWebアプリケーション診断の方が長くなる傾向があります。 これは、アプリケーションの規模や、機能の複雑さに診断時間が比例するためです。 ただし、これらの費用や期間は、診断の範囲や深さによって大きく変わるため、あくまで目安です。 正確な見積もりは、専門家に相談することをお勧めします。 どちらの診断が向いてる? Webアプリケーション診断とプラットフォーム診断、どちらも重要ですが、組織の状況によって、どちらを優先すべきかが変わってきます。ここでは、それぞれの診断がどのような企業に向いているかを具体的に説明します。 診断種類 対象 向いている企業 Webアプリケーション診断 Webアプリケーション、ソフトウェア Webサービス運営企業、アプリケーションの更新頻度が高い企業、顧客データを扱う企業、セキュリティインシデントが心配な企業 プラットフォーム診断 OS、サーバー、ミドルウェア、ネットワーク機器 大規模なITインフラを持つ企業、クラウドとオンプレミスを併用している企業、ネットワークセキュリティを強化したい企業、法令遵守が必須の企業 Webアプリケーション診断がおすすめの企業 Webアプリケーションやモバイルアプリケーションを開発・運用している企業、特にユーザー情報を扱うサービス提供者に最適です。 以下のような企業は、迷わずアプリケーション診断を優先しましょう。 Webサービスを運営している: ECサイト、SNS、予約システム、会員制サイトなど。 アプリケーションの更新頻度が高い: 新機能の追加やアップデートを頻繁に行う場合。 顧客データを扱っている: 個人情報やクレジットカード情報などを扱う場合。 セキュリティインシデントが心配: 金融、医療、教育など、特にサイバー攻撃の標的となりやすい業界。 プラットフォーム診断がおすすめの企業 IT基盤の安全性を強化したい企業、社内ネットワークやサーバー運用を行うIT管理者に適しています。 以下のような企業は、プラットフォーム診断を優先的に検討するとよいでしょう。 大規模なITインフラを抱えている: 多数のサーバーやネットワーク機器を運用している場合。 クラウドとオンプレミス、両方使っている: AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスと、自社運用のオンプレミス環境を併用している場合。 ネットワークセキュリティを強化したい: 外部からの攻撃はもちろん、内部ネットワークの脆弱性も心配な場合。 法令遵守が必須: 金融や医療など、法令や規制で厳格なセキュリティ基準が求められる場合。 結論:どちらの診断を優先すべきか Webアプリケーションの安全性を最優先したい企業は、迷わずアプリケーション診断から始めましょう。 システム全体のセキュリティを底上げしたい、ネットワーク機器やサーバーの設定を見直したい企業は、プラットフォーム診断が適しています。 そして、より万全なセキュリティ対策を目指すなら、両方の診断を組み合わせるのが理想的です。 アプリ&プラットフォーム診断の導入事例 ここでは、IFTセキュリティ株式会社が実際に行った、アプリケーション診断とプラットフォーム診断の事例をご紹介します。 お客様が抱えていた課題を、どのように解決したのか、具体的に見ていきましょう。 Webアプリケーション診断:大手生命保険会社 大手生命保険会社では、システムリリース前の限られた時間内で効率的に脆弱性診断を実施する必要がありました。 従来の診断方法では時間とコストがかかり、リリーススケジュールに間に合わない可能性がありました。 そこで、短期間で必要な項目に絞って診断を行う「クイックWebアプリケーション脆弱性診断」を導入し、効率的に脆弱性を発見・修正することで、システムの安全性を確保し、期日通りにリリースすることができました。 >>>大手生命保険会社の事例詳細 プラットフォーム診断:自動車メーカー系情報システムサービス 自動車メーカー系情報システムサービスでは、インターネットに公開している各種システムのセキュリティ状況を定期的に把握し、新しい脆弱性に迅速に対応する必要がありました。 従来の脆弱性診断では診断頻度が限られており、新しい脆弱性への対応を早めたいという要望がありました。 そこで、システム環境を定期的に診断し、常に最新の脆弱性情報を把握できる「プラットフォーム脆弱性診断」を導入。 診断結果に基づいて対策を行い、再診断でリスク低減を確認することで、情報漏洩などの重大なセキュリティインシデントを防ぐことができました。 >>>自動車メーカー系情報システムサービス まとめ:最適なセキュリティ対策で、安心を手に入れよう アプリケーション診断とプラットフォーム診断の違い、ご理解いただけたでしょうか? どちらも、組織の「信用」を守るために重要なセキュリティ診断です。 自社の状況をしっかりと把握し、適切な診断を選んで、確かなセキュリティ対策を実施しましょう。 両者を組み合わせることで、より強固なセキュリティ対策となります。 弊社、株式会社アイ・エフ・ティは、15年以上にわたり、Webサイト、スマホアプリ、プラットフォームの脆弱性診断を提供してきました。 豊富な経験と専門知識を持つ診断員が、お客様のニーズに合わせた最適な診断プランを提案し、診断後の報告会や従業員向けの教育サービスなど、手厚いサポート体制を整えております。 セキュリティ対策に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください!

脆弱性診断における「手動診断」とは?特徴やメリットをわかりやすく解説 | 脆弱性診断とは

脆弱性診断における「手動診断」とは?特徴やメリットをわかりやすく解説

脆弱性診断には、大きく「自動診断 or 手動診断」の2種類があるのですが、自動化ツールが普及している現代、なぜ“人間の手による診断”が求められるのでしょうか。 自動診断は多くのシステムで広く導入されており、ツールを使って効率的に脆弱性を検出する手法です。この方法は短時間で多くの部分をチェックできるため、コストや時間の面で非常に有効とされています。しかし、システムが複雑化するほど、自動診断だけでは十分に対応できない部分も出てきます。 一方で、手動診断では、セキュリティの専門家がシステムの構造や特徴に応じて一つひとつの脆弱性を精査します。この方法により、ツールでは見つけられない高度な脆弱性やシステム固有のリスクも検出可能です。 この記事では、手動診断の特長やメリット、そして特にどのような場面で有効となるかについて詳しく解説します。セキュリティ対策の参考にしていただければと思います。 「手動診断」とは?自動診断との違い・特長について 手動診断は、セキュリティ専門家がシステムやアプリケーションの脆弱性を一つひとつ確認していく診断手法です。自動診断ではカバーしきれない部分を補い、特に高度なセキュリティが求められる場面で効果を発揮します。 手動診断ならではのメリット3選 手動診断には、システムの内部構造や特性に基づいてリスクを特定し、複雑な脆弱性を発見するという特徴があります。ここでは、手動診断がもつ3つの主な特徴について解説します。 ①専門家が細部まで診断できる 手動診断は、セキュリティの高度な知識と実践的な経験を持つ専門家が行います。そのため、システムの構造や設計の背景を理解し、単なるツールベースの診断では見つけにくい論理的な欠陥や攻撃パターンに基づく脆弱性も発見できます。 これにより、潜在的なリスクに対してきめ細やかに対応し、システム全体の安全性を高めます。 ②“ツールでは発見が難しい脆弱性”にも対応できる 自動診断ツールは基本的な脆弱性の検出には効果的ですが、複雑で高度な脆弱性に対応するには限界があります。手動診断では、システムの設計や動作を考慮し、攻撃者の視点からセキュリティリスクを特定できます。 例えば、アプリケーション特有の脆弱性やユーザーの操作に依存する特定のシナリオでのリスクも含めて確認することで、精度の高いセキュリティ対策が可能です。 ③システム特有の仕様やリスクにも対応できる 手動診断は、業界特有のリスクやシステムの個別要件に合わせた柔軟な診断が行えることも特徴です。例えば、医療や金融、製造業などの業界では、各分野に特有のセキュリティ要件や規制があります。 手動診断では、こうした業界特有の条件に対応し、システム固有の脆弱性を効果的に発見できます。 自動診断を「補完」するのが手動診断 手動診断も自動診断も、「脆弱性診断」という目的は同じですが、精度・柔軟性・深さの観点で異なる特性を持っています。 まず、精度については、自動診断がルールベースで一般的な脆弱性を検出するのに対し、手動診断は専門家が“システム特有のリスク”を考慮しながら行うため、より高精度です。 深さの点では、手動診断はシステムの設計や動作を深く理解した上で詳細に脆弱性を探すため、自動診断では見つけにくい潜在的なリスクや複雑な脆弱性も発見できます。 このように、自動診断はツールを用いて広範囲にわたるチェックを短時間で行う手法で、基本的な脆弱性を効率よく検出するために活用されます。しかし、自動診断だけでは対応しきれない複雑なリスクが存在するため、これを補完するのが「手動診断」です。 手動診断のメリットとデメリット メリットばかりあるように見える手動診断ですが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、手動診断のメリットとデメリットについて見ていきましょう。 手動診断を選ぶべきメリットとは? 手動診断のメリットは主に下記の3つです。 手動診断のメリット 高精度な診断 柔軟性と適応性 深い洞察と詳細な分析 手動診断の大きなメリットは、その高精度な診断です。セキュリティ専門家がシステムを直接調査することで、自動診断ツールでは検出が難しい複雑な脆弱性や、システム特有の問題を発見できます。 また、専門家の経験を基にした柔軟な対応も可能で、診断対象に合わせたカスタマイズができるため、特殊な設定や業務プロセスを持つシステムにも対応可能です。 さらに、専門家の深い知識に基づいた詳細な分析が行える点も強みです。これにより、脆弱性の影響度や優先度についての具体的な提案が可能になり、より実践的なセキュリティ対策を実施できます。 手動診断ならではのデメリットも 一方で、デメリットは主に下記の3つです。 手動診断のデメリット 高コスト 時間がかかる 診断員のスキルによる差 一方で、手動診断には高コストというデメリットがあります。専門家による診断には多くの時間と労力がかかるため、費用がかさむ傾向にあります。 また、診断を一つひとつ手作業で行うため、診断結果が出るまでに時間がかかる場合があります。このため、速やかな対応が求められるシーンでは不向きな場合もあります。 さらに、手動診断の質は診断員のスキルに依存するため、スキルのばらつきによって診断の一貫性が欠ける可能性があります。一定の品質を保つためには信頼できる専門家に依頼することが求められます。 手動診断が効果を発揮するケースとは? では、どんな時に手動診断が特に有効なのでしょうか?手動診断は、システムのセキュリティが特に重要視される状況や、複雑な構造、あるいは特有の業務フローを持つ環境でその強みを発揮します。 以下に、手動診断が有効となるケースについて説明します。 機密性の高いデータを扱っている企業 金融や医療、法律関連など、機密性の高いデータを取り扱う企業では、セキュリティが最優先事項となります。これらのデータが漏洩すると重大な損害が発生するため、一般的な脆弱性検出だけではなく、システム固有のリスクも考慮して脆弱性を発見する必要があります。手動診断は、こうした高度なセキュリティ要件に応えるため、特に効果的です。 複雑なネットワーク環境を持つ企業への対応 システムが複数の層やネットワーク構造を持ち、相互に依存している場合、自動診断ではすべてを網羅的にチェックするのが難しいことがあります。一方、手動診断では専門家がシステム全体を俯瞰し、相互作用によって生じるリスクを見つけることができるため、このような複雑な環境にも適しています。   自動診断に加え、精度を上げたい場合 自動診断を導入している企業でも、より高精度な診断を求めている場合には手動診断が役立ちます。自動診断で広範囲をカバーし、さらに手動診断で重点的に検証することで、セキュリティの精度をより高めることができます。特に、標準の診断ツールだけでは対応しきれない複雑な状況や特有の業務フローが絡む場合には、手動診断を組み合わせることで、確実なリスク特定が可能です。 「ハイブリット診断」という選択肢もあります!」 手動診断には、自動診断では補いきれない高精度で柔軟なセキュリティチェックが可能というメリットがありますが、その一方でコストや時間の負担が課題です。 そこで、自動診断と手動診断を組み合わせた「ハイブリッド診断」という選択肢があります。 ハイブリッド診断では、まず自動診断でシステム全体の基本的な脆弱性を短時間で検出し、その後に手動診断で特定のリスクや高度な脆弱性を重点的にチェックします。これにより、自動診断の効率性と手動診断の精度の両方を活かした診断が可能となり、コストや時間の面での課題を抑えながらも高いレベルのセキュリティ対策を行うことができます。 弊社でも、自動診断と手動診断を組み合わせた「ハイブリッド診断サービス」を提供しており、コスト効率を重視しながら高精度なセキュリティ対策を実現しています。 手動×自動のハイブリッド型で、コストと精度の両立を! 複雑なリスクやシステム特有の問題には、セキュリティ専門家が手作業で行う手動診断が非常に効果的です。手動診断では、高度な脆弱性や業界特有のリスクもきちんと把握できるため、特に機密情報を扱う企業や複雑なシステムを持つ企業にとって大変有益です。また、ハイブリッド診断を活用することで、自動診断と手動診断の良いところを組み合わせて、効率的で精度の高い診断が可能になります。 株式会社アイ・エフ・ティでは、コスト効率と高精度を両立した「ハイブリッド診断サービス」をご提供しています。自動診断と手動診断を組み合わせて、効率的かつ精度の高い脆弱性診断を行います。セキュリティ対策にご興味がありましたら、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

徹底比較!リモート診断とオンサイト診断 | 最適な脆弱性診断の選び方 | 脆弱性診断とは

徹底比較!リモート診断とオンサイト診断 | 最適な脆弱性診断の選び方

脆弱性診断には「リモート診断」と「オンサイト診断」の2種類があります。 「リモート診断とオンサイト診断の違いって何?」 「費用はどのくらいかかるの?」 「自社に最適な方法はどちらなの?」 このような疑問を持つ方もいるかもしれません。 それぞれの診断方法には特徴やメリット・デメリットがあるため、診断対象や予算、セキュリティ要件に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。 この記事では、リモート診断とオンサイト診断の違いを分かりやすく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用、そして最適な診断方法を選ぶためのポイントを詳しく説明します。この記事を読むことで、自社に最適な脆弱性診断を選べるようになりますよ。 リモート診断とは?場所を選ばず低コストが特徴 まずは、リモート脆弱性診断の詳細な方法や特徴、メリット・デメリットについて見ていきましょう。 リモート診断の実施方法とその特徴 リモート診断は、インターネットを通じて診断対象のシステムにアクセスし、脆弱性を検査する方法です。自動診断ツールを使用するため、短期間で広範囲の脆弱性を検出でき、オンサイト診断に比べて費用を抑えられる点が特徴です。 リモート診断が選ばれる理由と3つのメリット リモート診断は、多くの企業で採用されるコスト効率と手軽さが大きな魅力です。特に、限られた予算やリソースでセキュリティ対策を進めたい企業にとっては相性がいいでしょう。その具体的なメリットを見ていきましょう。 リモート診断の3つのメリット コスト削減 スピーディな診断 地理的制約なし 1つ目のメリットは、コストの削減です。リモート診断では、現地調査が不要なため交通費や宿泊費がかからず、費用が抑えられます。そのため、中小企業やスタートアップ企業でも手の届く価格で利用できます。 2つ目のメリットは、診断の時間です。必要な情報(対象のIPアドレスやネットワーク構成など)を提供するだけで診断がすぐに始められ、初期設定や準備に多くの時間を必要としません。その結果、短期間でセキュリティリスクを把握することが可能です。 最後に、地理的制約がない点もリモート診断の強みです。たとえば、全国に拠点を持つ企業や、海外支社を含む多拠点の診断が必要な場合でも、すべてをリモートでカバーできます。 リモート診断のデメリットと注意点 一方で、リモート診断にはいくつかの制約もあります。特に、診断が外部からのアクセスに依存していることが主な要因です。この特性を踏まえ、デメリットについて理解しておきましょう。 リモート診断のデメリット 調査範囲の制限 ネットワーク依存度の高さ 検知精度の限界 まず、調査範囲の制限です。リモート診断は、外部からアクセス可能な部分に限定されるため、内部ネットワークやシステムの詳細な調査には向いていません。社内専用システムの診断が必要な場合は、オンサイト診断の方が適しています。 また、ネットワーク依存度の高さも課題です。ネットワークが不安定な場合や、ファイアウォール設定でアクセスが制限されている場合、診断がスムーズに進まないことがあります。 最後に、検知精度の限界も挙げられます。自動化ツールに依存するため、オンサイト診断ほどの深い解析は期待できません。より詳細で高度な診断が必要な場合には、他の手段で補完する必要があります。 リモート診断の費用とその影響要因 リモート診断の費用は、一般的に 数万円から十数万円 程度が相場とされています。ただし、以下の要因によって費用が変動します。 診断対象の規模: サーバー数やネットワークの広さに応じて費用が増加します。 診断ツールの種類: 高度なツールを使う場合は、コストも増えることがあります。 追加オプション: 詳細な報告書や対策案の提供などのオプションが含まれる場合は、追加料金が発生することがあります。 オンサイト診断とは?システム内部まで徹底調査 次に、オンサイト診断の詳細な方法や特徴、メリット・デメリットについて見ていきましょう。 オンサイト診断の実施方法と特徴 オンサイト診断は、診断員が実際に現地に赴き、システムやネットワーク機器を直接検査する方法です。リモート診断では検出が難しい内部の脆弱性や設定ミスを発見できるのが大きな強みです。診断員による詳細な分析と顧客環境に合わせたカスタマイズが可能です。 オンサイト診断の3つのメリットと強み オンサイト診断の3つのメリット 詳細な調査が可能 カスタマイズ診断 精度の高さ オンサイト診断のメリットの一つは、その調査精度の高さです。リモート診断では内部ネットワークや専用システムの脆弱性も詳細に調査できます。特に重要なデータや複雑なシステムを運用する企業にとって大きなメリットです。 例えば、オンサイト診断では、物理的な構成やデバイス間の通信状況を直接確認できるため、セキュリティ上の弱点を網羅的に特定できます。また、業界特有の要件に応じて診断内容を柔軟に調整できる点も、企業ごとのニーズに対応できる理由の一つです。 オンサイト診断のデメリットと注意点 オンサイト診断のデメリット 費用が高い 診断に時間がかかる 診断する人の訪問が必要 一方で、オンサイト診断にはいくつかの制約があります。その中でも大きいのは、コスト面です。リモート診断と比較して、リモート診断に比べ、技術者の訪問に伴う交通費や宿泊費、人件費がかかるため、全体の費用が高くなる傾向があります。 また、診断を実施するためには、スケジュール調整や現地作業が必要となり、診断に時間がかかることがあります。さらに、多拠点にわたるシステムを診断する場合には、各拠点ごとに技術者の訪問が必要となり、コストや時間がさらに増加する可能性があります。 オンサイト診断の費用とその目安 オンサイト診断の費用は、診断対象範囲やシステムの複雑さ、診断期間によって異なりますが、一般的には30万円から100万円程度が相場です。規模が大きい場合や特殊な診断が必要な場合はさらに高額になることもあります。 リモート診断とオンサイト診断の比較:コスト重視か精度重視か ここまで見てきたように、リモート診断とオンサイト診断にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自社の目的や状況に応じて選ぶことが重要です。ここでは、両者を具体的に比較し、選択時のポイントを解説します。 リモート診断とオンサイト診断の違いを一覧で比較 まず、リモート診断とオンサイト診断の違いを整理してみましょう。 ポイントとしては、以下の5つです。 予算: 費用対効果を考慮し、予算内で実施できる診断方法を選ぶ。 システムの重要度: 重要度の高いシステムは、より精度の高いオンサイト診断を検討する。 診断対象: Webアプリケーション、プラットフォームなど、診断対象によって適切な方法が異なります。 セキュリティ要件: 必要なセキュリティレベルに応じて、診断方法を選ぶ。 診断のスピード: 迅速な診断が必要な場合は、リモート診断が適しています。 以下の表は、このポイントに基づいた両者の比較を示しています。 比較項目 リモート診断 オンサイト診断 診断範囲 外部からアクセス可能なシステムに限定 内部ネットワークや物理デバイスも含む 実施場所 インターネット経由で遠隔から実施 現地で直接診断 コスト 低い 高い 時間 短い(数時間~数日) 長い(1日~1週間) 精度 自動診断に依存し、比較的限定的 手動診断を併用し、高精度 適用シーン 初期診断やコスト重視の場面に最適 詳細調査や重要システムの診断に最適 この比較から、リモート診断はコストと手軽さを重視する場合に有効である一方、オンサイト診断は精度や詳細調査を求める場面で最適であることがわかります。 リモート診断が向いているケース リモート診断は、その手軽さと低コストで多く利用されています。たとえば、初期段階でセキュリティのリスクをチェックしたい場合や、外部に公開しているシステムやWebアプリを対象にする場合に向いています。また、場所に関係なく診断できるので、複数の拠点にあるシステムを一度に診断したいときにも便利です。 小規模なWebサイトの診断 予算を抑えたい場合 迅速な診断結果が必要な場合 定期的なセキュリティチェック オンサイト診断が向いているケース 一方で、オンサイト診断は、社内のネットワークや機密性の高いシステムを調べる際に強みを発揮します。 たとえば、金融機関や医療機関など、極めて重要なデータを扱う業界では、セキュリティを十分に確保する必要があるため、正確な診断が求められます。また、業界の規則や法律に適合させるために、システム全体を詳しく調査することが求められる場合もあります。 大規模で複雑なシステムの診断 機密性の高い情報を扱うシステムの診断 リモート診断で見つけられなかった脆弱性の再調査 専門家による詳しいコンサルティングが必要な場合 どちらが適しているか迷っている場合は専門家にご相談を! リモート診断とオンサイト診断の違いを解説し、それぞれの強みや選び方を具体的に紹介しました。 リモート診断は手軽で低コスト、初期段階のリスク把握に最適です。一方で、オンサイト診断は精度が高く、内部ネットワークや重要システムの詳細調査が可能です。どちらも状況に応じた活用が重要であり、目的やシステムの規模を考慮することで、効率的にセキュリティ対策を進められます。 弊社アイ・エフ・ティでは、お客様のニーズに合わせた最適な脆弱性診断サービスを提供しており、専門スタッフが丁寧にヒアリングを行い、最適なプランをご提案します。 リモート診断とオンサイト診断のどちらが適しているか迷っている場合も、安心してご相談いただけますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください!

【無料あり】脆弱性自動診断ツールおすすめ15選!選び方から特徴までを解説 | 脆弱性診断とは

【無料あり】脆弱性自動診断ツールおすすめ15選!選び方から特徴までを解説

外部からの不正アクセスや脆弱性を見逃さないための「脆弱性診断ツール」の導入は、企業のリスクマネジメントにおいて欠かせません。 脆弱性診断ツールにはさまざまな種類があり、商用の高機能ツールからオープンソースの無料ツールまで幅広く存在します。それぞれのツールには異なる特徴があり、自社に最適なツールを選ぶためには、それらの違いをしっかりと理解する必要があります。 本記事では、脆弱性診断ツールの基本的な役割や種類、そして無料・有料ツールの比較や選び方を詳しく解説します。最適なツール選びの参考としていただければと思います。 脆弱性診断ツールとは? 脆弱性診断ツールは、企業のITシステムやネットワークに潜む脆弱性を検出し、サイバー攻撃による被害を未然に防ぐための重要なセキュリティ対策です。システム内部で発生する不具合や、開発段階で見逃されがちなセキュリティホールを自動で発見し、適切な対策を取るためのサポートをします。 多くの企業では、自社内でのセキュリティ対策を行っていますが、内部リソースのみで完全な診断を行うには限界があります。内部の視点に加え、外部からの専門的な視点がなければ、新たな脅威や複雑化する攻撃手法に対処しきれない場合もあります。 そのため、脆弱性診断ツールを活用し、最新の攻撃手法に対応した強固なセキュリティ対策を行うことが求められています。 脆弱性診断ツールの種類と特徴 脆弱性診断ツールには、目的や導入方法に応じてさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、手動診断と自動診断、およびクラウド型とオンプレミス型という二つの視点から、各ツールの特徴を解説します。 手動診断と自動診断の違いと選び方 手動診断 セキュリティ専門家が手作業で診断を行う方法です。手動診断は、自動ツールでは発見が難しい高度な脆弱性や、特定のシステムに依存する脆弱性を検出するのに適しています。 しかし、診断には高い専門知識が必要で、時間とコストがかかるのがネックです。 自動診断 一方で、自動診断ツールはシステム全体をスキャンし、幅広い範囲で脆弱性を速やかに発見します。設定や運用も比較的容易であり、企業のリソースを節約できるのが利点です。 ただし、既知のパターンに基づいて診断するため、複雑な脆弱性や新手の攻撃手法を見逃すことがあるのが弱点です。 クラウド型とオンプレミス型の違いと選び方 クラウド型 クラウド型の診断ツールは、インターネットを介して診断を実行します。導入の手間が少なく、初期費用を抑えられる点が特徴です。また、診断結果やアップデートが自動で行われるため、常に最新のセキュリティ情報に基づいた対策が可能です。 特に、小規模な企業や導入コストを抑えたい企業に向いています。 オンプレミス型 オンプレミス型のツールは、自社サーバーに直接インストールして利用する形式です。クラウドへの情報漏洩リスクがなく、カスタマイズが可能な点が魅力です。 特に、情報の秘匿性が重視される業界ではオンプレミス型が選ばれることが多いですが、運用管理のコストが高くなりがちな点に注意が必要です。 脆弱性診断ツールの無料版・有料版の違いと比較 脆弱性診断ツールには無料版と有料版があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、無料ツールと有料ツールの違いについて解説します。 以下の表で、無料版と有料版の主な違いを比較します。 特徴 無料版 有料版 コスト 無料 月額料金または年間料金が発生 診断精度 基本的な脆弱性に対応 より高度で広範囲な脆弱性をカバー サポート体制 基本的にサポートはなし(またはコミュニティ頼り) 公式サポートチームによる対応 レポート機能 限定的 詳細なレポート機能やカスタマイズ可能なレポート 更新頻度 コミュニティによる不定期な更新 定期的なアップデートで最新の脅威に対応 ツールの連携 限られた連携機能 他のセキュリティツールとスムーズに連携可能 無料ツールの特徴 無料で利用できるツールは、予算が限られている企業や、初めて脆弱性診断に取り組む企業に向いています。 無料ツールの中には、オープンソースの脆弱性診断ツール(例:OWASP ZAPやNmap)もあり、これらは世界中のユーザーコミュニティからのサポートや開発が続けられています。無料ツールの利点は、コストを抑えつつ基本的な脆弱性診断ができる点ですが、サポート体制が十分でないことや、検出できる範囲が限定されることもあります。 有料ツールの特徴 有料ツールは、無料版にはない機能を備えていることが多く、特に高精度な診断や迅速なサポートが必要な企業に適しています。 たとえば、サイバー攻撃のリスクが高い業界では、有料ツールが提供する詳細なレポートやカスタマーサポートが大きな助けとなります。また、定期的なアップデートや高度な診断機能が追加されているため、セキュリティ対策の強化に役立ちます。 無料版と有料版のどちらを選ぶかは、組織の規模、セキュリティニーズ、予算、技術力などを考慮して判断する必要があります。大規模な組織や高度なセキュリティが求められる場合は、初めから有料版の導入を検討するのが望ましいでしょう。 脆弱性診断ツールを比較する際の選び方   脆弱性診断ツールを選ぶ際には、具体的な基準を設けることが重要です。具体的には以下の点を考慮する必要があります。 診断項目の精度は十分か? 予算に見合ったコストパフォーマンスはあるか? サポート体制の充実度はどうか? 業務規模や将来的な拡張性に対応できるか? 他のセキュリティツールとスムーズに連携できるか? ツール導入と業者依頼、どちらが適しているか? 上記のポイントを意識しながら、「診断要件」「運用要件」「予算やセキュリティ要件」といった視点から、自社に必要な機能を備えたツールを選ぶことが重要です。 より詳細な選定基準や、具体的な判断軸について知りたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。 おすすめ脆弱性診断ツール15選(無料あり) ここでは、特に信頼性や利便性の高い有料・無料ツールをいくつかご紹介します。自社の環境やニーズに合ったツール選定の参考にしてください。 無料ツールのおすすめ Cloudbric 脆弱性診断 Cloudbricは、エキスパートによる脆弱性診断と独自の脅威インテリジェンスを組み合わせた無料の診断ツールです。 Webサイト、アプリケーション、プラットフォーム全般を対象とし、広範な脆弱性を効率よく発見できます。独自の脅威データを活用するため、他の一般的な無料ツールよりも診断精度が高く、迅速な対応が求められる中小企業から大企業まで幅広い企業に対応可能です。 特に、日本市場に適したサポートやドキュメントが整っている点も強みです。 項目 内容 診断対象 Webサイト、アプリケーション、プラットフォーム 連携 他のセキュリティツールと連携可能 向いている企業規模 小規模から大企業まで幅広く対応 コスト 無料、基本診断機能を備える Cloudbric 脆弱性診断公式サイト OpenVAS OpenVASは、オープンソースで提供される強力な脆弱性スキャナーで、複数のプロトコルに対応し、幅広いネットワークの脆弱性を網羅的に診断できます。 企業のニーズに合わせたカスタマイズも可能で、柔軟な運用が可能です。オープンソースコミュニティによるサポートも充実しており、特に予算を抑えながらも本格的な診断を希望する企業やセキュリティ専門家に適しています。 ただし、設定や操作には一定の技術的知識が求められるため、経験のあるエンジニアがいる環境での利用が推奨されます。 項目 内容 診断対象 ネットワーク全体 カスタマイズ プラグインベースで柔軟にカスタマイズ可能 向いている企業規模 小規模から大企業まで コスト 無料 OpenVAS公式サイト Nikto Niktoは、Webサーバーの脆弱性を迅速に検出するシンプルなスキャナーです。約6,700種類以上の脆弱性パターンを含む大規模なデータベースを使用しており、特定の危険なファイルやセキュリティ設定の不備を効率的に検出します。 特に、開発環境やセキュリティ専門家が手動でのサーバーチェックを行いたい場合に効果的です。 しかし、検出範囲がWebサーバーに限定されるため、総合的なセキュリティ診断を希望する企業は、他のツールとの併用を検討するとよいでしょう。 項目 内容 診断対象 Webサーバー 特徴 シンプルなインターフェースでスキャン 向いている企業規模 小規模から中規模企業 コスト 無料 Nikto公式サイト OWASP ZAP OWASP ZAPは、Webアプリケーションの脆弱性診断に特化したオープンソースのスキャナーで、初心者から専門家まで広く利用されています。 自動スキャンと手動テストの両方の機能を備えており、開発者が脆弱性を発見・修正する際のテストツールとしても活用できます。 豊富なプラグインと拡張機能があり、企業ごとの要件に合わせてカスタマイズできるため、さまざまな企業にフィットします。日本語での情報が充実していることから、日本の企業にも導入しやすいツールです。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 使いやすさ 初心者にも扱いやすいシンプルなUI 向いている企業規模 小規模から大企業まで コスト 無料 OWASP ZAP公式サイト 有料ツールのおすすめ GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービス GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービスは、国内トップクラスのホワイトハッカーが担当する高精度な診断が特徴です。 Webアプリケーションやスマートフォンアプリ向けの診断に対応しており、特にWebサイトやアプリのセキュリティ強化に力を入れたい企業に適しています。 国内企業ならではの迅速なサポートが受けられる点も魅力です。診断結果は詳細なレポートとして提供されるため、非専門家でも現状を理解しやすく、迅速に対応策をとることが可能です。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション、スマホアプリ 特徴 高精度な診断と国内のホワイトハッカーによるサポート 向いている企業規模 中小企業から大企業まで コスト 有料 GMOサイバーセキュリティ脆弱性診断サービス公式サイト VAddy VAddyは、開発プロセスの中で脆弱性診断を自動化するWebアプリケーションスキャナーです。CI/CDプロセスへの統合が可能で、開発者が手動で診断を行う手間を省きながら、セキュリティを強化できます。 特にDevOpsを実践している企業にとって、効率的にセキュリティテストを行うための優れたツールです。また、開発者向けに設計されており、直感的な操作で利用できるため、導入から運用までスムーズに進められます。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 自動化・CI/CD連携に特化 向いている企業規模 DevOps実践企業、小規模から大企業まで コスト 有料 VAddy公式サイト SIDfm SIDfmは、脆弱性情報の収集・管理・優先順位付けを自動化し、日本語での詳細な解説とパッチ情報を提供する有料ツールです。 特に、日本市場に適したインターフェースで、日本の企業が安心して利用できるようサポートされています。 常に最新の脆弱性情報を基に診断を行い、企業のリスク管理をサポートする点で、高リスク業界において強力なツールとなるでしょう。 項目 内容 診断対象 システム全体の脆弱性 特徴 日本語の詳細な解説とパッチ情報 向いている企業規模 小規模から大企業まで コスト 有料 SIDfm公式サイト 無料版と有料版の両方があるツール Vex VexはWebアプリケーション向けに設計された脆弱性診断ツールで、豊富な診断実績と進化を続ける機能が特徴です。 無料トライアル版と有料版が用意されており、無料版でも基本的な脆弱性診断が可能ですが、有料版ではさらに広範囲で詳細な診断が可能です。特に、Webアプリのセキュリティ強化に注力する中小企業から大企業まで、幅広く利用されています。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 無料トライアル/有料版の両方あり、幅広い診断項目 向いている企業規模 中小企業から大企業まで コスト 無料トライアル・有料 Vexによる診断サービス クイックWebアプリ脆弱性診断 AeyeScan AeyeScanはAIとRPA技術を活用したSaaS型のWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。非エンジニアでも簡単に操作でき、使いやすいインターフェースが特徴です。 自動化された診断機能により、企業の負担を軽減しながらセキュリティ対策を強化します。中堅企業から大企業まで、さまざまな業界で導入されており、スケーラブルなセキュリティ対策を提供します。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 SaaS型の利便性と高度なAI活用 向いている企業規模 中堅企業から大企業 コスト 無料トライアル・有料 AeyeScan公式サイト WEBセキュリティ診断くん WEBセキュリティ診断くんは、簡単な登録を行うだけで利用できる脆弱性診断ツールで、特に中小規模の企業や初心者向けに設計されています。 診断結果が分かりやすく表示されるため、専門的な知識がなくても脆弱性のリスクを把握し、対策を考えることが可能です。 無料トライアル版と有料版があります。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 専門知識なしでも利用可能 向いている企業規模 小規模から中規模企業 コスト 無料トライアル・有料 WEBセキュリティ診断くん公式サイト Nessus Nessusは、幅広いプラグインデータベースを活用し、システム全体の脆弱性評価を自動化するツールです。ネットワークやホスト全体をカバーし、特に規模が大きい企業に適しています。 また、専門的なセキュリティ設定をサポートするため、カスタマイズ性が高く、セキュリティチームの一員として活躍します。無料版と有料版があり、無料版では基本機能を試すことが可能です。 項目 内容 診断対象 ネットワーク、システム全体 特徴 自動化された広範囲な脆弱性評価 向いている企業規模 中小企業、特に50-200人規模の企業 コスト 無料・有料 Nessus公式サイト Burp Suite Burp Suiteは、Webアプリケーションの脆弱性診断に特化した統合プラットフォームで、手動と自動のテスト機能を提供しています。 特に、開発チームやセキュリティ専門家がリスクの高い脆弱性を見つける際に便利で、プラグインやAPI連携を活用して柔軟にカスタマイズできます。 無料版と有料版があり、無料版は基本的な診断機能を提供しますが、有料版では高度な診断機能が利用可能です。 項目 内容 診断対象 Webアプリケーション 特徴 手動・自動診断の両方に対応 向いている企業規模 小規模チームから大企業まで コスト 無料・有料 Burp Suite公式サイト ImmuniWeb ImmuniWebは、AIと人間のテストを組み合わせた総合的なアプリケーションセキュリティテストプラットフォームです。Webアプリケーション、API、モバイルアプリの診断に対応し、特に金融や医療など高リスク業界に適しています。 AIによる迅速な診断と、人間のテストによる精度の高い分析が特徴で、無料トライアル版と有料版があります。有料版では詳細なレポートや迅速なサポートが付与されます。 項目 内容 診断対象 アプリケーション全般 特徴 AIテストと人間によるチェックを組み合わせた精度の高い診断 向いている企業規模 中堅企業から大企業、特に規制産業 コスト 無料トライアル・有料 ImmuniWeb公式サイト Securify Securifyは、攻撃者の視点でリスク評価を行うアセット管理(ASM)と脆弱性評価を統合したプラットフォームです。スタートアップや中小企業が、コストを抑えながら包括的な脆弱性管理を行えるよう設計されています。 SaaS型のため、導入が簡単で、利用者のニーズに合わせたスケーラビリティを持っています。無料版と有料版があり、無料版では基本的なリスク評価と脆弱性管理が可能です。 項目 内容 診断対象 システム全体のリスク評価 特徴 攻撃者視点の診断でリスク評価を実施 向いている企業規模 小規模から中規模企業、スタートアップ コスト 無料・有料 Securify公式サイト 診断ツールに迷ったら専門業者に相談してみよう 今回の記事では、脆弱性診断ツールの種類や無料版と有料版の違い、選定基準から、おすすめのツール紹介について詳しく解説しました。 無料ツールはコストを抑えつつ基本的な診断が可能ですが、有料ツールは高度な診断精度とサポートが付帯し、企業の規模やセキュリティ要求に応じて使い分けることが推奨されます。 高リスク業界や専門知識が不足している場合は、専門業者への依頼も検討すべきでしょう。 アイ・エフ・ティの脆弱性診断サービスは、お客様のセキュリティニーズに応える高品質なサービスを提供しています。 業界シェアNo.1の診断ツール「Vex」の使用、初回診断から3カ月以内の無料再診断、そして手厚いアフターサポートにより、特に初めて脆弱性診断を受ける企業や専門知識を持つ担当者がいない企業に最適なソリューションを提供しています。 お客様のセキュリティ課題解決に向けて、ぜひアイ・エフ・ティの脆弱性診断サービスについて、お気軽にご相談ください。  

初めての脆弱性診断 | 会社の選び方や見極め方を伝授します | 脆弱性診断とは

初めての脆弱性診断 | 会社の選び方や見極め方を伝授します

サイバー攻撃の脅威が進化する中で、企業のセキュリティ対策は避けて通れない課題です。 多くの組織が脆弱性診断の重要性を認識し始めていますが、実際に会社を選ぶとなると「どの会社に依頼すればいいのか」「正直、違いがわからない」と悩んでしまうことがよくあります。 会社(セキュリティベンダー)選びは迷うところですが、実はここがとても重要なポイントです。   信頼できる会社を選べば、潜んでいる脅威をしっかり把握し、効果的な対策ができます。一方で、不適切な会社を選んでしまうと、大事な脆弱性が見過ごされてしまったり、余計なコストがかかるリスクもあります。 それでは、どうやって適切な会社を選べばいいのでしょうか。 この記事では、信頼できる脆弱性診断会社を選ぶためのポイントや、注意しなくてはならない点、そして長く信頼できるパートナーとなるための基準について詳しくご紹介します。 脆弱性診断サービス選びでチェックしたい5つのポイント 脆弱性診断の会社を選ぶ際に、ついつい金額的な部分に目がいきがちですが、注意したい点がいくつかあります。これらの注意点に気を付けないと、せっかく脆弱性診断をしたのに、結局リスクが解消されておらず、無駄になってしまったということも。 ここでは、会社選びで注意しなくてはいけない、見極めなくてはいけない点と、失敗を避けるための具体的な注意点について説明します。 ①自社ニーズに合った「診断範囲」であるか 会社が提供する診断範囲が、自社のニーズに合っているかどうかを確認することが大切です。WebアプリケーションやAPI、ネットワークインフラなど、診断対象はいろいろあります。 自社のシステム構成や業務内容を踏まえて、必要な診断対象がカバーされているか、会社と相談してみましょう。 たとえば、ECサイトを運営している場合、決済システムやユーザーデータの管理部分に特に注意を払う必要があります。診断範囲が狭いと、重要な脆弱性が見落とされる可能性があるので、慎重に検討することが大事です。 ②自社のセキュリティ要件に合った「診断方法」であるか 会社が採用する診断方法を確認することも必要です。一般的には、自動化されたツールを使った診断と、専門家による手動診断の組み合わせが効果的です。 自動診断は広い範囲を効率的にカバーするのに適していますが、手動診断は複雑な脆弱性や業務ロジックに関連する問題を見つけるのに向いています。 会社に具体的な診断プロセスや使用するツールについて尋ねて、その方法が自社のセキュリティ要件を満たしているか確認しましょう。特に、業界標準のツールや最新の診断技術を使っているかは、しっかりチェックしたいポイントです。 ③「アフターケア」が充実しているか 診断後のフォローも重要です。脆弱性が見つかったときに、その対応策や改善の提案をどう提供してくれるのか、事前に確認しておくことが必要です。具体的には、次の点を確認しましょう。 詳細な報告書を出してくれるか 脆弱性の重要度や優先度を明確に説明してくれるか 具体的な改善策を提案してくれるか 再診断サービスがあるかどうか 優れた会社は、ただ問題点を指摘するだけでなく、その解決策についても具体的にアドバイスしてくれます。セキュリティ対策は継続的に行うことが大切なので、定期的な診断や相談の機会を設けてくれる会社を選ぶことも検討しましょう。 弊社IFTでは、発見された脆弱性に対して具体的な対策・方針のご提案や、報告会サービス、初回診断から3カ月以内の無料再診断など提供しております。 ④総合的に見て「費用対効果」が高いか コストは大事な要素ですが、最も安い会社を選ぶのは賢明ではありません。診断の質や範囲、アフターサポートなどを総合的に考えて、費用対効果の高い会社を選びましょう。 見積もりを取るときは、診断内容の詳細な内訳をもらい、追加料金が発生する可能性がないかも確認しておくことが大切です。また、長期的な視点で、継続的な診断やサポートにかかる費用も考慮しましょう。 ⑤業界での「実績と信頼性」があるか 最後に、会社の実績と信頼性を確認しましょう。以下の点をチェックしてみてください。 業界での評判や導入実績 セキュリティ関連の認証資格(情報処理安全確保支援士など)を持つ専門家がいるかどうか 最新の脅威に対する知見や研究実績があるか 信頼できる会社は、過去の実績や事例を積極的に共有してくれるはずです。また、セキュリティ業界での活動や貢献も、その会社の専門性と信頼性を示す大事な指標です。 これらの基準とチェックポイントを押さえることで、自社にぴったりの脆弱性診断会社を選ぶ確率がぐんと上がります。ただし、選定には時間と労力がかかるので、計画的に進めることが大切です。 続いて、会社選びで見落としがちな注意点とその対策についてもご紹介します。 会社選びで見極めたい6つの注意点   脆弱性診断の会社を選ぶ際に、ついつい金額的な部分に目がいきがちですが、注意したい点がいくつかあります。 これらの注意点に気を付けないと、せっかく脆弱性診断をしたのに、結局リスクが解消されておらず、無駄になってしまったということも。 ここでは、会社選びで注意しなくてはいけない、見極めなくてはいけない点と、失敗を避けるための具体的な注意点について説明します。 ①「安さ」だけで選ばない 最も安い会社を選ぶことは、短期的にはコスト削減につながるかもしれませんが、長期的には大きなリスクを伴うことがあります。 低価格の裏には、診断の精度や対応範囲の不足が隠れていることがあるからです。 注意点 価格だけでなく、診断内容や使用するツール、専門家の経験などを総合的に評価する 長期的なコスト効果を考慮して、アフターサポートの質も重視する たとえば、最安値の会社を選んだ結果、重要な脆弱性が見逃され、後に大規模なデータ漏洩事故を引き起こしてしまうこともあり得ます。これでは元も子もありません。価格だけでなく、他の要素もよく検討することが必要です。 ②必ず複数会社から「見積もり」を取得する 一つの会社だけに頼ると、相場や各会社の特徴を把握することが難しくなります。複数の会社から見積もりを取ることで、価格やサービス内容を比較し、より適切な選択が可能になります。 注意点 最低でも3社以上の会社から見積もりを取る 各会社の提案内容を詳細に比較し、自社のニーズに最も合う会社を選ぶ ③見積書の「一式」は、追加料金の可能性も 「一式」と書かれた見積書には注意が必要です。このような曖昧な表記は、後から追加料金が発生することがあります。 注意点 診断項目ごとの詳細な内訳を求める 追加料金が発生する可能性のある項目について事前に確認する たとえば、「脆弱性診断一式」という表記ではなく、「Webアプリケーション診断」「ネットワーク診断」「データベース診断」など、具体的な項目ごとの内訳を確認しましょう。 ④「診断範囲」に漏れがないか確認する 診断の対象が曖昧だと、大事な部分が診断されないことがあります。自社のシステム構成を十分に理解し、必要な診断範囲を明確に定義することが大切です。 注意点 自社のシステム構成を詳細に把握し、診断が必要な範囲を明確にする 会社と事前に診断範囲を確認し、必要な診断がカバーされているか確認する ⑤「アフターフォロー」の質が不十分 脆弱性が見つかった後の対応も、セキュリティ対策の大事な部分です。診断後のサポート体制が不十分な会社を選んでしまうと、脆弱性対策が適切に実施されない可能性があります。これでは本末転倒です。 システムに詳しい担当者がいない企業様も多いので、アフターフォローで寄り添ってくれる会社を選びたいですね。 注意点 診断結果の詳細な報告書の提供有無を確認する 脆弱性対策のアドバイスや具体的な改善提案があるか確認する 再診断サービスの有無や条件を確認する ⑥「コミュニケーション」の質=「診断やサポート」の質 会社の対応の速さや正確さは、その会社の信頼性を示す大事な指標です。会社とのやり取りを通じて、コミュニケーションの質を評価することが重要です。 注意点 質問への回答の速さと正確さを確認する 技術的な質問に対する回答の的確さを評価する 会社の担当者の態度や熱意を観察する たとえば、質問への回答が遅かったり、曖昧な回答しか得られない会社は、実際の診断やサポートでも同様の問題が起こる可能性が高いので避けた方がいいでしょう。 これらの注意点を押さえることで、脆弱性診断会社の選定で失敗するリスクを大幅に減らすことができます。 IFTならこのような不安を解消します!   アイ・エフ・ティ(IFT)では、会社・サービス選びの不安を解消し、お客様に最適なセキュリティソリューションを提供いたします。 他社との違いがわからない 診断内容がわからない 診断後が不安 こんな悩みを解決します。 IFTができること 高精度かつ透明性の高い診断: 業界シェアNo.1の診断ツール「Vex」を使用し、高精度な診断を実施。さらに、診断プロセスを詳細に説明し、専門知識がなくても理解できるよう配慮しています。 充実したアフターサポート: 診断結果の詳細な報告会を実施し、改善策を具体的に提案。さらに、初回診断から3カ月以内の再診断を無料で提供し、対策の効果を確認できます。 カスタマイズ可能な診断と教育支援: お客様のニーズに合わせた診断範囲の設定が可能。また、セキュリティ担当者がいない企業向けに、基礎的な社内教育支援も行っています。 高い費用対効果: 必要な診断のみを組み合わせたコスト効率の高いサービスを提供し、無駄なコストを抑えつつ、効果的なセキュリティ対策を実現します。 IFTの脆弱性診断サービスは、単なる技術的な診断にとどまりません。「Web」すなわちシステムの脆弱性と、「人」すなわち組織や従業員のセキュリティ意識や行動の両面からサポートを提供します。 初めての診断でも安心して利用できる、きめ細やかなサポートを提供いたします。脆弱性診断を受診したことがない、システムに詳しい担当者がいない「はじめての脆弱性診断」に寄り添うサービスを提供いたします。 詳しくは、「IFTが選ばれる理由」をご覧ください。 まとめ:自社に最適な脆弱性診断サービスを選びましょう! 本記事では、脆弱性診断サービス業者の選定における重要なポイントを解説しました。 適切な診断範囲の確認、診断方法の理解、サポート体制の評価、そして長期的なパートナーシップの重要性について詳しく説明しました。 アイ・エフ・ティの脆弱性診断サービスは、これらの重要ポイントを全て満たし、お客様のセキュリティニーズに応える高品質なサービスを提供しています。 業界シェアNo.1の診断ツール「Vex」の使用、初回診断から3カ月以内の無料再診断、そして手厚いアフターサポートにより、特に初めて脆弱性診断を受ける企業や専門知識を持つ担当者がいない企業に最適なソリューションを提供しています。 お客様のセキュリティ課題解決に向けて、ぜひアイ・エフ・ティの脆弱性診断サービスについて、お気軽にご相談ください。

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