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プラットフォーム診断とは? 自社に必要か見極める判断基準と効果・注意点

プラットフォーム診断とは? 自社に必要か見極める判断基準と効果・注意点 | 脆弱性診断とは

自社のサーバーやネットワーク機器といったITインフラのセキュリティ、「Webアプリケーション診断だけ」で本当に安心できるでしょうか。

十分に目が届きにくいシステムの「土台」部分に潜む脆弱性が、 重大なインシデントを引き起こすケースもしばしば見られます。

そこで大切になるのが、OSやミドルウェア、ネットワーク機器の安全性をチェックする『プラットフォーム診断』です。

この記事では、プラットフォーム診断とは何か、その効果や受ける際の注意点、そして自社にとって本当に必要かどうかの判断基準まで、専門家の視点からわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、こんな疑問が解決します
  • プラットフォーム診断とは、具体的に何をするものか。
  • 診断を受けることで、どのような効果が期待できるか。
  • 診断を受ける際に、考慮しておきたい点は何か。
  • 自社にとって、プラットフォーム診断は必要なのか。
  • 逆に、診断の優先度が低いのはどのようなケースか。

プラットフォーム診断とは?


「プラットフォーム診断」という言葉は耳にしたことがあっても、具体的に何を行い、なぜそれが大切なのか、まだはっきりとイメージできていない方もいらっしゃるかもしれません。

ここではまず、プラットフォーム診断の基本的な考え方についてご説明します。

プラットフォーム診断の目的と診断対象

プラットフォーム診断とは、サーバーやOS、ネットワーク機器といったITインフラの「土台」に潜むセキュリティ上の弱点を特定するための、いわば「精密検査」です。

その役割は、大きく以下の二つに分けられます。

一つは、インフラ基盤に隠れた「弱点」を専門家の目で発見することです。 例えば、

  • 古いソフトウェアや既知の脆弱性の放置。

  • 不適切な設定(開かれた通信ポート、緩いアクセス権限など)。

  • 推測されやすいパスワードや初期設定パスワードの使用。

  • 不要なサービスの稼働。

  • セキュリティパッチの適用漏れ。

といった、攻撃の糸口となり得る問題点を、隅々までチェックします。

そしてもう一つは、発見された弱点が実際にどの程度の危険性を持つのかを評価し、「どのように改善すれば安全性を高められるか」という具体的な対策を示すことです。

これにより、攻撃の糸口をなくし、システム全体の防御力を高め、皆様の安定した事業継続を支えます。

この診断でチェックするのは、皆様のアプリケーションが日々稼働している、まさにその基盤となる部分です。

具体的には、以下のようなものが対象となります。

カテゴリ 具体的な対象例
サーバー • Webサーバー
• データベースサーバー
• メールサーバー
• ファイルサーバー
• Active Directoryサーバー
OS(オペレーティングシステム) • Windows Server
• Linux
• macOS
ミドルウェア • Apache, Nginx
• IIS(Webサーバーソフト)
• MySQL
• PostgreSQL(データベースソフト)
ネットワーク機器 • ルーター
• ファイアウォール(FW)
• VPN装置
• ロードバランサー(LB)
• 無線LANアクセスポイント(AP)

このようにプラットフォーム診断は、システムの基盤となる幅広い要素について、設定やバージョン、既知の脆弱性の有無などを調査し、潜むリスクを洗い出してインフラ全体の安全性を評価する上で役立ちます。

プラットフォーム診断の診断項目

プラットフォーム診断では、システムの「土台」であるインフラ基盤のセキュリティを多角的に評価するため、非常に幅広い項目をチェックします。

これは、攻撃者が狙うポイントは一つとは限らず、OSの脆弱性、ネットワーク設定の不備、あるいは認証の甘さなど、様々な要素を組み合わせて侵入を試みてくるためです。

一部分だけを対策しても他の部分に穴があれば意味がありません。

だからこそ、基盤全体を網羅的に検証し、あらゆる角度からのリスクを洗い出すことが求められます。

主に、以下のような観点で確認を行います。

観点(カテゴリ) 主な確認項目例
ネットワーク通信とサービス (ポートスキャン、サービス特定) • 開放されている通信ポート(TCP/UDP)の特定
• 稼働中サービス(Web, Mail, DNS, FTP等)の種類とバージョン確認
• 不要または危険なサービスの稼働有無
OS・ミドルウェアの健全性 (脆弱性検査) • OS・ミドルウェアのバージョン確認とパッチ適用状況
• 既知の脆弱性情報(CVE等)との照合
• サポート切れOS・ソフトウェアの使用有無
認証・アカウント管理 (アカウント検査) • デフォルトアカウント・共有アカウントの有無
• パスワードの強度・ポリシー・初期設定の確認
• アカウントロックアウト設定
• 不適切な認証許可(例:パスワード認証SSH, Anonymous FTP, Nullセッション)
ネットワークサービス固有の問題 • 特定サービス(DNS, Mail, NTP等)における危険な設定(例:ゾーン転送、第三者中継、時刻同期不備)
• データベースサーバーへの外部からの直接アクセス可否
ネットワーク機器固有の問題 (FW, VPN, ルータ等) • ルーター、FW、VPN等のファームウェアバージョンと既知脆弱性
• 管理インターフェースへのアクセス制御
• ファイアウォールのルール(ポリシー)の適切性
• VPN設定(暗号化強度、認証方式等)の安全性
設定・構成の安全性 (セキュリティ設定) • ファイル・ディレクトリのアクセス権限
• 重要なログ(監査ログ等)の取得・管理設定
• 不要な機能・ソフトウェアの有効化状況
• 特定サービス(DNS, Mail等)における危険な設定(例:ゾーン転送、第三者中継)
通信の安全性 • SSL/TLSのバージョンと暗号強度の適切性
• サーバー証明書の有効性・信頼性
• HTTPSの強制設定(HSTS等)
不正活動の痕跡 • 不審な通信・プロセス・ファイルの存在
• バックドア・マルウェア等の設置兆候

これらの診断項目は、あくまで代表的なものです。

実際には、お客様のシステム環境や解決したい課題に応じて、診断内容を柔軟にカスタマイズいたします。

具体的な診断内容について疑問をお持ちの場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。

プラットフォーム診断が効果を発揮する状況


プラットフォーム診断は、特に以下のような状況でその真価を発揮します。

①自社のITインフラ全体における弱点を洗い出したい時

プラットフォーム診断は、自社のサーバーやネットワーク機器など、ITインフラ全体に潜むセキュリティ上の弱点を「見える化」するのに役立ちます。

管理する機器が多い、構成が複雑化している、といった環境では、「どこに」「どのようなリスク」があるのかを正確に把握するのは難しいものです。

診断では、これまで気づかなかった弱点や、管理が行き届いていない古いシステムが見つかることもあります。

そうした発見で、システム全体のどこが攻撃されやすいか、リスクの全体像を把握でき、対策を立てやすくなります。

②サイバー攻撃の入り口を減らしたい

サイバー攻撃の多くは、システムの弱点を狙ってきます。

プラットフォーム診断でOSやミドルウェアの既知の弱点を見つけ、修正したり、不要な機能を止めたりすることで、攻撃者が侵入に使う「入口」を効果的に減らすことができます。

過去には、OSやソフトウェアの古い弱点が原因で、大きな被害につながったサイバー攻撃もありました。

プラットフォーム診断は、このような見落としやすい弱点が放置されていないかを確認し、被害を未然に防ぐことにつながります。

Webアプリケーションの対策と合わせると、さらに万全です。

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③状況に合わせて診断方法を選びたい場合

プラットフォーム診断には、企業の状況や目的に合わせて診断方法を選べるというメリットもあります。

主に「リモート診断」と「オンサイト診断」の二種類があります。

項目 リモート診断 オンサイト診断
診断アプローチ
  • インターネット経由
  • お客様の社内ネットワーク
主なメリット
  • 手軽に始めやすい
  • コストを抑えやすい
  • 社内環境を詳しく調査
  • より深い設定も確認
適したケース
  • まず外部からのリスクを知りたい
  • コストを抑えたい
  • 社内も含め詳細に把握したい
  • 認証対応などで必要

「まずは外部から見えるリスクだけチェックしたい」ならリモート診断、「社内システム全体を詳しく見たい」ならオンサイト診断、といったように選択できます。

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④セキュリティ対策を社内外に証明したい時

プラットフォーム診断を実施し、対策を行うことは、社内外からの信頼を高める上でも大切です。

取引先からセキュリティ対策状況の提示を求められたり、法令やガイドラインで診断が推奨されたりするケースが増えています。

プラットフォーム診断の報告書は、自社の対策レベルを示す客観的な証明として役立ちます。

また、利用者に対して「第三者による診断済み」と示すことで、サービスの安全性への信頼を高める効果も期待できます。

プラットフォーム診断を受ける際に考慮すべきケース


プラットフォーム診断には多くのメリットがありますが、導入を検討する際には、次のような点も知っておくと良いでしょう。

診断範囲が広くなることがある

プラットフォーム診断は、システムの基盤全体を対象とすることが多いため、調査範囲が広くなることがあります。

特定の狭い範囲だけをパッと診断したい、という場合には、少し時間がかかることがあります。

スムーズに進めるためには、事前に診断対象を明確にするなどの準備が必要です。

もし手軽さやスピードを重視する場合は、診断範囲を絞れるか、またはWebアプリケーション診断など他の方法が適しているか、診断会社と相談すると良いでしょう。

費用と準備が必要になる

システムの「土台」を網羅的に調べるため、診断範囲が広くなりがちで、それに伴い費用も比較的高くなることがあります。

限られた予算内で対策を進めたい場合は、コスト面で検討が必要になるかもしれません。

また、診断には対象情報の提供など、社内での準備も必要です。

予算に限りがある場合は、診断会社に相談し、予算内で最も効果的なプランを検討することが大切です。

診断後の分析・対策に専門知識が必要な場合がある

診断報告書には、OSやネットワークに関する専門的な情報が含まれます。

内容を理解し、対策を進めるにはOSやネットワークに関する専門知識が求められます。特に修正作業は、他のシステムへの影響も考える必要があります。

もし社内に専門家がいない場合、報告書の内容を十分に活用できません。

そのため、報告内容の説明や対策のアドバイスなど、診断後のフォローが充実している診断会社を選ぶことが、大切になります。

プラットフォーム診断サービス
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プラットフォーム診断が向いている企業・サービス

プラットフォーム診断は、特に次のような場合に導入効果を発揮しやすいと言えます。

  • 大規模なITインフラを運用している
  • クラウドとオンプレミス環境(自社運用環境)を併用している
  • ネットワーク全体のセキュリティを強化したい
  • 法令や規制で厳格なセキュリティが求められる

以下で、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

① 大規模なITインフラを運用している

社内に多くのサーバーを設置している、複数の拠点でシステムを運用しているなど、管理対象となるITインフラの規模が大きい場合、プラットフォーム診断は有効です。

インフラが広範囲にわたると、全体のリスクを把握しきれないことがあります。

診断によって、管理しているサーバーやネットワーク機器に潜む弱点を効率よく発見できます。

② クラウドとオンプレミス環境(自社運用環境)を併用している

AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービス(特にIaaSのようにOS以上の管理が必要なもの)と、自社で管理するオンプレミス環境(自社運用環境)を組み合わせて利用している場合も、診断の重要性が高まります。

オンプレミス部分はもちろん、クラウド環境におけるOSレベル以上の設定・管理は自社の責任範囲となるため、プラットフォーム診断によるチェックが効果的です。

環境が混在すると管理が複雑になりやすいので、診断によって全体のセキュリティレベルを確認するのが良いでしょう。

③ ネットワーク全体のセキュリティを強化したい

ファイアウォールやVPN装置といった外部との境界だけでなく、社内ネットワークも含めた全体の安全性を高めたいと考えている場合にも、プラットフォーム診断は適しています。

外部からの侵入経路だけでなく、内部ネットワークに存在する設定ミスや脆弱性が、被害拡大の原因となることもあるためです。

診断では、ネットワーク機器の設定や状態を広範囲にチェックし、内外両面からのセキュリティリスクを減らすことにつながります。

④ 法令や規制で厳格なセキュリティが求められる

金融、医療、重要インフラ関連など、特定の業界ルールや法律、あるいは取引先からの要求によって、高度なセキュリティ対策や定期的な診断が必須な場合、プラットフォーム診断はその要件を満たす手段となります。

診断結果の報告書は、自社がインフラレベルで適切なセキュリティ対策を行っていることを示す客観的な証明として役立ちます。

プラットフォーム診断の優先度が低い企業・サービス

一方で、すべての企業やシステムにプラットフォーム診断が必要というわけではありません。

状況によっては、費用対効果が見合わなかったり、他の診断を優先すべきだったりするケースもあります。

プラットフォーム診断が必ずしも最適とは言えない、あるいは不要と考えられる代表的なケースもご紹介します。

クラウドサービス中心で、自社管理のインフラが少ない場合

業務システムの多くをクラウドサービス(特にSaaSやPaaSと呼ばれる、インフラ管理をお任せできるタイプ)で利用しており、自社でサーバーなどをほとんど管理していない場合、プラットフォーム診断の必要性は低くなります。

これは、インフラの管理・セキュリティ対策の多くをクラウドサービス提供者が担っているためです。

この場合は、クラウドの設定やWebアプリケーション自体の診断(Webアプリケーション診断など)を優先する方が効果的です。

※ただし、自社でOSレベルから管理する仮想サーバー(IaaS)を利用している場合は、プラットフォーム診断の対象となることがあります。

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管理システムが少なく、リスクも比較的小さい場合

自社で管理しているサーバーが数台程度と少なく、かつ取り扱う情報の重要度もそれほど高くない場合は、プラットフォーム診断のコストが見合わない場合もあります。

診断には費用がかかるため、まずは基本的なセキュリティ対策(OSの更新、パスワード管理など)を自社で確実に行うことを優先した方が良いでしょう。

Webサイトやアプリのセキュリティが最優先課題の場合

ビジネス上のリスクが、主にWebサイトやWebアプリケーションの弱点にあると見込まれる場合は、プラットフォーム診断よりも先に「Webアプリケーション診断」を優先する方が望ましいです。

例えば、ECサイトや会員サイトなど、Web経由での情報漏洩リスクが特に高いと考えられるケースです。

このような場合は、まずWebアプリケーション自体のセキュリティを強化することが最も効果的です。

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まとめ:自社のインフラの安全にはプラットフォーム診断を

この記事では「プラットフォーム診断とは」何か、その基本から効果、注意点、向き不向きまで解説しました。

サーバーやOS、ネットワーク機器といったITインフラの「土台」に潜む弱点を見つけ出す大切さをご理解いただけたかと思います。

自社の状況に合わせて必要性を判断し、最適な診断方法を選び、確実なセキュリティ対策を進めましょう。

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この記事を書いた人
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みらいと

セキュリティサービス事業部 コンサルタント/プログラマーからシステム運用を経て情報セキュリティ全般の業務に従事。現在は培った情報セキュリティの経験を活かしお客様の課題に向き合った企画やマーケティングを担当。

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